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突如、猫飼の下につきたいと言ってきた藤崎。
彼曰く「猫飼の行動が気になるから」と。
それを聞き猫飼はある世界へと藤崎を連れていく。
そこは聖霊しか立ち入れないはずの創世区域であった。
創世区域の扉が開いたことにより、聖霊のうち敏感なものは異変に気づく。
そんな折、轟の前に一匹の猫があらわれ、彼女を創世区域へといざなう。
創世者の声は轟の心を刺激する。
「お前の兄 狐原 零を聖霊の頭に仕立てよ」と。
轟の心の叫びに気づいた零と狼毅は彼女を追うが・・・・
創世区域から放り出された轟が立っていたのは神社であった。
そこで轟を追ってきた狼毅と再会する。
その後、藤崎は猫飼に注意を受けながらも創世者の扉を開け、対談を試みる。そこで藤崎が口にした言葉とは。
「私を雇ってみませんか」
だれも雇っていないと怒る創世者。
しかし「このまま猫飼に仕えよ」
それだけのこし、藤崎を神社に戻した。
さて同時刻轟は扉が開いたことに違和感を抱き始める。
そんな折・・藤崎と相対し・・・・
神我とともに神社に来た猫飼。
藤崎たちと接触し、轟たち聖霊を揺さぶる。
「零が頭を目指している。」
この一言で狼毅も頭を目指す決心をし、轟にもそれを支えるべきだと囁く。
しかし猫飼はそれにとどまらず、周りのものすべてを頭になるように勧める。
一方、独自で創世者を探る藤崎。
彼らの目的とは・・・・
轟は零に頭になりたいのか尋ねた。
しかし零はそんなことはないと否定。轟は猫飼が嘘をついたのだと知る。
しかし、狼毅が頭を目指していると知った零は、頭を目指そうかと、心が動く。
同時刻、猫飼と衛は轟に会いに行く。
轟に揺さぶりを再度かけていくと、いきなり苦しみ始めた。
記憶がながれこんできていたのだ。それを機に猫飼はつけ込む。
「轟が頭になればだれも傷つかない。みんな認める。狼毅も零も無傷。だから思い出せ。」
その言葉とともに、轟は暴発した。しっぽが増え九尾と化し、暴れ始めた。
しかし、猫飼は笑った。
「怨霊に堕ちた・・・・。」
猫飼との戦闘の末、意識を失った轟は衛に担がれ、猫飼の家に運ばれ・・・・・・・・
創世者、猫飼、衛の三人の話を覗いていたガイト。
そいつを暗殺しようと衛は切雅を呼び出し、暗殺を命じる。
長い戦闘の末・・・二人の結末とは・・・
ひそかに頭を目指しているガイトの心情とは・・・・
新しく怨霊として目覚める轟。
衛は洗脳を開始し、轟の過去の記憶を消した。
一方猫飼は、白尾と接触する。
そしてまた囁く。
「お前が頭になれ。そうすれば戦える。私がお前の知性にな
る。」
白尾をうまく味方につけた猫飼。そして、轟と相まみえる。
「私はお前を拾った。わが名は夢亜。そしてお前は詠稟。」
しかし、衛の洗脳が不安定だったためか、少しの記憶が残り、混乱する轟。
そこで轟は蜘蛛と出会う。
蜘蛛は轟の異変に気付き興味を示す。
さぁ・・・・本格的に怨霊が動き出した瞬間だった。
蜘蛛とともに轟を追って自分の家に着いた猫飼。
轟との関係を知られてはまずいと焦っていると、狼毅の姿が。
狼毅に蜘蛛を始末させようと試みるも、蜘蛛は家に侵入してしまった。
邪魔ものが増えて轟に影響されると困ると思い、猫化して轟のもとへ先回りをする。
そして狼毅を白尾に始末させようと考えた。
「こいつが狼毅だ・・・存分に腕をふるえ。」
しかし、蜘蛛が轟に影響しすぎたため、急きょ作戦変更。
戦闘を止めに行く。
「二人に怪我がにゃくてよかった。狼毅・・・怨霊でも、敵でも、味方でもずっと友達にゃ・・・!」
零や狼毅、蜘蛛には轟が目を覚ませば迎えに来てほしい。
と言い、やり過ごした。
二人が勝った、三人(蜘蛛 狼毅 零)が帰ったのち猫飼は白尾に笑いかける。
「馬鹿な奴ら・・・友達?まさか・・・私の演技と知性の前に出る者はいない・・・・」
着々と自分のいいように周りを巻き込んでいく猫飼。
はたして、
白尾の存在が猫にとって吉と出るのか凶と出るのか・・・・。
轟の洗脳が失敗したのは、零と狼毅の存在だと知り、「顔に泥を塗った」と衛は激怒。
猫飼の命令も出ていないのに、狼毅を襲撃に行く。
止めに入った轟が言う。
「夢亜様の命令無視よ!」
しかし、衛は猫飼の存在を知らないと言った。
衛は強くなるため他人格を作り、入れ替わっていたのだ。
身を案じた猫飼は衛の話を聞く。
そしてひょんなことから猫飼も他人格を作ることになり・・・・
他人格を手に入れた猫飼。猫飼の他人格とは、今まで偽って演じていた、「にゃ」をつけてしゃべる性格が人格として現れたのであった。
猫化したまま森林で犬養と接触する。犬養は言う。
「聖霊になりたい。」
しかしそこへガイトが・・・・。猫は慌てて逃げるが、ガイトは告げた。
「あの白猫・・・あれは猫飼と同一だ・・・」
猫飼を警戒していた犬養。聖霊になりたいとばれ、焦っていた。
その頃、逃げた猫飼は大海兄弟を湖に案内していた。
大海兄弟はひそかに話す。
「次会ったら、あの猫を喰う・・・」
そんな大海兄弟を知る由もない猫飼。
聖霊へと昇天しようとする犬養を追いかける。
しかし、途中で気付かれてガイト、犬養、猫飼の戦闘に・・。
~~~ ~~~
ガイト、犬養が逃げたのち、猫飼は蛭子と出会う。
月夜が妖しく照らしながら彼女をいっそう濃く照らす。
「私の血をやろう。好きなだけ・・・好きな時に。だから、私達と行動をともにしろ。」
それに乗る蛭子。
猫飼の首に牙をつきたてるさまを、衛は見ていたようで・・また同時刻、乃唖に食べられそうになる轟とマルクス。
一難は去ったものの、油断は出来ぬ状況。
だが、こんな中でも轟は気づく。
「夢亜様の・・血の匂い」
轟は猫飼のところへむかう。
そこで初めて蛭子の存在を知る。
衛にも紹介しようとするのだが、衛はなぜか蛭子を見て不機嫌で・・・・・
ある日、詠稟は蜘蛛達と会話をしていた時のこと・・・ふいに夢亜達のことを親代わりと言った詠稟を蜘蛛達は疑問に思う。
「捨て駒ではないのか・・・」「お前には兄がいたはず・・・どこにいるのだ?」と不安になっていく詠稟と蜘蛛の前に衛が現れる。
詠稟は「私は怨霊?」と不安になるが衛は迷い無く「お前は怨霊の詠稟だ」と告げる。不安が取れない詠稟に対し、蜘蛛は詠稟を神社に連れて行く。
「ここならば何か思い出がある」と。
一方それを追う衛は蜘蛛の兄、守也と戦闘を開始していた。
神社についた詠稟は少しずつ起きる頭痛に違和感を覚えていた。
そのとき、蜘蛛の兄、守也と戦闘していたはずの衛が二人の前に舞い降りる!!
記憶を知りたい詠稟に対し「裏切り・・・」と・・・・
そのまま蜘蛛を殺そうとするがそこに猫飼の仲間の一人 蛭子が来る。
「猫飼のいないときに問題を起こすな」と止める。
一方 その様子を吉城寺達が見ていたとはつゆ知らず・・・。
頭痛が続き不安定になる詠稟の首元に蜘蛛は何かを刻む。
刻んだ瞬間・・・詠稟の脳内に聖霊の時の記憶が駆け巡る。
そして・・・いきなり記憶を見せたため倒れる詠稟。
だが・・・倒れる瞬間確かに言った・・・「兄上・・・聖霊・・・狼穀」と・・・・
それを見た衛は思う・・・「また・・・泥を塗られた・・殺すやつが増えた」と・・・・・
蛭は倒れた詠稟を抱え湖へ・・・そこに蜘蛛が訪れる。
蜘蛛に蛭子は尋ねる「あの術はなんだ?」と、蜘蛛は答える「あれは記憶を呼び覚ます術」と「でも・・・」と蜘蛛は言う・・・
「何回かしないと完全にはならない」と・・・
そこに詠稟がちょうど目覚めて・・・
蜘蛛は詠稟に問う・・・・・・「今のあなたか・・・本当のあなたか・・・」と詠稟は迷いながらも本当の自分を選ぶそうして詠稟にもう一度術をしようとする。
が、それを蛭子が止める。
不思議に思った詠稟は問う「蛭さんは私の記憶を知っている?」
それに対し蛭子は答える「記憶についてはしらないが・・身を大事にしろ」と・・・
だが、詠稟が選んだ道は・・・これだった
「たとえ・・・夢亜様を裏切っても本当の自分がいい」
その答えに蜘蛛は望みどおり術を掛ける
そして・・・蜘蛛の術により「詠稟」だったものから・・・
「狐詠華」が改めて覚醒した・・・・
一方では衛たちと乃唖が戦闘を繰り広げていた
そして誰もいない神社では・・光景を見ていた真紅郎(吉城寺)たちが神社を調べていた。
目覚めた 狐詠華と残っていた蛭子は話を始めた。
怨霊時の記憶が曖昧な狐詠華は蛭子に問う
「お前の知ってる私はなんだ?」と
蛭子は答える「今より聖霊らしい怨霊だった」と
聖霊に戻った狐詠華・・・事情をしる 蛭子・・・・
そして・・・怨霊の際 一緒にいた猫飼達・・・
この関係はどう変わるのか・・・・
胸騒ぎを覚えた猫飼はあわてて草原から戻る。しかしそのまま森林でたおれてしまった。
それを見つけたのは衛であった。衛の言葉から、轟が聖霊に戻ったのだと知る。
「しょうがないこと・・・お前のせいではない。」
そういうものの、轟に怨霊のときの記憶が残っていれば厄介だと、すぐさま行動に出る。
同時刻、真紅郎とバトラーは無謀にも創世区域の扉へ攻撃をしていた。
もちろん怨霊の彼らには反応さえしない。
しかし・・・・轟は二人の前に現れた。
扉の異変に気付いたというわけだ。これこそが轟が完全に聖霊に戻ったことをあらわしていた。
あきらめた真紅郎達を背に神社へ戻る轟。
衛の背で眠ってしまった猫飼の口から洩れた言葉は
「ごめんなさい・・・・死にたかった」というもの・・・。
衛はあえて詮索はしなかったが、猫飼にはなにかある・・・と再確認せざるをえなかった・・・。
神社に戻った轟は、自分の事について知ろうと、蜘蛛の兄弟をよぶ。
それに乃唖も混じり、轟に怨霊のころの事を話す。
洗脳されていたことや、今よりもおさなかったこと。など。
それを知らず、猫飼は猫化のまま変装した衛とともに、轟のところへ向かう。
「猫の私を知っていれば、記憶が残っているだろう・・・」
と。乃唖は警戒するものの、蜘蛛兄弟はそんなそぶりは見せず、轟は頭痛と心の中の交錯する思いを制御していた。
それに気づいた猫飼は森の中で擬人化し、衛、蛭子と合流する。
そして淡い笑みで言う「轟を気絶させて連れて帰る。異論は・・ないな?」
その後、猫飼と相対する轟。久しぶりだと笑う猫飼に轟は、操っていたのだろう・・?という。
だが臆することなく言う
「かごの中の鳥だった・・・お前を拾ってやったのだ」
と・・・。蜘蛛は口をはさんだ。「惑わせるつもりね」
しかし、猫飼は凛として言う。
「こいつを知ってるお前ならわかるだろ?周りを知らなかった轟を」
たしかにそれは紛れもない事実で、怨霊になった轟は、今よりも聖霊らしかった。と告げた。
しかし兄上のためと拒否する轟をもう一度、怨霊に堕落させようとする。しかし、怨霊のときの記憶がないと言った轟に、「なら、もうお前を狙う理由はない」
と背を向けた。猫飼の姿に、怨霊のときの懐かしい感情を重ねる轟。
しかしそれを知る由もない猫飼。
心と心の交錯が繰り広げられる神の世。その刃が混じるとき、この世は混沌と化すのであろうか・・・・
「蜘蛛、お前は怨霊なのに、轟をかばう・・・創世者様にあだなすものとして・・・・・殺す・・・」