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第百一話 マオのいないところでも、悲劇は量産されている!

 夏休みが終わっても関係ない仕事って、結構忙しくて大変です。


 約40日ぶりの更新となります。


 今回でイベント編は完了です。



 9月28日 記号の変更をおこないました。

 SIDE:ユウキ



 少し前から、ここ以外の方角にいたイベントモンスターが倒されたとアナウンスが続けて流れてきた。


 マオとレインのじいさんが向かった方角は"ほぼ同時"に倒されたと流れたので、短時間で倒されたとみていいだろう。


 本当に規格外な親友とじいさんだ。



「長兄、横凪ぎが来ます!」


「主様を傷付けようとは! 邪神が許そうが、私が赦さん!!」


「巨体の攻略法は、脚関節にあり!!」



 そう現実逃避をしていたが、そうは問屋が卸さない。


 今回のイベントメンバーには、揃いも揃って濃ゆいヤツばかりが集まった(泣)


 サキとリオを除けば、全員(おとこ)で野太い声ばかりなので清涼剤たる華がない状態だ。


 正直、何の苦行かって言いたいが、クジで決まった事なので文句を言えないのがマジで辛い。


 マオにバレたら『ここは特製アイテムの出番です!!』と、ヤバいアイテムを出してきそうだ。




 ポーン




 [アイテムが『プレイヤー:マオ』からアイテムが届きました]



 そう言っている内に来たよ!?



 [ただし、アイテムはユウキ・サキ・リオ以外のメンバーに直接届けられましたが……]



 アナウンスが告げる、システムの意外な動き。


 ただ、何というか……『てへっ! ヤっちゃった♪』と言わんばかりのイメージを受けたのは気のせいか?



「長兄、魔王様からアイテムの差し入れが届きました!」


「次兄、貴方の元にもですか……」


「長兄、次兄、自分の元にも着ました」



 騒ぎ出す脳筋(3バカ)の言葉に、悪寒が背中を襲った。




【マイ・漢乙(おとめ)・メイディアン】




 それが送られアイテムの名前らしい。


 悪寒どころか、鳥肌が全身に拡がった気がする。


 なんだよ、その『厄介』を100倍濃縮した雰囲気を持つ"禍々しい"名前のアイテムは!?



「魔王様のお心遣い、一気飲みで受け止めるわよ!」


「「YES、サーマム!!」」



 バカどもに『やめとけ!』と突っ込む前に、一気飲みしやがった!(反対の手は腰に当てるポーズで)


 マオの作った【物体X】に効果発動までの待機時間や、有効時間は基本的にない(・・)に等しい。


 飲んだ次の瞬間には全身の筋肉が隆起し、動きのキレが増したくらいしか目に付かないが安心は出来ない。


 そんな風に欺瞞の目で観察していると、奴らの動きが何の前触れもなく上がった!




 〖プレイヤー:マッスル・ミートグランデ・ポーディンジュの各種ステータス補正が掛かりました。

 薬効:筋力増大・特、反応速度上昇・中、漢らしさ上昇・極、見つめられている間はアピール力上昇・究極〗




 システムが告げる言葉に唖然とする間もなく、サキとリオが口にした言葉に耳を疑った。



『不快感が増している気がするわ』


『周囲に汚染が拡がってない?』



 薬の効果は『産地(SAN値)直送です!!』と言わんばかりの、負を周回遅れにした"何か"を感じる。



「ねえ、さっきから攻撃範囲外の敵が"爆散"してない?」



 リオの言葉に3バカの動きを観察すると、確かに攻撃範囲外の敵にもダメージが入っているようだ。


 所々で爆散しているのが見て取れる。


 お腹が"きゅ~"っとした気がしたので手をお腹に持っていくと、ゴツゴツとして硬い感じがした。



「(忘れてた!? 腹マイト(コイツ)の事を!!)」



 マオに付けられた呪いと言っても過言ではない、装着者しか(自爆)外せない(特化)アイテム。


 その効果は某ゲーム出でてくる【リ○イズ】級の破格性能を秘めているが、その効果を発動しようものなら周囲を巻き込む被害は軽く出る(・・・・)自爆テロも真っ青な危険アイテム(ブツ)だ。


 目の前の爆発(光景)を見ても『汚い花火だな……』という気も起きない。


 それ以前に、俺たち自身が"特大花火"となりかねないモノ。


 その事実に小さくなりそうだ。(何がとは言わない)




「長兄、次兄……今の状態なら、我らの思い描いていた"アレ"を完成させられるのでは!?」


「「!!」」



 おい、貴様らは『何』を企んでいるんだ!?


 俺の心の声を無視するように、事態は駆け足で進む。


 ちなみに、さっきから冷や汗が止まらない。




「お色直し──ふん♪」



 マッスルが雄々しい掛け声と共にビカッと輝いて、極太の鞭を地面に叩き付ける姿と同時に滅茶苦茶重い音が響いた。


 衣装については言及したくない。





 ──信じたくないが、地面が2mくらい割れているんだけど!?





「ドレスアップの時間である!!」



 ミートグランデは世紀末風の服を脱ぐと、10cmの幅がある黒い帯を纏っていた。



 ──ボンテージではなく、何て言うのか『○○養成ギブス』的な何かの雰囲気を放っているな。



 まあ、それが何であったところで正直"気持ち悪さ"が減るどころか、増しているのは間違いないだろう。


 キラキラ輝いているのは光の加減ではなく、汗を反射しているのが理由だろうし……




「長兄、次兄に負けれません!!」




 そう言ったポーディンジュが上半身に纏うのは、一部分しか守らない……防具としての機能がないであろうモノだ


 つーか、ムダな変身シーンで光が局部を包みこみ、その光が弾けると装備が現れるってどうなの?


 ファンタジーゲームだぜコレ……魔法少女もファンタジーだが。




 ──それより許せんのが、何で【ビキニアーマー】なんだ!? 犯人はマオと、レインのじいさんだよな!?



 そこでレインのじいさんの孫である"キルステ"の名前が出ないのは、彼女が『布・革製品の職人』だからだ。


 彼女も時々ブッ飛んだ事をすると聞くが、完全にじいさんやマオの後ろに隠れている。


 レインのじいさんは"狂人"といっても過言ではないし、マオに至っては正直『ゲームや小説に出てくる【魔王】』と遜色のない被害を出している。



 ──いや、現時点では運営の用意した(そっち)の魔王が生み出した被害の方が少ないかも知れない。



 魔王云々は置いて話を戻すが、ポーディンジュの装備? は両腕を肩から覆っている。


 遊○王に出てきた【メタル○】のカードの手に似ている。(名前が間違っていたらすまん)


 指の先が刃になっているので、現状で姿が周囲に与える被害から中世ヨーロッパ方面の殺人鬼『ジャックザリッパー』にも見えるが、そいつ本人はきっと裸足で逃げ出す。


 気のせいであるなら、どれだけありがたい事だろう。


 俺たち3人も被害を現在進行形で受けている。



 ──正直、キモいとしか言えないヤツらの姿。



 スルーしたままで済ませて欲しい、マッスルの服装。



「これは、なんて罰なの!?」



 とうとう耐えきれなかったのか、リオが地面に崩れ落ちた。


 サキに至っては、座り込んで呆然としている。


 俺か? 俺は、愛剣を支えにして何とか立っている状態だ。


 ひと思いに殺してくれ! と言いたいが、目の前にいる変態3兄弟に聞かれようモノならアバターとはいえ、身の危険しか感じない。


 強いから変態なのか、変態だから強いのかは不明だ──と言えば哲学っぽく聞こえるだろうか?


 目の前の惨状を横に置いても、死神の鎌が首もとでチラついている気がするんだが……






 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 場所は替わってマオのダンジョン(魔王宅)のリビングにて、話についていけないキキがある小箱(ブツ)を発見していた。



『開くと都』



 怪しさ満点のシールが貼ってあるが、何かにつけお馬鹿なキキは気にすることもなく手に取った。


 大きさは指輪を入れる化粧箱サイズ。


 色は漆黒色なので、白地のシールが目立つ。


 興味を持ったキキはふたを開けた。



『押せば破那となるパーリー』



 誤字に見える酷い当て字と、レイン語の混ざったシールがふたの裏に貼ってある。


 当然のことだが、真ん中には赤い500円サイズの丸が鎮座しており、そこにはドクロの絵が黒で描かれている。



 普通の人なら押さないだろう。



 だが、そこはキキクオリティ(お馬鹿さん)


 躊躇うことなく、人差し指で押した



『た~まや~~』



 のんびりとしたマオの声が小箱から聞こえた。


 結果的に被害を受けるのは、ユウキたち(彼ら)である。


 ちなみにキキは押した事実を忘れ、おやつを食べていた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 [特殊効果発動(大爆発)の指示を受けました]



 そのインフォメーションにサッと血の気が引いた。



 [なお、特殊条件をクリアしている為、効果が飛躍的に高まります]



 ポップしたウインドウには、俺を頂点とした三角形が偶然にも出来上がっていた。


 こうなった原因は、目の前の変態(3人)から逃げていた結果かもしれない。(汗)


 正三角形というのは偶然だと思うが、ボスが中央にいるのは出来すぎている気がする。



 ──ちなみに、逃げようとしたが足が動かなかった。



 そして訪れる、静寂と爆発。



 [【魔の三角(トライア)】が発動します]



 爆発の瞬間、脳裏に浮かんだのは、いい笑顔で手を合わせているマオ(親友)と妙に渋い顔で親指を立てているレインのじいさんだったのはどういう理由だろうか?


 目を瞑るまもなく訪れる光と爆発、それに巻き込まれる無関係のプレイヤーたちの聞こえないはずの怨み声(悲鳴)


 目を覚ましたときには、頭が地面に刺さった状態で直立不動の変態たちと、終わりが見えない平地だった。(最悪の光景だ)


 基本的には荒地だったが、小さくても丘や岩山もあったし、林や小川もあった。


 それが今は、俺の見ている範囲すべてが平らになっている。



 イベントに関しては既に終わっていた。



 俺が意識を取り戻すまでの間、放置されていたらしい。


 他のギルドメンバーも近くにはいないようだし……


 俺たちも酷い扱いだが、ボスの方が酷い。



 [不定形物体(何かわからない)を倒しました]



 その1文で終わっている、酷いを置き去りにした扱い。


 一応、そこそこ強いボスだったのだが……


 起爆した理由は分からないが、最後の〆を奪われた感じだ。


 ──もうイヤだ、帰って寝たい。



 俺たちのイベントは締まらない終わり方をした。

 消化不良気味かもしれませんが、マオの被害報告会的なモノなのでご勘弁を。


 誤字脱字がありましたら、ご連絡をお願いいたします。

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