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ありえない生産職~あんたが生産職なワケがない!!~  作者: 四宮 皇季
序章 生産者 マオ冒険します!
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第十三話 ニュースキル<罠士>

 6月22日 誤字・脱字の修正をしました。


 7月13日 誤字の修正をしました。


 7月20日 誤字の修正をしました。

 受付嬢がクエストの受付を完了したと教えてくれました。受付嬢の方が真剣な表情になっています。何か問題があったのでしょうか?


 「お二人に申し上げます。ただいまを以てミッション『ギルド登録をしよう』『依頼(クエスト)を受けよう』の二つを完了しました。

 ミッションクリアにより、スキルスロットが二個解放されましたので、忘れずにスキルの修得をお願いいたします」


 ──どうやら思っていたより早くミッションを全てクリア出来たようです。


 ギルドを出たボクたちは、草原に向かって歩いています。証明部位について、ギルドから渡された冊子を確認することにしました。


 ──証明部位とは──

 討伐系のクエストの証明で使われる。クエストを受けていないと、ドロップ自体はないので注意。この証明部位は、【クエスト用アイテム】として管理される。

 ちなみに使用用途はクエスト証明でしか使わない。

______________________


 取りあえず、獲得したスキルスロットに何を入れるか考えましょう。


 「ねぇ……マオはどんなスキルを修得するの?」


 ミイはボクを見上げながら、聞いてきます。ボクはミイに前から考えていたことを話しました。


 「ボクはこのゲームを始めたときに、決めていたことがあるのです」


 ミイは不思議そうに、ボクを見上げています。ボクは一呼吸します。


 「不快にさせるかも知れませんが、ボク自身はリアルチートな存在でした──」


 ミイを見ますが「何のこと?」と言いたそうな顔をしています。


 「──リアルチートは、所謂『天才』を軽く超えた存在です。おそらく、ミイは知らないことだと思いますが、生産にも攻撃と同じく成功(ヒット)失敗(ミス)があります。

 ボクはこれまで何点もの生産をしましたが、失敗は一度も(・ ・ ・)ありません」


 「成功することが、悪いことじゃないよね?」


 ミイの頭を撫でます。しかもこのときのボクは、同時に索敵(・ ・ ・ ・ ・)も行っています。しかもなんの苦労もなく……。


 「ミイも最初は弓の攻撃を外していましたよね?」


 ボクの言葉に、顔を朱くさせて俯きます。


 「──おそらく、ボクは苦労せず当てられるでしょう──」


 ボクの言葉を聞いたミイは、少しすねたようにしています。


 「──ずるい。それがマオの言う『リアルチート』なの?」


 ミイが拗ねながら、聞いてきます。


 「正確には『一端』ですが……。

 ミイの弓だって、普通の人が生産しても、十に一下手をすれば二十に一の可能性が高いです。装備している服もそうなのです」


 ボクは話がズレてしまっていることに、気付いてしまいました。


 「──!? すみません。話がズレてしまいました。そんなボクが自身に課したことがあるのです──────

それは『おもいっきり無茶なことをしてみよう』ということなのです」


 ミイはクスクス笑っています。さっきほどの試験での戦い方が正に、その通りだったのですから。


 「ボクが次のスキルに考えているのは<罠士>と<道具士>の二つです。

 罠士は、トラップの専門家ですし、βでもダンジョンが確認されているので、ダンジョン攻略にも役立ちそうです。

 道具士は、この下位スキルのままでは『魔具』が作れないですが、上位スキルの<魔具師>になれば、魔具の作成が出来ます。──使い捨てなのがネックですけど……」


 ミイはクスクス笑いながら、ボクにこう言いました。


 「マオなら成功どころか──『魔改造』までしそうだね?」


 まったく反論出来ません。これは頑張って上位スキルに進化させて、試さなくては行けませんね‼


 「ミイは、何を修得するのですか?」


 「私が今考えているのは、<付与>と<MP回復力上昇>の二つを考えているの……」


 何かありそうな雰囲気ですね。


 「他に何かを考えているのですか?」


 「うんとね………かなりマイナースキルで<解体>とか<発見>があるの──」


 ユウキに聞いた『取らない方がいいスキル』の名前ですね……

 ──たしか<解体>は『アイテムドロップ無効』が常時発動していて、グロい(・ ・ ・)らしいです。ボクは平気でも、ミイには厳しい気がします。

 ──<発見>は何か(・ ・)見つけるスキルで、何が見つかるかは『運次第』という泣かせモノ──そう聞いたのですが、なんとなく違う気がします。


 「あとは、接近されたとき用の<短剣術>を考えているの──」


 なる程……ボクより、深くゲームのことを考えていますね。しかし、スキルがなくても武器を使えたハズです。

 それに今は無理でも、材料を集めて作りたい装備が出来ました。


 「ボク的には<発見>とか面白そうに感じます。──<付与>に関しては、ボクたちが紙装甲なのに変わりないので、少しはマシになるのではないのでしょうか?」


 「やっぱりそうだよね!? 私はこの二つにしようかな──」


 そうやって、スキルのことを話していたら、草原に着きました。

 ボクは周囲を見回し、罠を張る(・ ・ ・ ・)場所を探しました。


 「ミイ、あそこの木が生えている草むらに、罠を張ってみようと思うのですが……どうでしょうか?」


 「隠れる場所もあるから──いいと思うよ!」


 罠士のスキルは『罠作成』『罠発見』『罠解除』の三つで、今回は『罠作成』でサクッと作ります。シャベルが欲しいです。


 「巻き込まれないように、ボクから離れていてください」


 そうお願いするとミイは、五mほど離れました。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 罠の作り方ですが、最初に材料を決めます。今回はシンプルな『底に木の杭を敷いた』対応(かたち)にします。

 取りあえずサクッと行うために、丸太を<木工>のアーツ『加工』で丸太を半分にして、片側を尖らせます。


 次に行うのは、地面に直径十m・深さも十mの落とし穴をイメージして、底に木の杭を敷きます。


 「──アーツ『罠作成』──」


 これで完成です。作った罠はキレイになっていて、肉眼では場所が分かりません。

 <罠士>のスキルで作った罠は、発動条件が決められます。任意式・時限式・スイッチ式──以上三通りあります。

 今回選んだのは、『任意式』を選びました。これは作成者の決めた『発動キー』で罠が発動します。


 罠は完成です。後はミイにボアを、釣って貰うだけです。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 「ミイ……罠が完成しました。ボアを探しましょうか──」


 「────えい♪ マオ当たったよ?」


 ──とっくに矢は、放たれていました。

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