第九話 ミイと冒険と防具
6月23日 誤字の修正をしました。
7月20日 誤字の修正をしました。
8月20日 本文の改稿を行いました。
8月31日 修正をしました。
ミイはラビットに狙いを定めています。
『キュイ』
ミイが矢を放ちました。しかし、残念ながらラビットに避けられてしまいました。少しばかり、左にズレたようです。
「ごめん! 外しちゃった……」
ボクはミイの言葉を聞く前に、右手に石を持ちラビットに投げ、自身に自身に敵意を引き付けます。
「ミイはラビットに隙が出来たら、矢を放ってください!」
ボクのスキルには<戦闘スキル>と言われるモノはありません。それでも『スキル補正なし』でなら、石を投げたり、剣で斬ったりは出来るそうです。ユウキの話しでは、歩く・座るなどの基本動作と同じらしいです。
マオとラビットの両者は睨み合っています。間合いは、大体10mくらいです。自身が紙装甲なのに加え、ミイも遠距離主体なので守備力は低いから安易には動けません。
ヒュンッ!
トン!
ボクは可能な限り、ラビットの攻撃の初動を潰すように、そしてミイに意識がいかないように石を投げ続けます。後ろ足に力を込めるのを感じたら、石を投げ集中出来ないようにします。
「セイ!」
『キュイ』
ミイのラビットボウから放たれた矢は、真っ直ぐ飛びラビットの胴体に当たりました。その一撃でラビットは事切れました。マオは倒したラビットに近づき、手をかざします。アイテムボックスにドロップアイテムが入りました。
【ラビットを撃破しました。それぞれ2CPを獲得しました】
「マオ!! 私………倒しました!!」
ミイは嬉しそうにピョンピョン跳ねています。その姿にボクの頬は緩んでしまいます。
「これでミッションの『初戦闘勝利』をクリアしたはずです。ステータスを確認して見て下さい」
マオの言葉にワクワクしながら、ミイはステータスのチェックをしています。マオ自身もチェックしましたが、生産職特化だからか、スキルレベルは上がってはいませんでした。
「スキルスロットが増えてるよ! しかも二個も増えてる!?」
「スキルLVが上がっているのではないですか?」
スキルLVを確認したミイは「本当だ……上がっている」と言っていました。
そのあとも、モンスターを探しながら、採取をしました。ミイに取る魔法について聞いてみると、<精霊魔法>を取るそうです。
【精霊魔法】 世界に漂う精霊の力を借りる魔法。地域ごとに活性化する精霊が違い、威力が増減する。(例:火山だと、火精↑、水精↓)
精霊魔法も杖を必要とするので、【初心者の杖】をプレゼントします。驚いた様子もなく、ただ喜んでくれているのが、嬉しいですね。
ミイは残り一つのスキルスロットには<MP上昇>を入れるそうです。
「マオ! 魔法を使ってみるね♪ 『ファイヤーバレット』!!」
ミイは其処に鎮座していた、大岩に向かって魔法を放ちました。『ガオォォォォン』と大きな音を立て、大岩を砕きました。
「サキの魔法も見ましたが、威力が段違いですね……」
装備品による、ステータスの強化に感心していました。サキもミイと同じエルフなので基本的な性能は同じはずです。
この違いを生んだのが、装備の違いであるのは間違いないので、これからの『ものづくり』が楽しみで仕方がありません。自身の頬が緩んでいるのに気付きません。
「それでは、もう少し奥まで行ってみましょうか?」
今回の探索に近くの森を選んだ理由の一つのは、前回の探索で作ったMPポーションの材料採取に来たのです。
ミイも精霊魔法を覚えたので、MPポーションの消費量は増えていくでしょう。
「ねえねえマオ。ウサギさん♪」
頭に先ほどのドロップアイテムでしょうか? 『うさミミ』です! 『うさミミ』!! 重要なことなので、二回言います。
その姿を見て、脳裏に『ビカアァァ!!』と何かが墜ちてきました。作製のために必要なものを思い浮かべ、計画を立てます。
「ミイ……狩りを行います。これから日の入りまで、ラビット狩りをします。上手くアイテムを集められたら、ミイの新装備を作ります!!」
「わかった♪ がんばるよ♪」
それからは、追い剥ぎならぬ『ウサギ剥ぎ』になりました。途中で矢が切れて、外で作製することを経験したり、石を投げられず蹴り飛ばしたり色々なハプニングがありましたが、狩ったウサギの数は二人で三百に及ぶ程の量でした。
その中でレアアイテムのドロップは四品ありました。
【ラビットのミミ】 かなり低確率でしか、ドロップしないうさミミ。幸運を運ぶという伝承がある。 ランクC レア ★★★
【ラビットのしっぽ】 うさミミより極低確率のドロップアイテム。手にした者は、孫の代まで幸運が続くという。 ランクC+ レア ★★★★
「これほど凄いアイテムを、四品も確保出来たのは僥倖ですね」
「これで……スッゴイ防具を作ってくれるのよね?」
ミイの瞳はキラキラ輝いています。もちろんです!! 太陽が東に沈まないくらいに!!
「最高の逸品を作って見せます!」
ミイに最高の笑顔で答えます。そこからは街まで、強行軍で進みます。
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宿屋に帰ってきたボクたちは、部屋に向かいます。部屋に入ったマオは、ミイに一つのお願いをしました。
「これから作る服は、オーダーメイド品にしようと思います。ですので申し訳ないのですが……ミイの身体の詳細な数値が欲しいのです」
「私の身体を……測定するってことですか?」
言葉に頷きます。ミイも緊張しているのか、敬語です。
「この体がいくらアバターとは言え、ミイは立派な女性です。インナーだとしても、男の前で服を脱ぐのは恥ずかしいでしょうし………」
この世界は、名前の通り『アバター=現実の体』ということになります。結果的にはミイの数値は作製する上で、知ることになりますがそれでも───直接触り、測るのは気が引けます。
「わかったよ……私の身体を測っていいよ」
ミイは顔を赤く染めながらも防具作成の為に、服を脱ぎます。ボクは、裁縫セットからメジャーを取り出しました。もちろんその間は、お互いに背を向けています。
「マオ──こっち向いて、いいよ……」
ミイの許可得て、向い合わせになります。