第七十六話 (行き過ぎた?)ガールズトークその3
閑話はこの話で、終わります。次回からは、新しい章の始まりです!
10月31日 誤字・脱字の修正をしました。
時間が過ぎること、数日──。マオからの新装備【暴君竜帝シリーズ】の武器を渡してからの彼女たちの躍進は目を見張るモノでした。
町から西にある砂漠地帯に棲息する、最下級竜種のサンドリザードの素材を求め、朝早くから狩りに出かけ"1対複数"の戦いで圧倒し、大量のサンドリザードの素材をマオに送っています。
また、レインさんが絡んだ(主に、竜の骨を食べたいと言った)ことにより、マオが「ティルグルスの素材を食べられそうなので……」と言葉を発したことにより彼女たちは、町に北に出現するとレインさんの(胃袋)情報だけでロートレックスという、全身が岩のような表皮に覆われたモンスターを探し、狩るという旅に出かけたりしました。
そうやって、色々なモンスターを倒し、素材を渡すことにより、少しずつ装備が揃ってくることにより、北にも、西にも彼女たちのモンスターは必然的に減ってきました。
そうなると、スキルレベルが上がりにくくなってきます。次に目に映ったのは、ある意味で辛酸を舐めさせられた荒野の主『暴君竜帝』に対して、再び戦いを挑むという行為でした。
何故、そのようなに思考が行き当たったのでしょう?
本来なら防具が揃ってきても、そう簡単に倒せないはずだったのですが……彼女たちの熱意(というか、執念「素材、回収、うまうま」)に負けてしまいました。
その狩りで獲得した素材からも、新たな武具が生まれ続け、ティルグルスを倒しやすくなり、何度も繰返して狩り獲りました。
それは、1つのルーチンワークの完成を意味します。
『倒す』→『素材を回収する』→『マオが装備を作る』→『強くなって、倒しやすくなる』→『素材を回収』→『うまうま』
──則ち、『倒す毎に、彼女たちは強力になって』います。
そうなると、最初は4人で行っていた戦闘を、1人欠けた状態(手を出さないだけ)で3人のみで戦ったりと、徐々に対戦人数を減らしていきました。
その時には、シアとキキはタイマンで圧倒(その時の装備は、バージョンアップ済)していたり、ミイとハルのコンビでは"活きたままのティルグルスを捌いたり"────彼女たちの行動は、誰が見ても『常識外』のモノになりました。
その行動の根源を理解したマオは、絶句し、苦笑しました。
「なんかここまで来ると、ティルグルスが可愛そうだよね?」
ミイは少し遠い目をして、空を見上げています。そういう仕草をするミイに、息切れなどの状態異常はありません。これでも、先程までティルグルスと戦っていて、ちょっと前に倒したばかりなのですが。
「そうだな、これじゃあ『弱いもの虐め』だよな……」
そう答えるシアですが、ヤっていることは『虐殺にして、蹂躙』の言葉以外では表現できません。逆に、蹴散らされているモンスターの方が、不憫に思えてしまうくらいです。
「皆さん! 御飯の準備が出来ましたので、ランチタイムに致しましょう!」
昼の準備をしたハルの声と、パンパンと手を叩く音が、周囲で警戒していた3人の耳に届きます。
「にっく、ニック、肉」
元気よく駆け寄ってくるのは、キキです。誰よりも遠くで警戒していた彼女が一番乗りで、ハルの元に駆け寄っています。
その内、幻覚が見えるのではないでしょうか? もちろん耳と振れ動く尻尾の幻がです。
そう思ってしまったハルの表情は、優しく微笑んでいます。さあ、皆が集めれば、昼食の開始です!
「それにしても、このティルグルスの骨から取れる出汁は美味しいよね♪」
ミイはティルグルスの竜骨から取った、出汁で作った『ラーメン擬き』を食べながらそう言います。このアッサリとした味が大好きになりました。
竜骨出汁と同様に、竜肉もかなり美味しいく、ビーフジャーキーならぬ、『竜肉ジャーキー』をハルは開発しました。このジャーキーは"珍味"の1種として、大人プレイヤーに受け入れられています。現在では、素材の入手量が安定しているので、加工し、流通させています。
そのせいで、周囲からはこの様に思われています。
──探せば見つかる【魔王商会】と。
そうは言われても、露店などで販売しているわけでもなく、運営がレンタルで貸し出している自動販売機をマオが魔改造した自動販売機で販売しているだけになります。
この自動販売機は、プレイヤーは元より、運営からも【魔王販売機】と命名され、ゲーム内での立場を確立するに至りました。
ちなみに、マオたちのパーティは"魔王軍"と呼ばれ、いつの間にか『食料部門開発課』と分けられ、訳がわからない状況になっています。
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【竜肉ジャーキー】 最近、討伐が増えてきたことにより、流通量が安定した為に販売に至った保存食(希望)。噛むと口の中でほどける肉、柔らかく噛むほどに味わい深くなる肉汁、ハル特製のスパイスによる味付け──。
1度食べたら逃げられない、止められない!!
数多くの料理人が解析に当たるが、複製には至らない逸品。
ランク ── レア 現在、伝説級?(販売5分で完売する為、判断不可能)
※あるプレイヤー談:竜肉ジャーキーならぬ、竜肉中毒症にご注意!!(by.ユ○キ)
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そんな竜肉でバーベキューや、焼き肉パーティをするのは、魔王様たちだけでとても目立っています。
「──肉、旨い! もっと! もっと!!」
バーベキューコンロ擬きの前で、ピョンピョン跳ねて、ハルに肉の催促をするキキでした。そんなキキを、微笑ましそうに見ているハルの姿は、何処か母性を感じさせていることでしょう。
このバーベキューコンロ擬きも、マオ作の魔導具の1種です。
「それにしても、お姉様には感謝が尽きないです」
うっとりとした表情で見つめるのは、マオとキルステさんの最高合作である【竜斬包丁・颪】です。
刃は60cmくらいの長さで、刺身包丁のように細身ですが、そんなスマートボディーでありながらも、対竜殺し武器でとても頑丈です。
また、対となる同型の包丁【竜斬包丁・禊】もマオたちの手で作製され、ハルの頼もしい相棒となっています。
「確かに強い武器だよな! キキのように、『拳』でブッ飛ばさないから、インパクト的には弱いけど、あんな風に細切りに出来るモノなのかと、目を疑ったよ!」
ハルの言葉に頷きながらも、少し引いた表情を見せるシアでした。その理由は、簡単に説明できます。
──ハルは【竜を捌き殺すモノ】を、
──キキは【ティルグルスにマウントポジションを決めるモノ】を、
それぞれ入手しているからです。ちなみに両方とも、複数体倒さないと入手出来ないタイプの称号です。
「私の腕だけでは、あれほど細かく斬ることは出来ません。お姉様の包丁があってこそ、あの様な業を行使できたのです!!」
そう告げるハルの目には、マオに対する"絶対的な信頼"だけではなく、すでに妄信的な状態とも言えそうです。
4人全員が知っているはずですが、今回の武具に関してはマオ個人の作ではありません。
地金はレインさんが、服などの仕上げにはキルステさんが密接に関わっています。当然、この2人もティルグルス素材により、利益を得ています。
主に、レインさんの方が大きいでしょうが……。
──竜骨を食べたり
──竜骨100%ジュースを作ったり(ミキサーはマオ作)
──竜肉で焼き肉パーリィーをしたり
──レアドロップの竜の肝から、【竜殺し(酒)】を造り(ハルに矢面が……)、宴会したり
本当に、自由気ままに暴飲暴食を繰り返していました。
怒ったキルステさんが、マオ特製の【竜骨鱗の籠手・試】で殴りかかったり(ここは、マオの総取り)、レイン作の根性竜入棒を取り上げ、全力で殴りかかったり(ここも、マオの総取り)していました。
こうして、彼女たちにとっても『強化合宿』となった1週間が終わりました。町に帰った翌日、マオに呼び出されました。
リアルワールド"初の大型イベント"の幕が開くのでした!!
お読みいただき有難うございます!
今回の活動報告で、いくつかのご報告があります。
よろしければ、お読みいだだければと思います。




