表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

HAHA

作者: nacon

プロローグ


___母性の源は、どこにあるのだろう?




多様性溢れるこの現代の中で

"母であること"に言葉にならないほどの

苦しさと恐ろしさを感じる場面が多くある。



自分のお腹に命を宿すという奇跡、

また、その生命が無事この世に誕生する尊さについては

紛れもなく私の中にも存在している。


その気持ちに相反するように浮き上がってくるコトバ。



「 あぁ、子どもを産まなければ良かった」



思わずそう呟いてしまったことを

誰にも打ち明けられない日々を過ごす中で


苦しさと向き合うと同時に


この想いがどこかの誰かに届いたら良いのに...と、

どこにでもいるような平凡な主婦である私は

拙い文章であることを承知の上ここに残すことにした




秋の空気に包まれた穏やかな光が差し込むこの部屋で_




育児がこんなにも忍耐を強いられるものだと

もう少し早く知っていたかった



私は物心ついた頃から

他人にそこまで興味を持つことも

また興味を持たれることも望まなかった。


干渉されることも大嫌いだし

他人に自分の力を捧げることも大嫌い。



やがて学校生活や社会に出て働きだす頃には

世間的や賃金の対価として

" 気遣いができる "

そんな風に評価されるキャラクターになることは

非常に簡単でもあった




不自由さの極み。


育児を語るにおいてこの言葉が一番に浮かぶ



食べたい時に食べられない

寝たい時に寝られない

見たい時に見ることはできない


奇声を耳元で永遠に聞かされる

意味がない事で泣き続ける



だけど決して。

いかなる理由があっても逃げる事は許されない



一時的に離れることはあっても

この先もう関わる事はなく離れることはできない




もう一度、子供を産む前に戻ったら

私は絶対にその選択はしなかっただろうと確信している


子供のことは愛おしい存在である、


別に手を上げることもなく

食べたいものを食べさせて

欲しいものを与えている。



かわいいと思うこともそれなりにはある。


ただ微笑ましい時間ばかりではないのである



誰に褒められることなく。


子供を育てることは

当たり前だと口を揃えて皆んなは言う



明日、自分がいなくなったら、


もし"母 "ではなく、1人の人間として

誰も自分を知らない場所で新しいスタートを切る。


そうしたら人生思い通りになるだろうか. . .



そんなことを考えながら今日も生きている




そうだ。


私には母性が欠けている。



そう呟きながらゆっくりと歩き出した。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ