第六十四話 新しい素材の登場!!
9月16日 誤字の修正をしました。
仮称:レックス(正式名称:ティルグルス)の討伐を終えたボクたちは、大地に横たわっています。
誰一人欠けることなく、戦い抜けたのは幸運に巡り合ったからでしょう。
「もう少し進むと、セーフティーエリアがあるらしいので、そちらで1泊して休みませんか?」
「さんせ~」
ミイの返事に皆さんの手が上がります。一番大変だったのは、恐らくキキでしょう。ティルグルスにインファイトを仕掛けていましたから──。
シアの方も同じように疲れています。こちらは尻尾を斬り飛ばしたときに使用した、アーツ『重双烈覇』が原因です。
「キキは動くことは出来ますか?」
ボクはキキの顔を覗き込み、確認します。
「──今すぐは、ムリ(ゼェゼェ、ハァハァ)」
体で大きく呼吸をして、整えようとしています。そんなキキに『快癒水』を渡し、落ち着いたら飲むように言います。
「──冷たくて、気持ちいい♪」
アイテムボックスから取り出した、快癒水はとても冷えていて、既に瓶の表面には水滴がついています。
同じように、シアにも渡します。キィンっとくる冷たさが、堪らないのでしょう! 頬に当て(><)っていう顔をしています。
ミイ、ハルにも渡し、ボクも快癒水を飲みます。この快癒水は、〈調剤〉や〈上級錬金術〉だけで作った訳ではなく、ハルの〈中級調理〉の力を借りた"合作"になります。
その為、ステータス上に表れない『スタミナ』を回復し、満腹度も僅かながら増やします。
この快癒水ですが、ユウキには1本2000Gで販売したら、彼らはジャンキーになってしまいました。
皆さんに配り終えたボクは、獲得したドロップアイテムの確認をします。
──獲得アイテム────────────
暴君竜帝の牙×1
暴君竜帝の爪×2
暴君竜帝の皮×4
暴君竜帝の肉×2
────────────────────
ボクが獲得したモノは以上になります。
『キュルア~』
今まで、背負っていたリュックサックの中に隠れていた、リュオが顔を覗かせました。
そのキラキラした目は、ボクの獲得した暴君竜帝の肉を狙っています!!
今までも多種多様な、モンスターの肉を与えているので、そろそろ進化してもいいのですが……。
「もしかして、食べたいのですか?」
『キュイキュイ!』
ボクの言葉に何度も頷くリュオ。アイテムボックスから、ティルグルスの肉を、取り出して与えます。
『キュイ~! キュ! キュ!』
嬉しそうにガツガツと肉を食べます。現在のリュオの体長は、70cmに近くなってきています。
──進化が訪れるまでは、あとどれくらいの食事が必要なのでしょうか? ボクの獲得した肉を全て食べて、満足したのでしょう。
『キュ~~ア』
大きくアクビしたリュオは、ボクの背負っているリュックサックの中に、カサカサっと移動して入りました。ここ最近、冬眠前の動物のように、『食べて、寝る』の繰返しです。
寝入ったリュオを見ていると、シアが話しかけてきました。
「マオ──牙が2本、爪を4本獲得したんだが、これで双斧を作れないか?」
どうやらシアは、ティルグルスの素材で新武器を作って欲しいようです。
「────これだけでは、少々少ないですね。今ある素材と比べても、ワンランク以上は上なので現状では難しいです。
他に、変わったドロップはなかったですか?」
シアは他に入手した素材の確認をしています。獲得した素材の中から、ボクは入手しなかった『ティルグルスの中骨×2』を出してきました。
提出されたモノを見て、ボクの脳裏には『骨を芯材にした武器』を思い付きました。
到着したセーフティーゾーンで、鍛冶士連盟のギルマスと深夜遅くまで、"暴君竜帝素材の武器"について、話し合いが加熱しました。
その中で、『今までにない素材』であること、『これまでと違う性質を持つのでは?』という、2点に主点を置いて話し合いました。
鍛冶士連盟のギルマス曰く。
『ワシら鍛冶士の、新たなる1ページになるだろう』
──とのことです。
皆さんに事情を説明して、獲得した素材を使った新装備を作製する為に、素材の提出をお願いしました。
そのとき、皆さんの新装備に対する希望を聞きました。
その翌日から、荒野と沼地の間で素材の採取と採掘、モンスターの乱獲が行われました。
出現するモンスターがさらに強くなり、AI的なものも強化されているようで、フルメンバーじゃなかったらヤバかったですね。
この地帯が通れずの"宿滅地"と言われている所以でしょう。ボクたちは誰1人欠けることなく、ティルグルスに勝てたのは幸運でしたね!
「マオ~! これって使えるかな?」
ミイが元気良くボクを呼びます。
「何を手に入れたのですか?」
「う~んと、ブラットヒルってモンスターから、アイテムが出たんだ!
『糸』だから、きっとレアアイテムだよ!」
ミイから渡されたアイテムを鑑定します。
【ブラブラの糸】 名前から侮るなかれ! 多種多様な生物の血から産み出された、ハイブリットな糸である!!
恐ろしいまでの伸縮性、他の追従を許さない耐久性! 至高といえる糸の1つであろう!
ランク B+ レア ★★★★★★☆
ミイの直感に間違いはありませんでした。恐らく竜域でも活躍しそうです!
そうやって、色々と回収しながら中継点を目指します。回収しながらの道中だったので、中継点に到着したのはティルグルス戦から2日後でした。
テレインのギルマスに教わった、ワープ機能を使い神殿のあった町に移動しました。これから、新装備の開発をしましょう!




