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素直になれない。

作者: しゃーな

声優魂シナリオ部門参加作品です。恋愛(っぽいもの?)は久しぶりに投稿しました。いつもより少し長めですので、時間のある時に読んでください。

それでは、どうぞ↓

「ここはどこ…?」

 私が起きると、なぜか森の中にいた。そして、目の前にはモニターが。森の中にモニターがあるなんて、どう考えてもおかしい。

 すると、モニターがパッと明るくなり、映像が流れた。おそらく海…で女の人がおぼれている。カナヅチなのかな。そんなことを考えながら、まじまじと見た。泳げないまま、女の人は海の中に消えてしまった。映像は何度も繰り返される。そして、あることに気がついた。

「これ…私じゃない?」

 今の自分の服と同じ。髪型も同じ。背も同じくらい。

「っていうことは…私、死んだの?」

 しばらく黙って、考え込む。

「えぇ…まじか。でも、ほんとに?ありえないわ。」

「おはようございます、山本真里(やまもとまり)さん!」

 急にモニターの画面が変わった。映っているのは、かわいらしいウサギ一匹。ゲームマスター的な何かだろう。

「ねぇ、私は死んだの?」

「突然ですね。真里さんは死んでいませんよ。現実世界では意識不明となっています。」

「ふーん。で、私はどうしたらもとに戻れるわけ?」

「方法は一つです。」

 一つしかないのだから、とても難しいのだろう。例えば、ドラゴンを倒すとか、姫を助けるとか…女の私には無理そうだ。

「私、女だけど大丈夫?」

「はい、まったく問題ありません。まあ、簡単ではないと思いますが…」

「で、結局なんなの?その方法っていうのは。」

「それは、『大切な人』を見つけることです。」

「わかった。ていうか、他の人いるんだ。」

「はい、います。じゃあ、頑張ってください!」

 ウサギはニコリと笑った。すると、スウッとモニターが消えた。真里は少し驚いたが、

「あいつ誰だ?…まあいいや。とりあえず人を探そっと。」

と言って、さっさと歩き出した。


                  *  *  *


「あっ、誰かいる。」

 真里は5分ほどあるいたところで、男の人を見つけた。だが、男はめんどくさい。しかも、明らかに初心者のようだった。

「スルーしよっ。」

 木に隠れてコソコソと離れようとした。が、見つかってしまった。

「あっ、そこの人!」

 真里は思った。どこかで聞いた声だと。振り返ると、そこには中学時代の友達がいた。

「あの~。聞こえてますか~?」

 最近がっつりイメチェンしたから、私だということはばれていなさそうだ。一応、違う人物を演じることにした。これでも演劇部なのだ。

「あっ、はい。ごめんなさい。ちょっと緊張しちゃって。」

「そうなんすかー。」

「あの…お名前は?」

「あぁ、名乗ってませんでしたね。俺は高崎翔(たかさきしょう)です。まあ、適当に呼んでください。」

 やっぱりか、と思いながら返事をする。

「翔君。よろしくね。」

「よろしくです。あなたは?」

「私は―」

 あ、そうだ。自分の名前。どうしよう…とっさに思いついた名前を言った。

「星野紗奈(ほしのしゃな)です。『しゃーな』って呼んでください。」

「おう。じゃあ、行こうか。」

「はい。」

 二人は仲良く話をしながら――とはいかない。全く会話をしないのだ。まあ、あっちも緊張しているのだろう。

「あのー…」

 翔が話しかけてきた。こんな時に何だろう、と思った。

「はい、何でしょう?」

「俺の昔の話、してもいいですか?」

「あぁ、そうですね。自己紹介として、しましょうか。」

「俺が中学校のときのことなんすけど――――」

 それを聞いて、少しドキッとした。が、とても気になるので、黙って聞いてみることにした。


                     *  *  *


 俺が中学の時のこと。俺は男子の1軍にいた。だから、友達も多くて、楽しい日々だった。いつも笑顔があふれてた。

 こんな俺にも、恋をしていたときがあった。その相手は、小学校から一緒の山本真里。いつも一緒に帰っていて、そこそこ仲が良かった。だんだん惹かれ、自分だけが意識してしまう。それが少し、恥ずかしかった。

 帰り道に、一緒に帰った時だ。このままじゃ変わらない!と思い、一歩踏み出してみることにした。

「今日の夜話したいんだけど、LIMEできる?」

「うん、できるよー。」

「おう。じゃあまたあとでな。」

「うん、じゃあね。」

 そう言って、別れた。

 その夜からだ。真里に好きと言うようになったのは。何度も言うのに、「冗談でしょ?」と言って、なかなか信じてくれない。冗談なんかじゃないのに。

 結局、何も進展しないまま中学を卒業し、真里とは離れてしまった。


                    *  *  *


「こんなことがあって。あっ、初めて会った人に言うことじゃないっすよね。すみません。」

 翔は照れながら笑っている。だが、真里は悲しくなった。なぜ気がつけなかったのだろう。自分の気持ちを伝えておくべきだった、と後悔した。

「しゃーな、大丈夫?」

 翔が目の前でひらひらと手を振る。

「えっ、あぁ、ごめんなさい。ちょっと昔のこと思い出しちゃって。ぼーっとしてしまいました。」

「そっか。無理しないでね。あっ、ため口になっちゃった。」

「全然かまいませんよ。」

 今聞いたことは本当なのだろうか。信じられない。頭が混乱する。でも、翔に合わせておくことにした。

「なぁ、ここを抜け出す方法って聞いたか?」

「うん。大切な人を見つけることでしょう?」

「そう。でも、俺は一生出られないかもしれない。」

「え?」

「俺が大切って思えるのは、真里だけだから。」

 胸がズキズキと痛んだ。本当のことを知れてよかった安心感もある。でも、翔を騙しているという罪悪感が大きかった。もし、私がこのまま正体を明かさなかったら、翔はここから出られないのだろうか。申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

「なんでだろうなぁ…」

 翔が急につぶやいた。

「何がですか?」

「いや、変だけど、しゃーなといると、真里といるみたいに感じるんだよなー。」

「似てるんですかね?」

「うーん。でも、こんなにおとなしかったかなぁ…」

 翔の言葉に少しムッとなったが、しょうがないと思い、おさえた。


                     *  *  *


 3時間くらい歩き続けただろうか。行く当てもなく、森の中をさまよった。体力はある方なので、疲れなかった。たどり着いた先は、なんと崖。でも、そこから見える森と空はとても美しく、声が出なくなるほどだった。

「すごいな…」

「きれい…」

 二人はどこまでも続く空を見上げていた。真里は、こうして2人でいられる時間がただうれしかった。

 すると、急に地面がぐらぐらと揺れ始めた。

「なんだこれ!?」

「地震!?」

 震度6あるんじゃないか、と思うくらい揺れは激しかった。二人は立っていることが難しくなり、座ろうとした。が、その時だった。

「わっ!」

「じゃーな!?」

 真里が、バランスを崩して、崖から落ちていく―――ところをギリギリで翔が手をつかんだ。

「絶対離すんじゃねーぞ!!」

 真里は、恐怖で声が出なかった。ここで落ちたら、本当に死んでしまうのではないか。下を見る勇気もなかった。

 また本当のこと言えないまま終わっちゃうのかな。そう思うと、胸が痛んだ。真里は翔に本当のことを伝えて終わることにした。

「あと10秒だけ離さないでください。」

「ずっと離さねえよ!」

「いいの。翔君まで落ちちゃいますから。」

 そう言って、真里はにっこり笑った。

「くっそ…」

 落ちそうな真里を必死で捕まえてくれている。真里は早口で言った。

「今まで隠しててごめんね。私は真里だよ。それから――――」

 最後の言葉を言おうとしたときに、翔の力が抜けた。真里だったと知り、驚いたのだろう。真里は落ちながら言った。

「大好き…」

「真里…真里!!」

 翔は叫んだ。聞こえているかもわからないのに、必死に叫んだ。

「また…また真里を守れなかった。」

 翔は、自分が情けなくなった。悔しかった。何より、自分の好きな人を守れなかったことがショックだった。自分がもっと強ければ。もっと頼りがいがあれば。力があれば。勇気があれば。翔の中には後悔しかなかった。

 真里に心残りはなかった。最後に好きだと言えてよかった。聞こえているかもわからないのに、なんとなく安心していた。

 すると、2人の目の前が急にふっと真っ暗になった。


                     *  *  *


「…り……まり…真里!……真里!!」

「んっ…恵里(えり)…?」

「そうだよ。真里!!よかったぁ…」

 真里は、自分が現実に戻ってきたことを知った。恵里に今までのことを聞くと、1日中意識不明だったとか。

 真里が喜んでいると、恵里がカーテンの向こう側を見て言った。

「あ、そっちもですか。よかったですね!」

「もー。めっちゃびびったじゃん。」

「わりぃわりぃ。」

 聞き覚えのある声。もしかしてと思い、聞いてみた。

「隣って、誰がいるの?」

 恵里に聞いたつもりだったのだが、隣の人の友達が答えてくれた。

「あぁ、こいつは翔です。」

「翔?…翔!?」

 私は驚いて、ベッドから起き上がり、カーテンを開けた。そこには、翔がいた。うれしくて、思わず泣いてしまった。

「真里!」

「翔!」

 今は恥ずかしさなどない。思いっきり抱きついた。まわりのちゃかす声さえも耳に入ってこない。

「真里が無事でほんとによかった…」

 翔も抱き返してくれた。どうやら、泣いているようだ。すると、翔の友達が話し始めた。

「こいつね、君が溺れてるの見て、助けに行くって泳いで行ったんだ。でも、途中で足つったらしくて、こいつも溺れてんの。まじださかったわー。」

「///…しょうがないだろ!?そういうことあんまり言うなよ…」

 翔は、恥ずかしがりながら言った。耳まで赤くなっているのを見て、真里はクスッと笑った。そして、2人で言った。


「「大好きだよ。」」


ありがとうございました。

真里の演じていた「しゃーな」。私もこんなことしたいなーと思い、ユーザーネームを使いました。実際にこんなことあったらいいんですけどね。書いていて、とてもうらやましかったです。

さて、どうだったでしょうか。相変わらず下手なので、コメントや評価を頂けるとありがたいです。これからもよろしくお願いします。

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