第一〇〇話 マオ、イベント中にも関わらず、別の事を行う!
遅くなりましたが、更新します。
タイトル通り、イベントを忘れるマオの行動が生み出す惨状は!?
8月4日 誤字の修正をしました。
色々と心揺れる言葉と、チートとしか言えない【固有能力】に気持ちが浮いたり、沈んだりしながらもボクはスキルの試運転を行いました。
記念すべき最初のスキルはコレです!!
【魔王様の休日】
魔王化御礼スキル昇格 その5
拠点作成スキルの詰め合わせパック。
ダンジョンを作成したり、お城を作ったりしてください。
ただ、ダンジョンは『攻略できる可能性がある』状態でしか作成できませんので注意してください。
今までは普通に宿に泊まっていましたが、折角スキルが『拠点を創れ!』と言っているので、ここは甘えましょう!
現在地は街から90kmほど離れた草原の真っ只中……
ここなら"街"を建てようが、大盤振る舞いで"城"を建てても文句は言われないハズです♪
──ちなみに選べる拠点の種類は『ダンジョン』『街or村』そして『城』の3つです。
街と言ってもいきなり『街が完成!』という訳ではなく、手順的には『村』から始まって、『町』になり『街』に至る流れになると考えています。
──なので、今回の実験には"ダンジョン"を作成してみようと思います!
ウィンドウに表示された『ダンジョンを作成しますか?』の問いに『はい』を押し、ワクワクして待ちます。
[告、ダンジョンの作成は、街から30km以内でしか行うことが出来ません]
即座に返ってき返事は、作成の拒否でした。
思い出せば街からは70~80kmは離れた草原なのを忘れていました。
けど、30km以内というと片道3~4時間くらいの距離でしょうか?
最近の主な移動手段が『ハクガに乗って』なので、距離を感覚的に捉えることが難しいです。
また、作る場所を"どこにするか?"も問題でしょうね。
候補は第2の街か、約3ヶ月前(ゲーム内の時間)に解放されたこの国の『王都』でしょうか……
もちろんNPCの冒険者もいるそうなので、単純に『侵入者を倒す』コンセプトで作成するのは問題でしょう。
彼らが【死に戻り】するとは思えません。
──プレイヤーに対する遠慮ですか? ないです!
デスペナ自体が『採取した素材の一部を失う』『所持金の半分を失う』だけなので、遠慮はいらないでしょう。(頑張って稼いで、落としていってください)
取り敢えずダンジョンに関しては、プレイヤー用とNPC用に別けて作成しようと思います。
採れる素材は『奥に行くほど豪勢』に、敵やトラップは『より強力で凶悪』の仕様が良いでしょう。(例外あり)
NPC用は『プレイヤーからしたら"温いレベル"で、そこそこの品質の素材』で良いでしょうか?
どんなダンジョンにするか、みんなと話ながら帰りましょう。
時間は少し流れて、街から30km地点に到着しました。
早速、スキルを発動させます!
[ダンジョンクリエイトへようこそ、魔王様!]
いきなりのハイテンションに多少引きながらも、ダンジョン作成を進めました。
[画面左下に、ダンジョン作成に必要なポイント【魔王様ポイント】が表示されていますので、ご確認下さい]
左下を見ると表示されていたのは『恐れ多くて表示できません』の文字でした。
[MOPの最大保有量は11桁までになります]
11桁──というと、100億の位ですよね??
──ちょっと待ってください!
999億9999万9999以上を保有しているって事ですか!?
桁が多過ぎてちょっと想像しにくいです!
「最低のMOP消費は何でいくつですか?」
[最低がスライムの"5MOP"になります]
「最高だと?」
[異界の魔王LV100が"1000億MOP"です]
「それ、理論上では"不可能"じゃないですか?」
[その通りですが、LV99なら"999億MOP"で召喚が可能なので、不可能とは言えないと存じます]
「────ちなみに、LV98だと?」
[LV98で"998億MOP"です]
「(LV1が"901億MOP"の時点で、色々と無理ゲーじゃないでしょうか??)」
[初期で与えられるMOPは"10万MOP"になり、それに加えて『称号取得者の現在までの行動によるポイント』が加わった合計が支給されるMOPとなります]
行動────思い出すのは、黒龍との対峙からジャングルでの生活まででしょうか?
──ああ、あとはコカ君に実験協力をお願い(ほぼ強制)したくらいでしょうね~
それともユウキに"腹マイト"を装備させた事でしょうか??(未だに起爆した報告はありません)
思い出すほどに心当たりが増えていくので、コレだと断言できないのが辛いです。
原因を考えるのが面倒になってきたので、サクッとダンジョンを仕上げます。
「ダンジョンの最下層が100層なので、相談した通り『100層』で良いですよね?」
「「「「問題な~し(ありません)」」」」
サクッと100層まで増築します。
チラリと見たポイント表示は『恐れ多くて表示できません』のままでした。
消費したMOPは100億MOP近かったハズですが、変わらないってどのくらい"限界値をオーバー"していたのでしょうか?
正直、考えたくないレベルですけど……
「(NPC用のダンジョンは20層くらいですかね?)」
彼らの強さは分かりませんが、LV30を上限にしようと思います。
モンスターが弱かった場合は、階層を増やすと共に強力なモンスターを勢揃いさせてみようと考えていますが……
4層までをLV7までにして5層の小ボスをLV8、9層までをLV10に、10層のボスをLV12にして14層までを同じようにLV17で小ボスがLV20、19層 までをLV26でボスがLV30ってところでしょうか?
ガラッと変わって、プレイヤー用は9層まではLV20までのモンスターをランダムに、小ボスには特殊変異モンスターをLV10までの範囲で設定しました。
この"特殊変異モンスター"は同名モンスターの同じレベルの倍以上(最低)は強く、戦闘時の状況によっては数倍強くなるのが曲者ですね。
お楽しみの10層のボスは万を期して【異界の魔王LV10】を配置しました!
それを『階層×LV10』で繰り返し設定にしたのですが、問題が発生しました!!
──全然減っていないですよ!? 保有ポイント!!
実際に使用したMOPは10兆MOPを軽く越えていると思うのですが……?
秘密の魔王様な話ですが、10階層くらい落ちる"落とし穴"とか、跳んだ先は"壁の中だった"を真剣に叶える"素敵トラップ"を各階層に絶妙に配置しました!
ギャグ的要素として、陶器のタライからオリハルコンのタライが落ちてくるトラップもあります。(当然ですが、当たったら消えます)
移動中の注意は当然の事、戦闘中も気を抜いてはいけません!
──上は当然の事、足元にもです。
じゃないと、ボクのようにドナドナされます(笑)
キキ改速便は"快速"ではなく、改速なのがポイントです。
……正直な話、帰りは行きの1.2倍速くらいのスピードで走っていたのですが、色々な面で台車を強化しないと振動他諸々が襲いかかってきて気分が悪くなりそうです。
これは乗り物酔いしやすいかは関係なく、地面の凹凸が激しいVRの世界の設定とリアルで使われるアスファルトを比べるのは酷って話ですよね……
話がガラリと変わりますが、ダンジョン内では突発的遭遇モンスターとして風変わりな【異界のイン魔】を利用しています。
彼らは基本的に扱いにくい存在ですが、たった1つだけ"利点"があります。
それは彼らにとってダンジョンの階層が『自室』という超拡大解釈な性質で、命令せずとも自主的に監視を行うことです。
でも問題がないわけではなく、戦闘に関しては自主的に行わずに隠れてしまうのが欠点みたいです。
「戦わせるのは"ご褒美"で釣るにしても、レベルの方も問題ですよね……」
ニートのクセに生意気な!? と、どこかで聞いたことがあるセリフを口にしながら、彼らの本質に頭を悩ませます。
その問題が『ヤル気に応じて強さが変動する』という事ですよね。
なのでご褒美に使うのは【ピンク色の薄い本】なのですが問題があり、結構MOPがかかるのですよね。
その為だけに作成した【オレヨメ】を各階層の秘匿部屋に設置しました。料金はPY(プレイヤー殺ったどー)にしてあるので、積極的に戦うでしょう。
もしかしたら、生態系の頂点に立ったりして……
ニート用の部屋も各階に用意して、ベッドも設置してあります。個室ですがベッド以外の備品はないです。
その事で注意しなければいけないのは『ベッドの下を見ない』事になります。
理由は分かりやすいですね。
ユウキもベッドの下を"聖域"と呼んでいるくらいですし……
ボクですか? 毎日、ハルが掃除をしているのでベッドの下も綺麗ですし、見付かった場合『リアルに身の危険』です。
リアル"が"なのか、"も"が正しいのかは分かりませんが(笑)
部屋から出ない人が進化した場合、家からは出ない人になりそうですね。
どちらでも人として、いえ"社会人"としての責任感なんかはないでしょうね……
ボクも周囲に被害を出していますが、NPCを巻き込まないように注意しています。
プレイヤーに関しては自主避難してもらうしかないですね。
で、今回創ったダンジョンですが、2つの名前が付きました。
【魔王様の遊技場】と【天外魔境・魔王の城】の2つです。
攻略が不可能に近いことは把握していましたが、ゲーム内で1ヶ月経っても10階層をクリアしたパーティーが出ないのは想定外でした。
言い訳になってしまいますが、ニートたちの欲望が絡んだ場合の行動力を甘く見ていたボクの落ち度でしょうか。
彼らが、ペアを組んだりするとは予想すらしていませんでした。
自販機で設定してあるPY料金が高すぎるのが原因なのか、ピンクの薄い本の内容が焚き付けたのかは不明です。
最初に10階層を突破したのは予想通りユウキたちでしたが、その時の感想が『難易度・鬼畜を越えたら、なんて表現すればいいんだろうな??』でした。
難易度が跳ね上がってしまった分は"ボスのドロップアイテム"で調整しましたが、それも『性能が他のダンジョンクリア報酬より、良すぎる』と言われる事になるとは……
ちなみに、ダンジョン作成に集中していたあまり、イベントの終了アナウンスを聞いていなかったのは秘密です。
誤字脱字がありましたら、連絡をお願いします。




