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ありえない生産職~あんたが生産職なワケがない!!~  作者: 四宮 皇季
序章 生産者 マオ冒険します!
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第七話 初めての仲間

 6月16日 誤字の修正をしました。


 6月17日 脱字の修正をしました。


 6月22日 誤字の修正をしました。


 7月20日 誤字の修正をしました。


 8月19日 本文の改稿を行いました。


 8月31日 修正をしました。

 高性能なMPポーションで友人のサキを混乱に陥れたマオは、あの後にサキから尋問とも取れる『怒濤の質問』を受けました。

 最終的には「企業秘密です」と答え続けて、何とか解放してもらいました。生産職にとっては『レシピは宝』ですので、強く言えないそうです。


「サキのあの行動には参りましたね」


 ボクは苦笑しながら商店街を歩いています。商店街の露店スペースで、販売している人がいます。ベータ版のプレイヤーでしょうか?

 オープンしてゲーム内時間がまだ二日しか経っていない状態です。露店と言っても相応の場所代が必要で、資金繰りも大変なはずです。

 彼らの様に、他のプレイヤー(不特定多数)に売るつもりはなく、基本的には自己消費の予定でプレイする気でいます。まあ、パーティーメンバーや仲良くなったプレイヤーくらいには、販売する気でいるようですが……。


「そう言えばこのゲームは『満腹度』はないですよね?」


 ボクがそう言ったのには理由があり、散策している場所にはNPCの飲食店(屋台)が建ち並んでいるからです。醤油のような焦げた臭い、何の肉かは分からない『焼き鳥っぽい』ものなど、目・鼻・耳……全てに訴えかけてきます。

 実際にベータ版ではなかったそうです。ユウキから聞いた話しでは、次のアップデートで加わる可能性が高いそうです。その為、現時点でスキル<料理>は死にスキルの一種で、ネタスキル扱いです。

 他にも武器スキル<弓術>も同じ扱いでコストの高さ……弓の扱いに加え”矢が使い捨て”なのが原因で同じ死にスキルと扱われています。


 トン!


「きゃぁぁ!?」


 考え事をしながら歩いていたようで、誰かとぶつかってしまいました。人通りの多い商店街でよそ見する、ボクの不注意です。


「すみません! お怪我はないですか?」


 急いでぶつかった相手を見ました。自分よりも小柄な少女で、怪我はないかったようですが、その視線は”あるモノ”に釘付けされてしまいました。


「───弓───」


 小さな呟きが聞こえたのか、目の前の少女は『ビクッ』と震えました。少女の髪から出ている耳は少し長く、先が尖っています。その容姿から『エルフの弓使い』をモチーフにしているのが分かりました。


「もしかして、何か困っていることがありますか?」


 その少女の瞳には涙が浮かんでいました。ボクはその少女に、幼き日の妹を思い浮かべてしまい、放っておけませんでした。


「ここは危険です。落ち着けるところに移動しましょう」


 街の往来、このような道の真ん中にいては邪魔になってしまいます。ボクは少女の手を握り引き連れて移動します。

 少女を、落ち着けそうな広場に連れて来ました。芝生の上に転がっている丸太の上に少女を座らせます。


「ボクの名前は”マオ”です。大体の事情は分かってますが、何に困っているか教えていただいて、問題ないですか?」


「ミイでず。弓づがいなのでしゅが、矢が無くなちゃったのでしゅ───」


 少女──いえ、ミイちゃんは泣きながらも、話してくれました。どうにかして落ち着かせようと、悩んでいたときふと思い出しました。


「(ベリーポーションがありました! これなら喜んでくれます!)」


 天恵のように、ボクは閃きました。甘く美味しいベリーポーションなら、泣き止むでしょう。早速アイテムボックスからベリーポーションを取り出し、ミイちゃんに渡します。


「ミイちゃん、これを飲んでみて下さい」


 ミイちゃんは困ったような顔で、ボクとベリーポーションを交互で見ます。きっと本来のポーションが不味いので、警戒しているのでしょう。


「ポーションは『飲むものではない』と、お姉ちゃんが──」


 ボクはミイちゃんの頭を撫でながら、「騙されたと思って、飲んでみて下さい」と言います。ゆっくりと優しい口調で、話しかけるように注意ます。ミイちゃんは少し悩みますが、ちょっとだけ……と口に入れますが一口味わうと驚き、ゴクゴクっと一気に飲み干してしまいます。


「!!~美味しい~~!! なにこれ!? 本当にポーションなの??」


 やはり、このベリーポーションは成功品といって問題ないことがわかりました。ボクは一つの成功に大きく頷きます。


「これはボクの作品です。普通には手に入らないので、このことはボクたちの秘密ですよ?」


 悪戯っぽく耳打ちすると、ミイちゃんはやっと笑顔になってくれました。


「私のことは呼び捨てでいいよ? 近い年でしょ?」


 ミイちゃん改め、ミイの目から見たボクは小学生で通ってしまいます。


「申し訳ないのですが、ボクは高校生で男なのです。この姿(なり)では信じられないでしょうが」


 ボクの告白に、ミイは驚いています。それもそうでしょう。

 自分と同じくらいの身長ですから……。


「でも女の子より『女の子っぽい』よ……ですよ?」


 気にしていることをズバッと言われたので、ちょっと落ち込みました。


「う~ん、元々女顔だったのですが”自動性別補正”──わかりにくいですね? 簡単に言うとゲームシステムに『女と判断』されて、より『女性の顔に近付いた』と言うわけです」


 簡単に説明したつもりですが、ミイには難しく少し難色は示しましたが、取りあえず納得して貰えたようです。


「それよりも、ミイは一人なのですか?」


 拙いながらも敬語を使おうとするミイに「敬語は不要です」と言うとホッとしていました。話しの内容をまとめると、身体が弱く体調を崩し易い娘を思って、両親が贈ってくれたもので、自分一人でプレイしているそうです。


 姉がいるそうですが、βテスターでパーティーを組んでいるようです。ミイのことを見ていると、放って置く気にもなれず(幼いときの妹を思い出し)、少々手を貸そう──いえ、手を組んだらどうだろうと思いました。


「ミイは一人でプレイを続ける気ですか?」


 質問の答えは「弓使いだから入れて貰えなかったの」との返事でした。それだけでなく「なんか変な人がいたの」とも言っていました。その変な人は間違いなく、自称:ロリコン紳士・ハムではなかろうか? 脳裏には、あの掲示板が浮かんでいました。


「もしミイがボクと組んでもイイと、思ってくれるのでしたら───どうです? パーティーを組みませんか?」


 ボクの言葉にミイは涙を流します。そんなミイが落ち着くまで髪をすき、頭を撫でていました。もちろん、泣かせる気はなかったのですが、結局は泣かせてしまいました。──嬉し泣きってことが、唯一の救いです。


「私でいいのですか? 『死にスキル』だらけらしいの……」


「ボクのスキルも結構、偏っt-異常(ありえない)らしいです」


 二人して笑っていると、時間が早く進むように感じます。実際日が落ちてきました。もう少ししたら、辺りは暗くなるでしょう。


「ミイはお金(ギータ)はあるのですか?」


「そのぉ~矢を購入したりで、なくなちゃった……」


 恥ずかしそうに、ミイは答えてくれました。そっとボクから目を逸らし、指をモジモジ動かしています。ロリコン(ハム)に見つかったら、連れ去られるかもしれません!


「(色々踏み込んで確認することもあるので、一緒の満腹亭(宿)でいいか聞いてみましょう)」


 ドキドキして緊張のあまり、失敗しそうです。掌にじっとりと汗が出ているように感じます。──いえ、汗だくでした。


「でしたら、ボクと同じ宿に泊まりませんか? 今晩の宿代はボクが持ちます」


「!! 悪いですよ~」


 嫌がっていると言うより、遠慮している感じですね。ミイの耳元に口を近付けて、小さな声で言います。「とんがりお耳をパクっとしたくなるのは、何故なのでしょう?」と心の中で葛藤を抱えています。


「ミイが、ボクとパーティーを組んでくれるなら、お互いのスキルは知っていた方連携プレーに役立ちます」


 そう言いましたが、ボク自身が生産職である以上、戦闘で役立てる保証はありません。


「わかりました(〃▽〃)」


 どうやら言い訳でもあるとバレているようです。ボクは気恥ずかしい思いをしながらも、ミイをエスコートし満腹亭(宿)に着きました。

 女将さんに部屋が空いてないか確認したのですが、ついさっき埋まったそうで、ミイにベッドは一つしかないが同室でもいいか確認すると、構わないとのことなので一緒の部屋になりました。


「さてそれでは、スキルの話をしましょう。最初は言い出したボクから言いますね?」


 ミイが頷いたのを見て、マオは自身のスキル構成を話します。


「ボクは<木工><調合><鍛冶><細工><魔法才能>になります。タイプとしては、完全な”生産職”になります」


 ミイはボクのスキルに驚いているようです。


「私は<弓><鷹の目><隠密><鑑定><調教>になります」


 ミイのスキルは確かに『死にスキル』でした。でもスキルの全てが悪いわけではないように感じます。


「ミイはどうして『弓』を選んだのですか?」


「ほとんど『憧れ』になります。カッコ良く弓を放つ姿に、私もしたいと思って///」


 その姿は、正に『夢見る乙女』という感じでした。少し弓を射つ姿を見せて貰った方がいいようですね。


「マオ! 私のステータスで何故か”スキルスロット”が増えているよ!!」


 ボクを呼び捨てで呼ぶのは”パートナーとして対等”であることの約束になります。慣れるまでは、時間がかかりそうです。

 ミイの話しを聞き、スキルスロットが増える理由が──! 

 その答えに思い至ったので、ステータスを開きました。ミイと同じく、増えていました! 数はボクが三つ、ミイが一つになります。ボクの方が多いのは、今まで確認していなかったことが、原因でしょう。

 スキルスロットの増加の答えは『依頼のミッション項目』にありました。


────────ミッション────────


 初戦闘勝利    ークリアー


 スキルLVアップ ークリアー


 パートナーを組む ークリアー


─────────────────────


「ミッションのクリアが、スキルスロットが増えた理由です! ミイはなにを取るのですか?」


「私、魔法が使ってみたいです!」


 笑顔でそう教えてくれました。


「──でしたら明日、ミッションのクリアを目指しましょう! 魔法を使うには<○魔法>と<魔法才能>が必要になるので今すぐには不可能です。

 それと、明日は朝一で作業場に向かいミイの装備を作ろうと思うのですが構いませんか?」


「問題ないよ? でも、素材が……」


 ユウキたちから初日に三人からラビットの素材をいただいているので問題ないはないですね。木材の方のも今日を含め、かなりの数を伐採しています。


「大丈夫です! 使った分は明日狩りで取り返しましょう♪」


「はい!」


 こうしてマオは、リアルワールド二日目で、初めてのパートナーが出来ました。彼自身の妹と雰囲気が重なります。(可愛い感じが)

 明日は朝一から”生産作業(ものづくり)”です。とても楽しみです。

 七話でのステータス


 マオ


 <木工>LV6


 <調合>LV7


 <鍛冶>LV2


 <細工>LV1


 <魔法才能LV8>


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