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ありえない生産職~あんたが生産職なワケがない!!~  作者: 四宮 皇季
序章 生産者 マオ冒険します!
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第三話 採取と初生産

 5月28日 ・・・の表記を三点リーダーに変更しました。教えていただきありがとうございます。


 6月2日 御指摘いただいた部分の修正をしました。


 6月16日 丸太の説明文と、それに伴う変更をしました。

      誤字の修正をしました。


 7月15日 誤字の修正をしました。


 7月20日 誤字の修正をしました。


 7月25日 本文の改稿をおこないました。


 8月31日 修正をしました。


 H28 12月12日 本文の改稿を行いました。


 H30年 4月20日 誤字の修正・改行を行いました。

 ボクたち4人は、初めての戦闘を行うために、南門に向かいました。道幅は2車線……だいたい10mくらいでしょうか?


 道中でたくさんのプレイヤーとすれ違い、このゲームが彼・彼女らにどれほど期待されているのか分かります。


「今回の目的は、スキルLV5を目標に、後はマオの『素材集め』をしよう!」


 ユウキは元気よく、行動予定を立てます。


 常日頃から、その能力を発揮して欲しいですが、口にしません。


 今のボクは戦闘に参加できない以上、素材集めと採集がメインになります。


「「「問題ないよ(ありません)」」」


 全員の返事を聞いたユウキは早速、一番モンスターの弱い”南の平原”に案内しました。


 5分ほど周辺を歩くと『ラビット』というモンスターに出会いました。可愛いウサギさんです。


「こっちに来い!!」


 ユウキが大声を上げ、ラビットの注意を引きます。〈挑発〉のスキルはないので、普通に大声です。



 ゴン!



 鈍い音はユウキの構えた『木の盾』からで、ウサギさんが飛び掛かり、ぶつかった音です。


 盾にぶつかり体が止まったウサギさんは、身動きできない瞬間を狙われました。


「ハァァァァ」


 ザン!


 【ラビットに4のダメージ】


 上から下への唐竹割りの攻撃が入り、テロップが入ることにボクは感心しました。


 ボクの隣では、サキは何かを行っているようです。


 戦闘系スキルのないボクが戦いに参加することは、とても危険らしいので、大人しく隣に控えています。



「いくわよ! 『ファイヤーボール』!!」



 サキが行っていたのは、呪文の詠唱だったようです。


 詠唱は意外にも厨二っぽく、現実で唱えていたら痛い人です。


 ゲームとリアルを個別に判断できなくては、周囲から引かれるでしょう。


 ぶつかった火の玉がラビットを炎上させる中、何気なく周囲を観察していると『薬草』を見付けました。


 知っていたとかではなく、鑑定が教えてくれたからこそ分かっただけです。



 【薬草】 HPを回復する。食べてることは出来るが不味い。 HP+5 レア ★



 モノの詳細を見るには"対応する<技能スキル>か<鑑定>"が要るので、詳しい説明が出たのは<調合>のスキルがあるからだと思います。


 戦闘そっちのけで薬草に見入っていると『ピィィィー!!』っと叫び……鳴き声が聞こえたとき、インフォメーションが流れました。



 【ラビットを撃破しました。各1CPを入手しました】


 【マオは ラビットの肉 ラビットの毛皮(小)を入手しました】



 ボクは初めて聞いた用語の説明をユウキに求めました。


「ユウキ"CP"とは何ですか?」


「おう! 次はCPの説明だな。正式名称:カスタムポイントの略で、<武器スキル>や<技能スキル>で覚える”アーツ”を自由にいじれるポイントだ」


 詳しい話を聞いたところ、CPは<調合>だと『採取』『抽出』『乾燥』『粉砕』などを強化などを出来るようです。


 『採取』だと”ランク上昇・弱”や”レア採集率UP・弱”を強化してより”高い効果・性能”になるそうです。


「ただ、CPでの強化にも一番大きな問題があるんだ。

 それは増加倍率が(・ ・ ・ ・ ・)異常に高い(・ ・ ・ ・ ・)ことなんだ!」


 ユウキはボクを指差しながら、興奮したように語ります。


「そうねぇ~、初期スキルで『最低が10CPだった』とするわね? 必要なCPは強化するごとに、100、1000と増えていくの……」


 サキの話を聞く限りでは"10倍"で増えていくようです。


「それでも生産職としては、大変有り難いことですね」


 ボクにとっては、CPを消費することによる『性能の上昇』は大変ありがたいものです。しかし、そう簡単にいかないのが世の中です。


「ところがドッコイ! 生産職を専門にすると入手方法が半減し、一気に強化が難しくなるんだ」


 『~~~何ですと!? そんなことが赦されるのでしょうか!!』と、驚いたボクでした。


 そんなボクの肩をリオが叩きながら「落ち着きなさい、マオ……」言われて、ユウキを締め上げていることに気付きました。


「──げほっごほっ……。理由はモンスターを倒す方が大変という設定だからだ。実際に戦闘を行うのは"慣れる"まで大変なんだ。だからこそより”多くのCPを獲得”できるわけだ」


「マオには悪いけど、聞いた話では生産と戦闘ではCPの獲得量に10倍近い差(・ ・ ・ ・ ・)があるらしいのよ」


「一体……生産ではどのくらい入手出来るのですか?」


 問題はそこです。


 ユウキやサキが"厳しい"と言う以上、かなり酷い可能性も考えられます。


「βで確認されたアイテムランクには、"最低のF"から"最高のA"がある。それで生産で入手できるのが、『ランクEのアイテム1個で1CP』になり、ランク上がる毎に1CP(・ ・ ・)上がっていくのだが、生産特化だとアイテム購入によるコストの方が『スキルLVが低いと高く』ついてしまうんだ……」


「それで、私の知り合いも苦労したの………」


 サキの知り合いの方も”ボクと同じ”だったのですね……。


「取り敢えず採取してみますね」


 そう言いボクは『調合初級キット』から採集用ナイフを取り出し、根元から切り取りました。


 切り取った薬草の説明がこちらです。



 【薬草】 HPを回復する。食べることは出来るが、苦味が強くて不味い。 HP+5 ランクE レア ★



 採取する前にはなかった、『ランク』が出ました。ランクEは普通なのでしょうか?


「素材にランクはあるのですか?」


「そうだ。素材のランクもあり、それは作成されるアイテムのランク……特に"性能"に影響する。

 ちなみに素材も”A~F”のランクがあり、基本的に”ランクF”はゴミくず(・ ・ ・ ・)失敗作(・ ・ ・)になる」


「そうなのですね。次の機会に、色々と試してみます」


 簡単な説明の後、草原で皆さんのスキルLVが”5”になるまで、狩りを行いました。


 LV5で覚えた<槍術>のアーツ『突撃(チャージ)』を見せてもらったのですが、2~3mの区間を地面の上を滑るように移動して、速くて結構派手でした。


 ユウキが廃人になる前に一緒に見た、某ロボットアニメの様でした。


 ああいう戦い()も楽しみ方の1つだと感じますが、ボクは「それよりも<木工>で何か……いえ、約束していた『杖』を作りたいですね」と、心の中で思いました。


 忘れていたワケではありませんからね?


 街に無事帰還したあとは別行動で生産活動するので、パーティーから外れました。


■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


 ユウキたちと別れたボクは杖を作るため、共同作業場に向かいました。


 今回はお金が少ないので、共同スペースで作業を行います。


「最初に丸太の加工からですね」


 ボクは、アイテムボックスから材料を取り出します。


 ユウキたちと近くの森に行ったときに、採集だけではなく、伐採なども一通りさせてもらったのである程度は数を揃えられました。


 そのときに、βテスターが見つけた"1つの法則(ルール)"を教えていただきました。


 掲示板にもすでに載っていることですが『スキルが無くても基本的な事は出来る』と言うものでした。



 【丸太】 何処にでもある普通の丸太。様々な加工により、多種多様の可能性(作品)が出来る。 ランクE- レア ★



 そのことを実験するために、ボクはアイテムボックスから丸太を取り出しました。


 モノ作りをしたい気持ちを抑え、まずは作業工程の確認します。


【木工初級キット】から片刃の()を取り出し、丸太を『角材』にするために振り上げたら、躊躇わず振り下ろしました。



 ザガァン!!



 振り下ろした音が結構大きかったことに驚き、周囲を見回したのですが、誰もいなかったことにホッとしました。


 次からは、気をつけなくてはいけませんね……


 周りの方に迷惑をかけないように、注意して斧を振り下ろし、丸太を角材に変えました。



 【角材】 丸太を切りそろえたもの。思い切った加工により、無駄なキズが付いていない。 ランクE レア ★☆



 確認の為に加工の終わった素材を鑑定したら、このようになっていました。いまさらですが、不思議を発見! 木屑がありません!!


 元の素材:ランクE- レア ★→加工後の素材:ランクE レア ★☆


 素材の加工結果を見て疑問に思ったのですが、ランクやレア度は簡単に上がるものなのでしょうか?



 サキに渡すときにでも、聞いてみましょう。


 

「コレを杖の形に削っていけば……」


 アーツを使わず、ガリガリと手作業で角材を削っていきます。こういう地味な作業って、心が落ち着きますよね~。


 1時間ほど角材と戦い、一応ですが真っ直ぐな1本の杖が完成しました。装飾などはありません。


 長さは1mくらいで、先端は少しずつ細くなります。


 金属飾りがない状態では"杖"というより、ただの"棒"ですので、反対側は頑張って丸い飾りが付いているように、溝を彫りました。



 【初心者の杖】 角材から丁寧に作り出された、魔法向けの杖。 ATK+1 MATK+5 ランクD レア ★☆



 初めての武器が完成したは良いのですが、なにかが物足りない(・ ・ ・ ・ ・)ような気がします。


飾りとかではなく、もっと……こう、という感じです。


「コレは保管しておきましょう」


 ボクは杖をアイテムボックスにしまうと、新しい丸太を取り出しました。


 枝はない"ザ・丸太"……角材の状態で出てきてもいい気がします。


 そのへんの考察は置いておいて、次は日本人の大好きな『魔改造』を、行ってみようと思います。



「──魔改造(アレンジ)してみましょう!!」


 とても楽しみです。雄叫びを上げてしまったことは、無視します。


 手順は、以下の通りです。


 ①丸太に<調合>のアーツ『乾燥』をかけると、余分な水分が抜け、元の丸太の90%くらいまで収縮しました。


 ②次は、乾燥した丸太を角材にします。確認の為、触った感触はとても堅かったので、全力で振り下ろします。



 ズダアァァァァン!!!



 【<木工>LV5になりました。規定値に達したので、<木工>のアーツ『薪割り』を覚えました】


 おや? スキルLVが上がったようですね。早速、試しに使ってみましょう。


「たしか………アーツ『薪割り』」



 ズダダダァァァァァァン!!!!



 物凄い音が響きましたね(汗)


 それよりも角材です!



 【角材】 乾燥させた上で、最適な処理を行われた角材。 ランクC レア ★★



 乾燥させたことで、先程の角材より上の品質になりました。


 そう言えば……<細工初級キット>の中にヤスリがありましたよね? それを使って仕上げをしてみましょう。


 角材をガリガリと削り、削った面をツルツルになるようにゴリゴリと磨きます。


 <木工初級キット>の中に入っている”ニス”を塗って、綺麗に仕上げると形は同じですが、完成品の性能はこうなりました。



 【魔法使いの杖】 最適な加工が施され、魔法使いたちを思う心の籠もった作品。 ATK+5 MATK+20 ランクC レア ★★★



 現在のボクが思う『最高傑作』が完成しました。


 あとはサキに渡すだけです。


 こういうときは、『余は、満足じゃ』というべきでしょうか?

 三話でのステータス


 マオ


 スキル


 <木工>LV5 ↑4


 <調合>LV4 ↑3


 <鍛冶>LV2 ↑1


 <細工>LV1


 <魔法才能>LV5 ↑4

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