表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/101

第三十三話 可愛くない=世界最強

 やり過ぎたかも……まあ『ありえない』だし、いいかな?


 6月28日 修正をしました。


 7月25日 誤字の修正をしました。

 ミイとシアのサブウェポンの作製が終わりました。

 次は、ハルの防具ですが──


「やっぱりハルの装備は、本人の意向通りに仕上げた方がいいのでしょうか?」


 本来ならこの世界にないフリフリのレースを付けた服や、男心をくすg……いえ、煽るような装備を作りたかったのですが…………。


「仕方ないですよね~♪ 嫌がる人に無理矢理可愛い服(・ ・ ・ ・)を着せるなんて出来ません!」


 ボクは嬉々としてハルの防具作製に、これまでの作製で培った技術を惜しみ無く使う決意をしました。

 最初に実験を行うべく、銀塊・鉄鉱塊各種を準備しました。少量ずつ各鉄鉱塊と銀塊を混ぜ合わせます。


 銀塊+軽鉄塊=軽銀塊 軽い銀の塊。従来の3分の1の重さという、常識を壊した一品。いや、一塊。 ランクC- レア ★★★


 銀塊+重鉄塊=重銀塊 重い銀の塊。従来の3倍近い重さという、常識を壊した一品。いや、一塊。 ランクC- レア ★★★


 銀塊+鋭鉄塊=銀鋭塊 鋭く尖り易い銀の塊。針など細かいものに向いている。 ランクC レア ★★★☆


 銀塊+斬鉄塊=銀斬塊 薄く引き伸ばしただけでも、切れ味のある銀の塊。見栄え・性能面でナイフにしても良い。 ランクC レア ★★★☆


 銀塊+砕鉄塊=銀砕塊 そのままの状態でも、対象に与えるダメージは大きい。 ランクC レア ★★★☆



 今回の実験で偶々産み出した、銀鋭塊からフォークを10本と、細い・普通・太い縫い針を各5本、ミシン用を5本をスキル〈道具士〉で作製しました。

 また、銀斬塊で銀のナイフを10本作製しました。


 一先ず銀塊シリーズは横において、軽鉄塊を取り出し鋼糸状にします。これに店売りの木綿糸を取り出し、軽鉄鋼糸と〈錬金術〉で混ぜ合わせます。


【木綿鋼糸】 普通の木綿より数倍の強度がある。鋼糸と比べると、格段に肌触りが良い。 ランクD レア ★★☆


 確かに鋼糸よりは肌触りが良いですが、この肌触りはまだ納得がいかないので、絹糸で再度挑戦です!


【絹鋼糸】 普通の絹より数倍の強度がある。高級品の絹を使用しているので、大変肌触りがいい。 ランクC- レア ★★★


 絹鋼糸を使い、カタンカタンと機織り器を動かし、布を織ります。作製する布のパーツは、腕2枚・背中1枚・前側を左右に分けて2枚・脚部分を2枚、さらに上を前後1枚・脚も膝丈までを2枚作ります。


【〈裁縫〉がレベル20になり、アーツ『布地作製』を覚えました。〈道具士〉のレベルが35になり、アーツ『開閉金具作製』を覚えました】


 裁縫のアーツは、もう少し早く欲しかったですね……。

 魔導ミシンを取り出し、先に作り上げた布を縫って、パーツを作製します。全部のパーツを縫い合わせて、服の形に仕上げたときにまた、スキルレベルが上がりました。


【〈裁縫〉がレベル40になり、アーツ『布装備耐久度回復』を覚えました。〈道具士〉のレベルがMAXになりました】


 今回作製している布防具は、難易度が恐ろしいくらい高いようです。


【スキル〈道具士〉は上位進化出来ます! 3SP消費して、スキルの上位進化しますか? Y/N】


 〈道具士〉の進化先は〈魔具師〉だったはずです。

 どんな魔具が作れるのでしょうか?迷わず『Y』を押します。


【スキル〈道具士〉は〈魔具師〉に進化します】


 問題なく、スキルの進化が終わりました。



 スキル〈魔具師〉……特殊な効果を持った魔具を作り出す。作製したアイテムには、さまざまな指定を加えられる。



 途中まで作製している服の仕上げに、アーツ『開閉金具作製』を使い、ジッパーっぽいものを作ります。このジッパー(仮)に〈魔具師〉のアーツ『魔石融合』を使い『魔石(空)』を融合します。


【魔具ジッパー(空)】 発動条件の示されていない、魔導具のジッパー。


 これに、発動条件を加えます。


【魔具ジッパー】 以下の条件が満たされたとき、ジッパーが開放される。 合言葉『全力で行きます!!』又は、体力が20%未満で自動発動

 戦闘終了後には、自動的に閉じる。


 ここまでの作業は大変でしたが、もう少しで完成です。

 この【魔具ジッパー】を上半身装備の左右を留められるように、中央部分に縫い付け、左胸辺りに白い布地を付けます。

 あとは前の方にポケットを作り、手を出す口の部分と腰回り部分に、店売りのゴムを縫い付け上半身装備の完成です。


 次は、下半身装備の仕上げです。腰と足首部分にゴムを縫い付け、前よりにポケットを2個作ります。左ポケット部分にも白い布地を付け完成です。


 内装備の上は、胸部分に大きめの白い布地を縫い付けます。

 下は、腰にゴムを縫い付け、左部分に白い布地を付け完成です。


 最終仕上げとして、スキル〈裁縫〉レベル35で覚えたアーツ『カラーチェンジ』で内装備の下を紺色に、外装備に当たる上下は灰色っぽい色に変えて作業は全て終わりました。


 自慢の一品を鑑定したボクに、恐ろしいくらいの衝撃が来ました!!


「──どうしましょう? 非常識(ありえない)ってレベルじゃないです」


 最終的には、ハルがどのような反応を示すのか、楽しみになりました。


 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


「──お待たせしました! おニューな装備が完成しました!」


 ボクが3人に声をかけると、ボクの方に寄ってきました。


「今回は、どんなのかな? 楽しみ──」


「私のはブーツだし、見た目は変わらんだろうな……」


「わたくしの服は────」


 三者三様、楽しみなようです。


「最初はミイの、サブウェポンですね」


 そういいボクは、【密砲のバンド】を取り出しミイに両手に装備するように言います。両手装備になった時点で名前が変わっています。


「両手の内側部分に『出っ張り』があると思います。そこから魔力弾(・ ・ ・)が飛び出します。現状のミイなら普通に使っても『ファイアボール一発分』のダメージになります」


【密砲のバンド】 ATK+5 ランクC- レア ★★★★


【双砲のバンド】 魔力(MP)を弾として撃ち出せる、暗器の進化系。両手のバンドを近付けるほど、高火力になる特性がプラスされた。 ATK+10 ランクC レア ★★★★☆ ※魔力の基本的な消費量は全魔力の5%。低威力の1%、高威力の10%は片手で使える。双砲モードでは超威力の15%で放つことができる。


 ええ、2つ揃えたらこんな事態(ありえない)ですよ……。


「次は、シアのサブウェポン化したブーツです。蹴りに特化させ、蹴撃力をアップさせました」


【ウルフルズブーツ・壊】 ATK+5 DEF+10 AGL+9 ランクC レア ★★★☆ ※〈蹴り〉レベル10毎にATK・AGLが+1される。


「スッゴい装備だね♪」


「今までで一番非常識(ありえない)装備だな──」


 ミイもシアも驚いていますが、序の口です。これの方が酷い。


最期(・ ・)にハルの装備です」


「何かイヤな文字をあててませんか?」


 そんな事はないのですが……これは、息の根を止めそうです。


「──すぅ、はぁ……ハルの装備これです!!」



【天下無双のいもジャージ】 先に言う。ダサい!! もう一度言う。ダサい!! リアルワールド(世界)の祝福を一身に受けたジャージ。見た目以外は、世界最高にして至高なり!! ランク神代級 レア 神代級 ※装備すると以下の効果を発動する。全ステータス強化・極大 全属性魔法無効 全状態異常無効 HP・MP強化・極大 HP・MP回復力上昇・極大 スキル上昇・極大 超特殊アーツ『我が前に敵は無し!!』……1日1度限りの大技。ジャージのジッパーが弾け飛び、赤黒い魔力が噴き出す。30秒間リアルワールドにおける最凶最悪の暴威となる。(ステータスがさらに10倍上昇)

 固有呪縛装備(カースドユニーク)の為、装備すると外せない。キャラメイクし直しても装備解除は出来ない。

 可愛さの要らない貴女にピッタリ! 全ての人が貴女を噂します。 ハル専用の為、他人は触ることも出来ない。名前入り。


「………………」


 ハルは絶句しています。


「ボクの作っている装備の正反対を行ったら、こうなりました。文句はありませんよね?」


 叫びそうに感じたので、ミイとシアに耳を塞ぐように言います。


「──そんなの……イヤぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


 この叫び声は、街中に響いたそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ