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ありえない生産職~あんたが生産職なワケがない!!~  作者: 四宮 皇季
第三章 バカほど可愛いと言いますが……
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第三十七話 マオのスキル講座 その二

 説明回その二です。あと一話お付き合い下さい。

 説明関係になると、テンポ的なものが難しくなったように感じます。


 梅雨らしい天気が続きます。そのせいで投稿ボタンを押す前に、眠っていたと思いたいです。

 皆様も体調管理、お気をつけ下さい。


 7月4日 誤字の修正をしました。


 7月5日 誤字の修正をしました。


 7月25日 誤字の修正をしました。


 9月1日 修正をしました。

 マオは、三人の持つスキルを例に用いて、説明を続けています。最初にしたのは〈物理スキル〉と〈魔法スキル〉の違いについて、自身の考えを話していました。

 そして、今から話すのは〈物理スキル〉の話しです。


「さて、此処からは実演を兼ねて、講義をしたいと思います!」


 この状況で、『エモーション・アクション』が備わっていれば、マオのお尻で揺れるしっぽが、ブンブンと動いていたでしょう。


「ハッキリ言って、〈物理スキル〉って無くても困らないと考えています。ごく一部のスキルを除外して──ですが」


 ゆっくりとした語りで、三人に説明を続けています。

 時折枝を折ったり、石を投げたりしています。


「──物理系は魔力を使わない(・ ・ ・ ・)と言いました。

 そのスキルの系統は、〈戦闘スキル〉〈補助スキル〉最後に〈鑑定スキル〉に分けられると思います」


 ボクは指を一本、二本と立てていきます。最後の三本目の指を立てたときに『グルン』と身体を三人の方に向け、人差し指で差します。


「最初の説明は〈戦闘スキル〉に関してです。ミイとシアが持っている〈斧術〉〈弓〉が当てはまります。基本的に『相手を殺す為』のスキルです」


 指差された上で、その言葉に目を見開いたのは、ミイとシアの二人です。


「ここはゲームなので、誰も気にしませんが、本来生きているものを殺すのは『悪』です」


 そこでマオは、ミイが震えていることに気付いてたのか、優しく頭を撫でます。


「──ボクは批難しているわけじゃ……ないですよ?」


 ボクはクスッと苦笑いしています。その顔には『慈しみ』が溢れています。さすが、『○○○○(ピー)と呼ばれただけはあります』と誰かが言っていたとか。


「じゃあ──なんで?」


「ハッキリ言ってそこ(・ ・)を理解しているかどうかで、これからの成長に関わるからです」


「「「え!!?」」」


 三人とも、声を一つにするほど驚いているようです。


「実際、現実で剣道を習っている人は、こちらで剣術に慣れるのが早いのです。──と言うよりは、自身の得意なスキルを選ぶ傾向が高いそうです」


 マオは「何を言っているのでしょう?」と三人の少女は顔を見合わせています。


「ボクは実のところ、ある人物の"天賦の才"を感じたことがあります。『ゲームでそんなことはない!!』と思われるかも知れませんが、間違いなく次の(・ ・)アップ(・ ・ ・)デート(・ ・ ・)で分かると思います」


 そのアップデートは、お母様が言っていたものです……。


「スキルとは何か──〈戦闘スキル〉に関しては、『動作の補助・威力の補正』がメインだとボクは睨んでいます。

 シアは最初、スキルに身体の動きを『引っ張られた』ことはないですか?」


「確かに──始めたばかりの時は、そんな感じだったと思う」


 シアはボクの言葉に腕を組んで、頷きました。この時、ミイが頷いていたのが可愛くて、ハルは口許が緩むのを止められないようです。


「その現象が『動作の補助』であると、ボクは考えます。慣れたら、起こらなくなったと思います」


 その現象を、ミイとシアはどう思っているのでしょうか?

 思うところがあるのか、二人は顔を見合わせています。


「ねえ……マオは空中でアーツを使っていたけど──そんな事って出来るの?」


 ミイの突然の質問に、口を開けたまま固まってしまいました。──そして、笑いだしました。


「──フフフ……そう来ましたか。ウッドゴーレムの時にも言いましたが、今のボクは『システムの行動全般にかかるサポート』を受けていません。

 慣れるまで、苦労しました」


 そうは言いますが、そう簡単に慣れるものなのでしょうか?

 それよりも、マオの言葉の端に黒さがあるように、感じられます。


「ボクがゼロの状態なら、皆さんにかかっているのは大体80%くらいでしょうか?

 皆さんのVRギアでは、サポートの方は『大・中・小』とあります。現状では『大』に設定されています」


 ボクの話を三人は聞き逃すまいと、集中しています。


「皆さんのVRギアは、サポートの解除をすることは出来ません……もし、無い状態を体験するなら『小』で十分だと思います。

 ただハッキリ言って、かなり『不安感』があると思うので、宿の中で──」


 言葉が途中で途切れた理由は、ミイが突然の行動を起こしたからです。


「──えいっ!」


 掛け声と共に、ミイが腰かけていた岩から落ちます。


「──っちょ!?」


 ボクが到着する前に、ミイを抱き締めたのはハルです。


「ミイ! 何事にでも興味を持つのは構いませんが、周囲に迷惑をかけないように注意しなさい!」


 ミイを可愛がっているハルが、怒っているのを見つめる事しか出来ない──マオでした。


「感覚が……なくなったよ~」


 サポートを元に戻したミイは、半泣き状態です。

 ボクは頭をかきながら、話を元に戻します。


「次は〈補助スキル〉についてです。

 簡単に言うと、ミイの持つ〈鷹の目〉、シアの持つ〈身体強化〉がそれに当たります。サポート(・ ・ ・ ・)スキル(・ ・ ・)と言った方が分かりやすいですね」


 ボクの言葉に、二人は表示しているスキルを見ます。


「意外にも、補助系に分けられるのは『知識系スキル』でありまた、物理系に分けられります。理由はMPの消費がないからです」


 ハルも自分の表示したスキルを見ます。


「一見『知識系スキル』と思いそうなのが、〈食材感知〉や〈気配察知〉などの『知覚系スキル』です。

 ボクはこれ等を、最後の〈鑑定スキル〉に分けました。理由は簡単で、〈食材感知〉は『視覚情報』で、〈気配察知〉は『第六感系情報』だからです」


 意味が分からないようで、三人は揃って首を傾げています。


「ボクは所持していないので、又聞きになりますが、ミイが修得した中に〈発見〉はなかったですか?

 あれは、どこか光ったり(・ ・ ・ ・)しなかったですか?」


「うん──確かに見える範囲で『ピカリ!』と光るよ?」


「それは『視覚情報』として見えている形です」


 ミイの答えに、嬉しそうに頷いています。


「ちょっと駆け足ですが、これで〈物理スキル〉に関しての説明を終わります。

 最後になりますが、この分け方はボク独自のものなので、他の方とは違うと思ってください」


 そう三人に語りかけ、話を終わらせます。

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