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ありえない生産職~あんたが生産職なワケがない!!~  作者: 四宮 皇季
序章 生産者 マオ冒険します!
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第四話 色々作ってみよう

 6月22日 誤字・脱字の修正をしました。


 7月20日 誤字の修正をしました。


 8月3日 本文の改稿を行いました。


 8月31日 修正をしました。


 H30 4月25日 誤字の修正、改行を含めた作業を行いました。

 サキには7時間後、ゲーム世界で明日の朝に杖を渡す約束をしました。


 明日からは、ボク一人でまったりと行動するので、いざという時の回復薬ポーションを作りましょう。


 <調合初級キット>をアイテムボックスから取り出します。


 今日採取した【薬草】(ランクE レア ★)を取り出し、乳鉢でゴリゴリすり潰します。


 手順は、薬草を擦り潰す→水に「魔力」を加え「魔力水」を作成する→「薬草汁」と「魔力水」を混ぜて完成するそうです。


「次は”魔力水”なのですが……あ、ありました。

 水を付属の『魔力布』の上に置き、魔力を込める……ですか」


 付属のビーカーに作業場にある水をいれます。


 MPはレシピ通りの5MPを込めるとビーカーに入れた水がほんのりと光ったので、そこに先ほど擂り潰した『薬草汁』をゆっくり加えます。


 勢い良く入れると"塊が出来やすい"と書いてあるので、よく混ぜるようにガラス棒で「の」の字を書くようHに回します。



 ポン!



 音と共に完成した『回復薬』がこちらになります。


 しかし、小瓶は何処から現れたのでしょうか?



 【初心者回復薬ポーション


 駆け出しがお世話になるポーション。


 飲んでも、かけてもHPの回復が出来る。


 飲まないことをススメる。


 HP+10 ランクE レア ★




 完成しましたが、ちょっと説明が気になったボクは『回復薬ポーション』を飲んでみました。


 顔が歪んでいる事を理解させられる味です。


「不味いですね……。青汁味でしょうか?」


 すぐに飲んだことを後悔しました。


 ボクは『これは飲めるものとはいえません!アレンジしてやります!!』と燃え上がりました。


 さっそく、アイテムボックスを開き採集したアイテムの確認を行います。


「今回、採取してきたモノの中に解決法はないでしょうか?」


 じっと画面を見つめ、発見したのは1つのアイテムです。


 それは"フルーツ"で、採取したばかりだからなのか、瑞々しく感じます。



 【ブルーベリー】


 皮を剥いたらそのまま食べられる。


 また少しだが、体力も回復する。(気休め)


 HP+1 ランクE レア ★



 これを使いましょう。


 まずは、薬草とブルーベリーを別々にザッと洗います。


 薬草はアーツ【乾燥】でパリパリになるまで乾かしました。


<木工初級キット>に入っているハンマーでアーツ【粉砕】を発動し、バラバラにした上で乳鉢でさらに細かく擂り潰します。



「(薬草にも何か付与出来ないのでしょうか?)」



 ブルーベリーは布で拭いて、軽く水気を取ります。


 皮を剥いたら"握り潰し"て、絞り汁はそのまま乳鉢に落とします。



「("ろ紙"が欲しいですね)」



 こぼさないようにゆっくりと慎重に混ぜます。


 ビーカーに水を入れ、魔力布の上に置きます。



「(コンロが欲しくなりますね)」



 魔力は倍の10MPを込めると、中に『先程の液体』を入れ混ぜ合わせます。


 ゆっくりと注ぎながら、ダマを作らない様にしっかりとかき混ぜます。


 完成品がこちらになります。




 【ベリーポーション】


 ポーションにブルーベリーを加えた力作。


 ブルーベリーの甘酢っぱさ(・ ・ ・ ・ ・)が映える。


 飲んでも美味しい回復薬。


 HP+20 ランクD レア ★☆




 ボクは早速飲んでみます。


 味見した感想は「ベリーグー」です。



 ──駄洒落ではあるませんよ?



 調合するのに薬草1枚とブルーベリー2個もいったので、今回作れたのは全部で五つになります。


 また採取に行かないといけませんね……。


 ボクの作業が一段落して気がつけば、サキと約束していた時間になってしまいました。



 片付けをして、教会に急ぎましょう。




 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□



 教会の前には三人が待っていました。


「すみません。待たせてしまいましたか?」


 ボクは小走りで近寄っていきます。


「今来たところよ♪ それよりも、もう完成したの!?」


 サキはもう待てない!と言う感じで近付いてきます。


 ボクは「ちょっと鼻息荒くない?」と少し引きました。



「昨日の探索で手に入れたモノがメインなので、現時点ではこれ以上の装備は無理そうです」



 そう言いながら、ボクは【魔法使いの杖】をアイテムボックスから取り出しました。


 それをユウキの指示の元『レンタル』で約束の杖をサキに渡します。


「なんなのよこれ~~~!!!!」


 教会の前で大声が響きわたります。


 今知りましたが、獣人(ビースト)はハーフでもかなり耳が良いようで、ボクは痛さのあまりミミを押さえてい踞りました。


「サキ、いきなり大声を出さないで下さい!」


 注意しながらも、サキに釣られて大きな声を出してた事に気付いたボクは恥ずかしくなりました。


「ユウキもリオも、コレを見てよ!!」


 興奮して見せるサキと、驚きに染まっていく2人の顔。


「!! ありえないだろ……コレは……」


「たぶん、このレベルの装備を現状で持っている人はいないよね?」


 何やら話し込んでいます。


 話が終わるまで暇で、ボクは『ベリーポーションの改良点でも考えていましょうか……』と他人事のように無視しています。


 数分後、気持ちを落ち着かせた3人は大人しくなります。


 ユウキはボクを真剣な表情で見つめます。


「マオ……よく聞いてくれ。

 この『杖』なんだが、現在売られている物よりも"高性能"すぎるんだ!」


 ボクは首をかしげ、確認します。


「そんなことはない、と思いますが?」


 ユウキの話を詳しくを聞くと、プレイヤー作が大体『ATK+3 MATK+5~6』で最高品の杖らしいです。


 何故知っているかというと、βテスターのトッププレイヤーが見せてくれたと言ってました。(おそらく、自慢でしょう)


 その話は冗談に聞こえますが、<木工>を専門にしているプレイヤーでもボクの作品には遠く及ばないそうです。


 平均的な杖は『ATK+1~2 MATK+3』となります。


「取り敢えず金額は、宿代を除いた全額5000(ギータ)でいいかしら?

 足りない分は、追加で払うから」


「プレゼントでいいですけど?」


 ボクのセリフを、『何か』を見ていたリオは注意します。


「マオ、それはダメ。

 お金をサキから受け取りなさい!

 サキの大声もあって、掲示板がスゴいことになっている……」


「「…………………………」」


 リオの言葉で掲示板を見る元凶(2人)は、言葉を失ったようです。


 リオの真剣な表情を見たボクは『昔にボクのケーキを狙っていた時以来ですかね』と暢気なことを思い出しました。


「マオはゆっくりと『いろんなこと』をしたいのだろ?

 そんで金額なんだが、あの人は6000Gと言っていたから、最低金額は1万G(・ ・ ・)ってところだな。

 金額に対する文句は聞かんぞ? サキも構わないな?」


 ユウキはボクたち……主にボクを睨み付けるようにきつく言います。


 ゲームに不馴れなボクは首をかしげますが、豊富な経験を持つユウキがそう言うので『そういったモノなのでしょう』と考えました。


「もちろんよ。わたしも『迷惑』はかけたくないし……金額は1万Gで、悪いけど5000Gの2回払いで!」


 勝手に金額と分割が決まってしまいましたが、素材購入にはお金が必要なので、遠慮なくいただきます。


 けど掲示板が気になったので、見てみます。


「────?~~~!?」


 掲示板に目を通したボクは、その内容に驚きそっと掲示板を閉じました。


 ちょっと顔色が悪くなったように感じます。


「(次からは、お金がかかりますが『個室』を借りましょう……)」


 そんなことを心に決めました。


 それからの話は『他には何も作らなかったのか?』と言う流れになり、皆さん用(・ ・ ・ ・)のポーションを渡しました。


 お渡ししたのは【初心者回復薬(ポーション)】の1つ上の【回復薬(ポーション)】になります。


 ポーションに喜んでいたのは、現状では〈調合〉持ちが少ない為にポーションが貴重との話を聞きました。




 【回復薬(ポーション)


 初心者回復薬より効能が上がった回復薬。


 飲むよりもかけることを推奨する。


 HP+15 クラスE レア ★




 ハッキリ言って『味見する勇気はありません!』と心の中で叫んだボクです。


 初期支給の初心者ポーションを使ったので、残りのポーションは『ベリーポーション』のみになります。


「マオはこれからどうするんだ?」


 ユウキは今後の予定を聞きました。


 ゲームセットを渡したときに、『ものづくりをしたいですね』とボクが言ったのを覚えていたようです。


「最初に言った通り、しばらくはソロで動きます。

 まだ、『何が出来て、何が出来ない』のか分からないですから……色々なことを試してみます!

 お昼には一旦落ちる(ログアウトする)ので、きっと妹とリアルワールドの話をする事になると思います」


 ボクがそう言うと、3人は同時に頷きます。


「──間違いなく『私もプレイしたいです!』と言いそうだな」


「極度のブラコンだから、100%そう言うんじゃない?」


「もしプレイするなら『フレンド登録』したいから、一度会わせてね?

 昼までに危険がないか、調べる気なのでしょ?」


 ユウキ・リオ・サキと矢継ぎ早で色々と言ってきます。


「──バレてましたか……」


 ボクは頬を少し朱に染め、ほっぺを掻きます。


「お前たち兄妹の『ブラコン・シスコン』は、中学時代でも有名だったからな!」


 ユウキの言葉に、ボクは俯きます。


 その内、顔から湯気が出るのではないでしょうか?


「でも、そうなると──『兄妹』じゃなく『姉妹』になっちゃうんじゃない?」


 リオのツッコミは、ユウキとサキも思った事です。


「そんな事はな……「パッと見、マオが『妹』だよな……」──!!」


 カッと顔が熱くなり、ボクは無意識でユウキの横っ腹に『フック』を決めてしまいます!


 キュッという風切り音のあと"ドスッ!"っと重たい音とともに「ぺきゅ……」と言う断末魔? を上げユウキは地面崩れ落ちまし。


 ちょうど良い高さになったユウキの胸には、ボクのちいさな拳が何度も当たります。


 ドスッ! ベキィ! ドカッ! バキィ!


 子供が親を『ポカポカ』叩くような感じですが、聞こえてくる音は致命傷に思えます。


 実際のところ、ボクに『攻撃の意志』は全く無く『ただの照れ隠し』なので『PK防止システム』は動いてません。


 ボクの顔は真っ赤になり、叩き終わったあとは両手で真紅に染まった顔を隠し、踞っています。


 まだ未実装ですが、『ミミやしっぽ』が動いたら『へちょん……』と垂れ下がっていることでしょう!


「──違います!──そんなことないです!──ボクは!」


 そう呟き続け、落ち着いたのはそれから30分後でした。


 ボクは3人と別れ、素材の採取の為に森に向かいます。

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