表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

期待







「「………」」







なんとも気まずい沈黙が流れる。







(どうやって断ろう)







きっと、緊張してたんだろう。








それも、隣にいる京が見えなくなる程に。








(可哀想に)






栗毛の青年は告白したあとに、京を見て赤い顔を目を見張りながらさらに真っ赤になっていた。







京の席は入口からかなり見えにくい。

きっと周りをよく見ずに2人きりだと思い込んだのだろう。








ちなみに京は何も気にしてないのか、黙々と英語の長文問題を解いている。




だけど、なんだか解くスピードがいつもより遅いのは気のせいだろうか。










こんな時間を過ごさしてしまってさすがの夜美でも申し訳ない。








「んんっと、ありが…」






ありがとう、だけど付き合う気にはなれない。






その言葉の途中で、足音が聞こえてきた。








誰か来たと気づいた栗毛の青年は慌てながら夜美に言い放つ。







「ごめん、返事は来週聞いてもいい?」







「え…別に明日で…」






「明日から来週まで休むことになってるから、ごめん!」







夜美の言葉を遮るようにそれだけいうと、風のように走り去っていった。









(期待させちゃったかな、ヤバイな)







走る栗毛の青年の顔が少しニヤけていたのは見間違いだろうか。







夜美はさっきの言葉の切れ方は不味いなと

思う。








(見間違いであってほしい)









切実にそう願う。








そのことで悶々としながら、夜美はその日の授業を終えた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ