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ありえない生産職~あんたが生産職なワケがない!!~  作者: 四宮 皇季
序章 生産者 マオ冒険します!
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第八話 ミイの武具

 6月16日 誤字の修正をしました。


 6月22日 誤字・脱字の修正をしました。


 6月27日 誤字の修正をしました。


 7月20日 誤字の修正をしました。


 8月20日 本文の改稿を行いました。


 8月31日 修正をしました。

 リアルワールド三日目の朝、マオたちは”朝食(・ ・)”を食べた後、買い物をして作業場に向かうことにしました。このゲームには今のところ、『満腹度』はありませんがこの世界独特の料理が美味しいのは、食べ歩きして分かっています。

 作業場に着いたマオは、前回の掲示板のことで共同スペースの使用を諦め、一時間100(ギータ)になりますが、個室で作業をすることに決めました。


「これからミイの武具を作成します」


「作って貰えるのは嬉しいけどぉ~私はお金ないよ?」


「気にしないで下さい。先行投資でもありますし、生産職特化を目指すボクには『ミイの武力・護衛力』が生存に一番重要なのです」


 そう言いながら、ボクは<木工初級キット>を取り出し、素材木材を取り出します。今回に作成するのは、ミイの弓になります。昨晩確認のため、見せて貰った支給品の弓(初期装備)は、お世辞にも使えるものではありませんでした。



 【はじまりの弓】 最初に支給される装備。不慣れでも扱いやすく設計されている反面、威力が犠牲になっている。 ATK+2 ランクE レア ★



 今回作成する弓は、現在には名前しか伝わっていない『複合狩弓(コンポッジット・ボウ)』を考えています。この弓の作製方法はハッキリと伝わっていません。ただ、マンガなどでは色々と出てきます。

 基本としては、『複数のパーツを組み合わせる』と言ったところでしょうか? 取り出した材料を見て考えます。


 最初の作業は、丸太にアーツ『乾燥』をかけ木の中から水分を抜きます。コレは芯材として使用する予定です。長さは使用者であるミイが使いやすい、六十cmくらいのサイズにします。(それでも大体身長の半分くらいです)


 次は、斧を使いアーツ『薪割り』で大まかに形を切り出します。ミイに何度か手に持ってもらい、幅と厚みを調整します。芯材の削り出しが終わったら、弦を結ぶ留め金をバザーで購入してきた鉄鉱石をスキル<鍛冶>で精錬しインゴット化、新しく取得した『技能スキル<錬金術>』を使い純度を高めます。

 形を錬金術でこね回します。このやり方は、マニュアル操作になり、公式サイトで紹介されています。


「<錬金術>はこんなことも、出来たのね……」


 ミイは作業の様子に、感心しきりです。全て始めて見るからこそ、この作業方法の異常さは分かりません。


「公式サイトにも載っているのですが、これはマニュアル操作といいとても難しいそうです」


 ボクはのんびりと話・説明をしながらも、手早く形を整えてゆきます。鉄を幅1cm・長さ70cmの棒状にして、それを先程作った芯材に彫ってある溝に当てはめます。

 その上に『ユナの木』をある程度形に削り出し、外れないように凹凸を作ります。木工用の特殊ボンドを塗り、ズレないようにキレイに当てはめます。


 あとは弓の上下・中央をキッチリと縛って、外れないようにします。最後はヤスリで表面をキレイに磨き上げ、つや出し用のニスを塗ります。

 作成時間一時間で弓は完成です。(本来はもっとかかります)


「一応の完成ですが、確認して欲しいので、手に持ってくれますか? 不具合があれば直します」


 作製した弓をミイに手渡します。レンタル機能で渡した弓をミイは、真剣な表情で見ています。


「もう少し細い方が、しっかりと握れそうな気がするかな?」


 持ち手部分をヤスリで削って、ミイの手に馴染むように整形していきます。真っ直ぐではなく、少し波うっています。


「出来たら~可愛く装飾って出来ないかな?」


 ミイに上目遣いで見つめられたマオは、「専用武器にするなら、本人が気持ちよく使える方が一番ですね」と思いました。装飾に使えそうなモノがなったのか、アイテムボックス内を漁ります。


「え~っと、使えそうなのは『ラビットの毛皮』くらいですね」


「ラビット? ウサギですか!?」


 今までにないくらい、元気よく食いつくミイに驚きつつも「そうですよ」というとかなりキラキラした瞳で訴えかけてきます。幼いときの妹がよく同じ瞳をしていたので直ぐに分かりました。


 弓の土台が出来てから、大体一時間程かかってついに完成しました! 持ち手の部分を毛皮で巻き、弓の両端には毛皮の切れ端を用いてミニウサギを模しました。

 弓に張る弦は、ミイが偶然手に入れた『マダライモムシの稀糸』を使います。



 【マダライモムシの稀糸】 森ではなく、何故か草原に棲息するイモムシの生糸。 ランクD+ レア ★★★



 弦を張った弓の完成品がこちらです。



 【ラビットボウ】 複合弓という、扱いの難しい機構で作成された弓。機能面だけでなく『見た目』も重視され可愛らしく仕上がっている。ちなみのに弓を射たときの音は「ヒュンッ」ではなく「キュイ」と鳴く。 ATK+20 ランクC レア ★★★★☆

 追記:ミイ専用の固有武器(ユニークウェイポン)であるので、ミイ以外は作製者しか触れない。



 これは……”非常識(ありえない)”一品が、産まれてしまったのではないのでしょうか?

 ボクはプレゼントで渡すと、ミイは弓を手に取り大喜びしています。


「かっわいい~~!! ウサギさんだ~!!」


 これほど喜んで貰えるのは、作り手として嬉しいですね。

 はしゃいでいるミイを横目に角材を1cmくらいの太さに、斧で割っています。これは『矢』の為の準備になります。コレに森で回収した”鳥の羽”を<錬金術>で錬成します。あら不思議!木の矢が出来ました。



 【木の矢】 店で買える初心者用の矢。一本1Gで販売されている。 ATK+1 ランクE レア ★



 これだけでは、物足りない気がしたのでアイテムボックスを漁ると、大量にあるのは『石』でした。

 石と言えば石器時代──────気付いたら、矢と錬成していました。



 【石の矢】 石をバカにする事なかれ。石の鏃が付いたことで、攻撃力が上がった。 ATK+2 ランクE レア ★



 大量に石の矢を生産します。一度作ればスキルでショートカット出来るので、簡単に数を揃えられます。矢をある程度確保したら、時間の方も終わりに近づいてきたので、ベリーポーションを作成して外にでました。


「それでは外で狩りをしましょうか?」


「はっ、はい!」


 緊張しているのが伝わってきたので、「肩の力を抜いて下さい」とミイに声をかけます。頭を撫でるのも忘れないマオです。


「周囲に気をつけて、近くの森で戦ってみましょう!」


 マオの言葉にミイは、かなり気合いを入れているようです。弓だけを装備した彼女を見て、自身のミスに気付きました


「そう言えばまだ、矢を渡していなかったですね」


 マオは頭をかき、ミイに『石の矢』を渡しました。


【『石の矢を99本』をプレゼントします】


「こんなにいいの?」


「取り敢えずあと、2枠分あるので気にしないで射って下さい。ミスをしてもスキル経験値は、入るそうなので心配はいりません」


 話しながら、森の中に入っていきます。マオ自身、昨日より緊張しない理由は、ミイがいることが大きいのでは?と思っています。


「20m先に何かが居ます。恐らくラビットだと思うのですが、射てますか?」


「が、頑張ります」


 敬語になっているので、かなり緊張しているようです。ラビット自体は、最弱のモンスターの一角らしいのでそれほど心配していません。現状でもミイはボクより、HP・VITは高そうです。

 ゆっくりとラビットに近寄ります。ミイは石の矢を弓にセットして、ボクが教えた(ユウキに聞いた)スキル〈隠密〉を使い、弦を引きます。


『キュイ!』


 射られた矢は、真っ直ぐに飛んでいきます。

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