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ありえない生産職~あんたが生産職なワケがない!!~  作者: 四宮 皇季
第三章 バカほど可愛いと言いますが……
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第三十六話 マオのスキル講座

 7月2日 誤字の修正をしました。


 7月25日 誤字の修正をしました。


 9月1日 修正をしました。

 ボクたちは共同作業場からでて、中央広場に向かい歩きました。

 周りを歩いている人のほとんどが、NPCのようです。恐らくプレイヤーは外でクエストをこなしているのでしょう。


「──なるほど。スキルに関して、分からない部分があるわけですね?」


「マオって、ロックスと闘ったときスキルがなくても、当ててたよね?」


 ミイの質問は、マオの非常識がどうやって起きているか、そこを知りたいのでしょう。

 隣に歩いているシアも同じように見つめています。


「そうですね──ボクが『どうしているのか』その情報のやり取りを知るのも、戦力の増強にも繋がりますからね」


 その顔は嬉しそうに笑っています。もしかすると、教えられることが嬉しいのでしょうか?


「それでは、西の岩山に向かいましょうか──」


 そう言うとマオは嬉しそうに、歩いていきます。よく見ると、よほど嬉しいのか、軽くスキップしているように見えますね。



 ────────────────────


 岩山に到着しました。ミイたちに初めて『教えて欲しい』と言われました。

 ボクは目の前にいるモンスター『ロックス』を、軽く叩きながらシアに指示を出しました。


「このモンスターはロックスと言います。

 簡単に言って『攻撃・移動能力のない、堅いだけの』モンスターです。

 シアは、付与のない状態で、コレを持ち上げられますか?」


 ボクは先程ペシペシと叩いていたロックスを、持ち上げられるか確認しました。


「──わかった。試してみよう」


 ボクの瞳を見つめ、何かを確認したシアは、必要のない腕捲りをして、ロックスの目の前に立ちました。

 シアの準備が整ったのを確認して、ボクはミイとハルに向き合います。


「さて──ミイは記憶していると思いますが、以前ボクが何をしていたか覚えていますか?」


 目を瞑って、静かに思い出しているのでしょう……。


「私の『ダブル・エンチャント』でロックスを持ち上げて、別のロックスにぶつけていた?」


 左腕でリュオを抱きしめ、右手の人差し指をほっぺに当て、首をかしげています。


「その通りです! それでは、持ち上げて貰えますか?」


 パン!と拳を当て気合いを入れたシアは、ロックスを一息で持ち上げました。


「──おも……重たいぞ……」


 流石に筋力特化といえるシアでも、顔を見ると楽々といった感じではないです。


「ではそれを、そこにいるロックスにぶつけてください。

 投げなくていいので、そのままズコーン!と振り落としてください」


  ボクの言葉通りにシアは、ロックスを振り下ろします。


 ガキョ!!


 生々しい音が聞こえました。本来なら『ガゴッ!!』っという音のハズですが……。

 見ると割れているのは、ぶつけた先の岩でした。


「──あれ? 両方とも割れるはずなんだけど……?」


 ミイが不思議に思って、対象のロックスに鑑定をかけました。



【アーロス・ロックス】 ロックスの亜種。非常に堅いが、攻撃力は皆無・移動力もない。堅いだけが取り柄のモンスター。核石は稀少な鉱物であることが高い。 ランクC+



 ミイの鑑定結果には驚きました。亜種の堅さは折り紙つきらしいです。

 ミイに周囲にいるロックスたちの鑑定をしてもらい、亜種を探してもらいました。探し始めてから10分、探してようやく1体? 1個? のロックス亜種を見つけました。

 それまでの間に見つけたロックスは、ぶつけて倒しました。鉱石のドロップたくさんで、ウマーです。


「結構離れてますね……。このままじゃあ時間だけが無駄に過ぎてしまいます。

 ミイ! シアにアタックのダブルがけをしてください」


「わかったよ! エンチャント『ダブルアタック』!!」


 シアは持ち上げるのに少し苦労した、ロックスを軽々持ち上げました。


「おおぅ!? エンチャントだけで、ここまで変わるのか!!」


 ロックスを持ち上げまたシアは、ロックス亜種を担ぎ上げもう1体に、盛大に叩きつけました。


 ダゴオォォォン!!


 大きな音を立て、ぶつかったロックスは光の粒子となり、その場から消えました。


「マオ、ドロップで『ミスリル』が二個出てきたぞ!?」


 ボクはシアが渡してくれた、鉱石の鑑定をしました。



【ミスリル】 別名"魔法銀"と呼ばれる金属。その名にあるように、魔法との相性が抜群に良い。 ランクC レア ★★★☆



 その鉱石は一度預かり、後日どうするか相談することにしました。


「──スキルを使わなくても、モンスターを倒せることを、理解していただけましたか?」


 ボクは一時中断していた、スキルの講義を開始しました。



 ─────────────────────


 三人から少し離れた場所で、説明をしています。


「スキルは大雑把に分けて、二種類あります。

 一番簡単な分け方は、〈物理スキル〉と〈魔法スキル〉に分かれます。この二つのスキルの違いはわかりますか?」


 ボクの質問に、元気よく答えたのはミイでした。


「はい! 私の使っている〈精霊魔法〉と同じように、〈魔法スキル〉と〈魔法才能〉の二つがあって、初めて使えるスキルです!」


「正解です。では、〈物理スキル〉とは何だと思いますか?」


 ミイの頭を撫でながら、シアとハルを見つめています。


「わたしの使っている〈剣術〉や〈腕力上昇〉とかか?」


 偶々視線がすれ違ったみたいで、シアが答えます。


「半分正解──と言ったところ、でしょうか……」


 ボクの言葉に、意外な反応を返しています。

 その顔には「どういうことなの?」と書かれています。


「公式サイトを見ても、詳しくは説明がなかったのですが、ボクは〈物理スキル〉を次のように考えてます。

 それは〈魔法才能〉を必要としないものだと思います。

 シアはアーツを使ったとき、自分の身体に何が起こる(・ ・ ・ ・ ・)か理解していますか?」


 その言葉の意味を、シアは過去の経験から、導き出そうとしているようです。そして──何かに気付いたようでした。


「──もしかして、『術後硬直』のことか?」


 シアの言葉に何度も頷き、拍手しています。


「〈物理スキル〉はMPを使わず、発動が早いが『術後硬直』が発生します。

 〈魔法スキル〉はMPを使うので、〈魔法才能〉が必要になります。

 こちらは『詠唱』が発生し、発動が遅いですが、『術後硬直』はないです」


 ボクの説明を三人はしっかり、聞いているようです。

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