「嘘つきは魔女のはじまり」あらすじ(電撃大賞 選外)
2016年電撃文庫大賞(短編)応募 選外
中学の卒業式。雨宮 晴彦は片思いの間宮 真実の嘘によって深く傷つき、引きこもり生活に入ってしまう。
半年後、『私を助けに来なさい』という奇妙な留守電を受けた晴彦は一念発起して高校に通うことにするが、姉の虹子から「町や高校は魔女に支配された」という衝撃的な事実を知らされる。
半信半疑で家を出た晴彦は、長谷川アリスと神原撫子のふたりが交戦する場面へ出くわす。追いつめられた撫子のピンチを「嘘」と「ピンクの折りたたみ傘」で救う晴彦。
学校に着いた晴彦は「雪姫」と呼ばれる天野白雪と出会う。友人の青木戸諒によると「雪姫」をはじめとした数人の姫候補は、生徒たちのリボンを奪って数を競い合う「薔薇姫戦線」なる魔女界のミスコンに参戦しているのだという。
そのひとりである「黒姫」こと撫子と屋上で再会し、またも「嘘」で危機を救った晴彦に、撫子は自分の騎士になれと迫る。
翌昼、白雪の魔法によって生徒たちが羊へと変化し撫子に襲いかかってくる。とっさの機転で撫子を救った晴彦は、反転攻勢に出て白雪のリボンを奪い姫候補から脱落させる。
しかし真実と再会。
一方の撫子は最後の姫候補「青姫」から決闘を申し込まれていた。
翌朝、決闘に臨む撫子を心配する晴彦のもとに真実が現れ、アリスのリボンを渡せという。晴彦は知らないうちに留守電を介した真実の魔法で操られていたのだ。
撫子と真実の決闘が始まるも、真実は晴彦に攻撃を向け、助けようとした撫子のリボンを奪う。力で人間を支配しようとする真実の不意をついて「嘘」の魔法を発動させた晴彦。
真実のリボンは撫子の手に渡り、薔薇姫は撫子となる。
撫子の願いで半年前へと戻された時間。
晴彦は高校入学式のクラス発表で撫子の名を見つけ、クラスメイトとして再会を果たす。