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プロローグ:惨めな僕と情けない君

町の裏の花畑に、小麦色の健康的な肌と燃えるように紅い髪の五歳くらいの女の子は、少し呆れてため息をしながら呟いた。


「本当に惨めね。」


女の子の前に、顔や髪、上等な服を泥で汚されて泣きじゃくる空の様に蒼い髪の男の子が座っていた。

先程まで男の子をいじめていた人たちの姿は一切なく、彼ら二人を撫でるようにそよ風が吹き、花畑を揺らす。

女の子は座り込むと慣れた手つきで男の子の顔を、魔法で産み出した水で濡らしながら綺麗に拭いていく。


「よし。これで少しはましになったかな。服は流石にここじゃ綺麗にできないから、家に入る前に玄関でメイドを呼べばいいわ」


泣いていた男の子は鼻をすすりながら女の子みて口を開く。


「どうして、いつも…僕に優しくするの?」


男の子の嗚咽混じりの聞き取りにくい言葉に女の子は少し不思議な顔をして、先程の堂々とした態度とは変わり、頬を髪のように紅く染めながら恥ずかしそうに口を開いた。


「だって、あなたと私は運命の糸で結ばれてるから」


その女の子の紅い顔は夕日に照らされて儚げに見えていた。



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