第9話
照明弾に照らされた森はかなり明るく、敵の位置もすぐ分かった。
「フィー!悪い少し遅れた。」
俺はそう言いながらミニガンにバッテリーを入れ、⒎62×51mm NATO弾帯を給弾装置に差し込んだ。
フィーは魔法を一発撃った後に俺の方を向いた。
「大体は威圧しましたけど当たりませんでした」
「そうか、フィーまたで悪いが耳塞いでいてくれ」
「いきなりでまたですか」
「すまん、まただ」
フィーはしぶしぶと言った感じで耳を塞いだ。
「行くぞ!」
俺はフィーにそう言いながらミニガンを構えて引き金を引いた。7.62x51mm NATO弾に混じって出ている曳光弾の光を目安に狙いをつけて撃っていく、さっきの木の化け物を盾にしてきたが簡単にバラバラになった。数分経ってある程度掃射したら
「もうそろそろいいかな?」
とつぶやき俺はミニガンの引き金から手を離し様子を見た。
硝煙と血の香りだけがしており音もヘリの羽が回っている音しか聞こえなくなった。
「幾ら何でも弱すぎる・・・」
普通の戦場ではこのような機銃掃射のときは遮蔽物に隠れるなどして避けるのだが俺が機銃掃射をした時隠れずにそのまま応戦してきた。当然ただの的だったため簡単に制圧できたのだが。
少し照明弾の光が弱くなってきていたが死体の数を確認するのは簡単だった。
「1人いないな・・・逃げたか?」
死体は4体しか無くさっきは5人+1匹?だったのだが・・・
「まあ逃したもんは仕方がないか・・・てかフィーさん大丈夫?」
俺は下で悶えているフィーを呼んだ。
「取り敢えず、だ・・大丈夫です。」
「また耳か?俺は特に何もないんだがなあ・・・」俺は長い耳を触りながらそう言った。
「おそらく慣れでしょうかね?」
そう言ってフィーは立ち上がった。
「もういいのか?」
「はい、もう立てます」
取り敢えずヘリに着陸してもらうため大声で呼びかけた。
「おーい!向こうにある程度スペースがあるからそこに着陸できないか!」
伝わるか分からないが指を差しながらとにかく知っている手信号で必死にヘリに伝えながら大声で叫んだ。
そしたらヘリは指の指した方向に方向転換してその方向に直進した。
「お!伝わったか、じゃあフィー俺達も向かうぞ」
「腕ぶんぶん振り回していただけで伝わるのですか?」
「フィー!早くこないと置いてくぞー」
「え?あ!待ってくださいよ〜」
2分後
少し疲れたので歩いていく
「異様にいきなり疲れがどっときたから少し驚いたな。」
「身体強化の効果が切れたんですよ」
「そうか、あーしかしどうしよう」
「どうかしました?」
「いやこの状況どう説明しようか・・・」
「彼らに?」
「ああ、名前も岩本のまんまだとなんだか面倒になりそうだし」
「面倒?」
「向こうの世界ではテロリストとか国際犯罪者とも呼ばれていたからなーそれにあまり日本の奴らとは会いたくないけどそうも言ってられないし・・・」
「犯罪者って何したんですか!?」
「・・・取り敢えずは俺の過去については後で話してもいいか?」
「・・・わかりました、取り敢えず岩本の代わりの名前は・・・どうしましょうか?」
「うん、しっかしこっちに来てまで前の肩書きを気にせにゃならんとは・・・なあフィーこっちの世界の一般的な名前とかないかな」
「え?・・・う〜ん?リーアとかどうでしょう?」
とフィーが提案したのだが、全くどういった意味か分からない、
「すまんフィーどうでしょうと言われてもこの世界の名前の基準が分からないんだが・・・それに下の名字とかなのか?」
「え?そんなもんテキトーでいいんですよ、ってああそういえば岩本さん元々人間でしたね、私達ハイエルフは名前とかは適当に決めているんです、この名前はある意味一般的ですよ?」
「・・・文化の違いってやつかな?エルフは結構いい加減なのかな?それだったらリーアでもいいのかな?」
「いいんじゃないでしょうか?あと岩本さんもう少しその口調どうにかなりませんか?女性にしては違和感ありますよ?」
「く、口調?なぜいきなり?俺はこのままでいいと思うが・・・ん?おお!ヘリが見えてきたぞ」
俺は話をそらす形でフィーに言った。
木がない小さいスペースにヘリが着陸していた。
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