第十五話 マオ、ギルドで騒動を起こす
6月17日 誤字の修正をしました。
6月22日 時間の設定を『15分→三〇分』に変更しました。
それにともない、滞在日数を15日に変更しました。
誤字の修正をしました。
6月27日 誤字の修正をしました。
7月20日 誤字の修正をしました。
ミイとギルドに向かって歩いて行きます。時刻は夜の五時──リアルワールドでの時間は、『朝』と『夜』のいう区分けかありません。リアル換算では0:01~12:00までが朝で、12:01~24:00までが夜の区分になります。
もう三十分もすれば夕焼け空が見れるでしょう。この世界で生活していると、『太陽が出ている間は朝』『月が出ている間は夜』と住人は言っています。
ボクの腕にミイが抱きついて、程良い重さと、温もりを感じます。
「──ねぇマオ……不思議だよね──。
この世界でマオと出会ってもう『4日』なのに、リアルだと2時間くらいしか経っていないのだから……」
ミイの言う通り、ミイと出会って四日、リアルワールドの世界に来て五日目……なんと言うか──感覚の違いが出そうですね。
まあ、それを防止するためにプレイ時間の制限があるのですが……。リアルワールドは一日最大七時間半しかプレイできません。理由は『リアルとゲームの感覚の違いを減らす』と言う理由です。
ちなみに、リアルワールドの一ヶ月は30日ですが、基本的に誰も気にしない部分らしいです。
「──そう言えばミイは、今回は何時間プレイ出来るのですか?」
「今日は検査とかないから、制限いっぱいまで遊ぶつもり!」
「──では、15日の間にクリアする目標を決めませんか?」
「う~ん」とミイは考えています。ボクの目標は最初から「思いっきりムチャをする事」なので、短期の目標は『控えスキル』を作ることにしましょうか──。
「私はパーティーメンバーを──増やしたいな~」
「それはいいですね! 前衛タイプのメンバーなら、一番ですね!!」
ミイはクスクス笑って、こう言いました。
「確かに後衛と、生産職だから──バランス的にも、前衛がいれば安心よね♪」
ミイはそう言いますが、ボクの本音は違います。
「──それもありますが……ボクは金属鎧や剣・槍・盾とかも作ってみたいのです!」
力一杯、やりたいことをぶちまけるボクを「──仕方ないな~」みたいな顔をしたミイが見ていたのは、言わないで欲しいです。
そうやって話していたら、ギルドに着きました。
「すみませーん。クエストの完了手続きをお願いします!」
そう言って声をかけたのは、登録をしてくれた受付嬢でした。
「──あら? あなた達、もうクリア出来たの?」
何故か驚かれました。
「それほど難しいクエストと思えなかったのですが──」
「──!! そんなことは、ないハズなのですが────。
証明部位を確認させて貰えますか?」
不思議に感じながらも、証明部位をカウンターに出します。ボアの耳と一緒に、何故か出た『ビッグボアの耳』も一緒に出します。
「──本当だったんだ──
確認させていただきます──!? 数はあるので問題ないのですが…………『ビッグボアの耳』が混ざっているのですが──」
一瞬にしてギルド内の音がなくなりました。
「「「「「ありえない!!!!!!!!」」」」」
その場にいた皆さん方が一斉に叫びました。ボクとミイは不幸にも、大声のせいで耳をやられました。
「此処は音響兵器を使うのですか!?」
ボクは叫びました。ビースト系とエルフは、耳の良い種族です。ミイはボクの腕にしがみついたまま気を失っています!
「くくくくっっっっ──」
ボクの後ろから笑い声が聞こえます。
「ヤッホー! 昨日ぶりだねマオ」
「言った通りマオが犯人だったでしょ?」
ソコにいたのはユウキたちでした。
「お前は知らないと思うが、ビッグボアは平原のボスなんだが……出現傾向が不明なボスでな? この数日、俺たち攻略組が血眼になって捜してたもんだ──」
「その口振りだとユウキも捜していたわけですか?」
周囲から「”トライピース”のユウキだぞ!!」とか「”尖剣”のリオに”魔導師”のサキもいる」とか色々聞こえてきます。
「その様子だと、自分たちが何と呼ばれているか……知ってないようだな(笑)」
何となく気にくわないので、ユウキに向かって丸太杭を投げ飛ばします。
ゴシャァァン!!!!
自分的には十分手加減した一撃だったのですが、ユウキはそのまま壁に打ち付けられました。
「「「───────────────」」」
先程まで騒がしかったギルド内から、音が消えました。
コツンコツン……
ボクはユウキに向かって、ゆっくりと歩いていきます。ちなみにミイは、ボクの腕に掴まったまま気を失ったので、片腕で抱き締めてます。
丸太杭に手を触れさせると、丸太は消えユウキは床に落ちました。
「──さて、キリキリと説明して貰いましょうか?──」
今回のことでボク自身が、二つ名を付けられることになるとは思いもしませんでしたし、ある方たちにとって『絶対的な庇護者』となってしまったのは、後々知ることになりました──。
────────ユウキを尋も──オホン、質問責めにすること三十分。ユウキはギルドの床で正座をしています。
「────なるほど、そう言うことだったのですか。納得をしたくない部分がありますが、概ねその通りなので反論できませんね──」
その内容は、ボクがこれまでに行った生産活動が噂の根本にありました。
「──しかし──トップ組の生産者が『マニュアル操作』での作製が出来ないのは……予想外でした──」
ボクが一番驚いたのは、生産者で『マニュアル操作』が出来る者がいなかったことです。ボクが試した感覚的には、粘土で何かを形作る程度に感じたのですが……それでもかなり難しい部類だったようです。
「──ねぇ……マオ、この人たちは何で正座しているの?」
目を覚ましたミイは現状の異常さに、周りをキョロキョロ見ています。それもそうでしょう。ギルド内にいた騒いだ全員に正座をさせているからです。
例外的にイスに座っているのは、ボクたちと騒がなかった数名に加えた、受付嬢たちです。もちろん、リオもサキも正座させています。男女平等に罰を受けて貰っています。
「騒いだらダメです。悪いことをしたら、罰を受けて当然なのです」
「ねぇ~そんなことより、買い物に行こうよ~」
「──そうですね。少々物足りないですが、今回は初犯と言うことで──ここら辺で許してあげま──「舐めとんのか‼ ガキが‼」──もう少し調教しなくてはダメな方がいるようです」
ミイに目を瞑り、耳を塞ぐように言います。ミイがキチンと言うことを聞いたのを確認したボクは、目の前にいる頭の悪い方に向かってゆっくりと歩きました。
「──あのバカが──」
「──余計なことをして」
「──まだ──続きそうね……」
ユウキたちが何かを言っているのを無視して、彼のオシオキを決行しました。
このゲームはPK行為は不可能ですが『決闘システム』があるので、送りましたら『無制限・無時間』で送り返されました。




