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ありえない生産職~あんたが生産職なワケがない!!~  作者: 四宮 皇季
第三章 バカほど可愛いと言いますが……
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第四十三話 訓練方法(レベルアップ)

 7月15日 誤字の修正をしました。

 パチパチと焚き火から小さな音が鳴り響き、辺りの闇に呑み込まれていきます。その焚き火を囲むように、五人+一匹は座っています。

 マオはキキと戦い方について話しています。身振り手振りで、分かりやすく教えています。


「最初に〈刹那の魔眼〉のコントロールを、実際に使用しながら覚えていきましょうか」


 そう言ってポケットから、白いボールを取り出しました。


「これを使って、肉体に刷り込んでいきます」


 ポン!マオの手がボールを上に弾きます。それをキキは、目で追いかけてしまいます。

 そんなキキの姿にマオは微笑み、指の先でボールを回したりして遊びます。


「ボールを使って、何をするの?」


 キキは視線がボールから離れないまま、マオに理由を尋ねます。

 マオはボールを弄りながら答えます。


「親友の話では、魔眼系のスキルは『見ること』それが一番の鍛練法らしいです。ボク自身には魔眼系のスキルはないので、確実なことは言えないですが、親友はヘビーゲーマーなので本当だと思います」


 その親友について、人物像が浮かんだのはミイとハルだけです。マオはシアを呼び、キキと一緒に訓練するように指示します。


「していただく訓練は、『ジャンピングキャッチボール』です。

 言葉だけでは簡単に聞こえますが、実際にしてみると大変だと思います」


 マオの説明を聞いていくうちに、シアとキキは不可能なんじゃないのか……と気になりました。

 そんな二人の気持ちを理解しているからこそ、キチンと説明を続けました。


「────と言うわけです。慣れるまでは大変ですが、戦闘以外で安全にスキルレベルを上げる、唯一の方法だと思います。

 これは、〈刹那の魔眼〉の訓練だけではなく、〈物理系補助スキル〉の効率化も一緒に行えます」


 意外と難しいのは、『必要な処に、必要な力を集めること』に熟達することでしょう。マオは二人がキャッチボールに習熟した後が、楽しみだと思いました。



 ─────────────────────


 マオはシアとキキに訓練方法を指示してから、今度はミイとハルに訓練方法を教えます。


「二人には最初に『システム補正』を一段階弱めた状態から、現状の動きが出来るように、身体を馴らして行きましょう」


「ねぇ──私たちより、シアの方が必要なんじゃないかな?」


 ミイの言葉を聞いたマオは頷き、楽しそうに話しました。


「キキの教育が無ければ、そうしようと考えていました。

 でも、丁度良い機会なのですよね……シアが『強化スキルに馴れる』またとないチャンスです」


「お姉様、それではシアさんが『振り回されている』事になりませんか?」


 マオはハルを指さし、「そこなのです」と言いました。


「シアはまだ振り回されている状態です。これで『システム補正』を弱めたら、歩くこと(・ ・ ・ ・)も困難になります。

 だから最初に、強化スキルに馴れる必要があるのです!」


 ミイとハルは、ジャンピングキャッチボールをしている、二人を見ました。なかなかキャッチボールが成立していないようです。

 お互いに投げたボールを取り損ね、頭や体に当たっています。

 時々、「あう!」とか「あん!」とか聞こえてきています。マオは少し、『キャッチボールを理解しているのか』心配になりました。


「ハルにはミイの援護をしていただく予定です」


「わたくしはお姉様ほど──「戦えと言うのではなく、補助をしていただく予定です」──補助ですか?」


 マオはハルの言おうとした事を、割り込む形で話しました。


「はい、補助です。ミイの矢が切れた時の補充や、近付いて来るモンスターへの牽制です」


 ハルは包丁で牽制するほど近付かれては、満足に戦えないのでは?と疑問に思いました。

 その疑問はマオの経験上、そこまで問題ではないと思っています。


「ハルもボクと似た事が出来るはずです。ある程度器用な人なら、目標の近くに当たるようになります。

 〈投擲〉スキルがないと命中率が高くないので、『当たれば儲けもの』と思って欲しいです」


 マオはポケットからナイフと銃っぽい何かを取り出し、テーブルの上に置きました。

 コトンと音を立て、テーブルの上を照らすランプの光に、そのフォルムを浮かび上げました。


 刀身が8cm・持ち手も8cmくらいの大きさのナイフと、デリンジャーっぽい単発銃モドキです。


「スローイングナイフと魔弾銃(仮)です。ナイフの方はハルに、銃の方はミイに渡します。

 銃の方は、鈍器としては使わないでください。鉄の塊に見えても歴とした『魔導具』なので、脆いです」


 ミイは魔弾銃(仮)に手を伸ばします。


「──軽い。弓と同じ、もしかすると軽いかも──」


 鉄っぽい外観と、持ったときに感じた冷たさは鉄そのものです。


「手に持った状態で『開け』と念じたら、トリガーの近くで二つ折れで弾倉が開きます。そこにはコレを差し込みます」


 カラフルな色の弾頭がズラリ、赤・青・黄色・緑・茶色……色々並んでいます。


「この弾頭の色が各属性を示します。

 赤=火・青=水と言うように分けてあります。単発式なので、属性を替えたいときは、弾丸を替えてください」


 手の平で弾丸を転がして、確認していたミイに質問されました。


「発射はトリガーだとして、何が動力になるの?」


 マオはその質問に、自身の失敗を理解しました。


「すみません! 打つには〈魔法才能〉が必要になります。

 火薬の代わりに魔力を使います。命中率は〈弓〉スキルに依存します」


 マオはそう言いました。


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