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第三十四話 天下無双シリーズ

 前回に引き続き、可愛くないの後編です。

 相変わらず、やり過ぎたかも……


 現在、一話の改稿を行いました。誤字・脱字がありましたら、ご連絡下さい。


 6月29日 誤字の修正をしました。


 7月25日 誤字の修正をしました。

 ハルは見せた【天下無双のいもジャージ】で悲鳴をあげ、気を失ってしまったので、マオはハルを部屋の片隅に寝かせました。

 今回の装備について、ボクはミイとシアの3人で、話し合います。


「スゴい性能だね~。──着たくないけど」


「本当に非常識(ありえない)モノだな。──絶対に着たくない」


 二人の意見は、『着たくない』に纏まりました。作ったボク自身も着たくないです。しかしまだあのシリーズには、続きがあります。


「──いえ……実はそれだけでは、ないのです」


 ボクは二人から視線を逸らし、例のモノ(・ ・ ・ ・)をポケットから取り出します。背中に冷たい汗が流れた気がします。


【天下無双のくるくる瓶底メガネ】 くるくる渦巻いているように見えるが、それは目の錯覚である。 ランク神代級 レア 神代級 ※装備すると以下の効果を発動する!! 食材知識・極大 並列思考 詠唱破棄 暗視 

 固有呪縛装備(カースドユニーク)の為、他人は触ることが出来ず、装備を外せない。 ハル専用 追記:紺色のヘアゴム付き

 追記:天下無双シリーズと同時装備で特殊アーツ『腐フふ』『あたいに見えないものはない!』を使用可能。

 特殊アーツ

『腐フふ』……完全鑑定により、対象のステータスを全て見る。

『あたいに見えないものはない!』……完全看破により、対象の攻撃の軌跡・弱点を視覚情報として入手する。



【天下無双のハリセン】 鉄の五鉱が奇跡的に作用した、この世界で唯一無二の複合金。 ランク神代級 レア 神代級 ※装備すると以下の効果を発動する!! 付与破壊 罠破壊 追加効果:気絶

 固有呪縛装備(カースドユニーク)の為、他人は触ることが出来ず、装備を外せない。 ハル専用 追記:天下無双シリーズと同時装備で特殊アーツ『なんでやねん!』『いい加減にせい!』を使用可能。

 特殊アーツ

『なんでやねん!』……相手の物理・魔法防御無視 ツッコミをした相手を『気絶』状態にする。

『いい加減にせい!』……対象の状態異常を打ち消す。



【天下無双のスリッパ】 見た目はただのスリッパ。しかし性能は違う。 ランク神代級 レア 神代級 ※装備すると以下の効果を発動する!! 地形効果無効 移動速度上昇・極大

 固有呪縛装備(カースドユニーク)の為、他人は触ることが出来ず、装備を外せない。 ハル専用 追記:天下無双シリーズと同時装備で特殊アーツ『あたいの歩みは止められない!』『あたいの邪魔をすんな!』を使用可能。

 特殊アーツ

『あたいの歩みは止められない!』……天地無用の移動を可能にする。

『あたいの邪魔をすんな!』……対象の大きさ・重さを無視して、蹴り飛ばす。任意で距離が変わる。



 この装備たちを取り出した、ボクの心臓はバクバクし、過呼吸により喉が渇きます。ものつくりは楽しいので、どうしても暴走してしまいます。


「──何と言えばいいのか……酷いな」


「──笑うしかないんじゃないかな?」


 シアの顔は苦悩に歪み、ミイは苦笑いしています。先程から「う~ん」と唸り声が聞こえて来ます。間違いなく、ハルでしょう。


「まさか、こんなものを実の妹に着せないよな?」


「いくらボクでも、そこまで『悪逆無道』なことはしませんよ」


「──どうしてこんなモノを作ったの?」


 ミイの質問に正直に答えていいのか少し考え、答えました。


「ミイは今着ているその装備、どう思います?」


「可愛くて、好き!」


 花の咲くような、笑顔で答えてくれました。


「そうです! 今の装備は『可愛い』モノなのです!

 ボクは可愛いモノを、否定して欲しくありません。ハルにだって可愛い服を着て欲しいです──確かに、可愛さだけではないですが……」


 ボクとミイの着ている服も、ミニスカート丈にして『絶対領域』を生み出しました。少しエロいところもあります……


「──そうなるとコレって『魔王装備』にならないか?」


「性能的には間違いなく『その通り』ですね。唯一の救い?と言えるのでしょうか……ユニークです」


「私たちの服もそうだよね?」


 ミイは立ち上がり、スカートの裾を摘まみ上げます。あまり上げすぎると、中が見えそうなのでやめて欲しいです!


「ええ。掲示板とかでも『俺の装備がスゴい!!』で、たくさんのユニーク装備が出ています。

 装備するプレイヤーに合わせる以上、そのようになるのでしょうが──」


 ボクは最近の装備のスクショを見て、インスピレーションを掻き立てられます。中二っぽい装備に、ゴスロリっぽい服……たくさんあります。

 ボクは『メガネ』『ハリセン』『スリッパ』に視線を合わせます。


「この3品も、悪ふざけ(・ ・ ・ ・)で生まれてしまった装備になります。でも、ボクは基本的に『可愛い装備』を作りたいのです。

 性能面で壊れが出ている気がしますが──」


 ボク自身生産作業が楽しいです。現実にはないモノを使い、現実にあるものからイメージを膨らませる──

 ボクは現状プレイ目的である『ムチャなことをする』を実現しています。主に生産面で『ありえない』ことばかりしています。


「それで──コレはどうするんだ?」


 シアに指差された『天下無双シリーズ』を綺麗にたたみ、その隣にもう一つの装備を置きました。


「ハル専用の『可愛い装備』も作ってあるので、本人が目覚めたら選ばせましょう。

 もし、ハルが『可愛い装備』を選ぶなら、今後は衣装に対する我が儘は聞きません!」


「我が儘って、どういうこと?」


「戦闘中にハルが色々言ってましたよね? 実はそれってただの『独占欲』なのですよ」


「そうだったのか?」


 意外そうにハルを見るシアの顔は、面白いものを見つけた悪戯っ子の顔をしています。シアにそんな面があることを、今回初めて知りました。


「自分以外に見せたくない──そんな、子供っぽいワガママです。

 ────と言うわけで、ハル!起きているのでしょう?

 今すぐ、装備をどうするかを選んでください。選ばないようなら──」


「わかりました!! 直ぐに決めます!!」


 追加で用意した可愛い服を着て、姿見の前で悩んでいます。


「ハルが決めたら、ギルドに向かいませんか?」


「その後で、昼食にしないか?」


 ミイも賛成したので、ギルドに向かうことにしました。

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