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318話
やはりこの二人は友人というより、ライバル。ひとつのものを作り上げるのに、反発していたほうがいいらしい。そんな風にギャスパーは結論づけた。
「それも知ってる。だからこそ、私はキミに話をしてるんだ」
「……? 話の意味が……?」
「どちらかというと、私はキミのほうにより、光るものを感じているんだよ。ま、あんまり強制してもよくないからね。よかったら、って程度だけど」
戸惑うオードにギャスパーは畳み掛ける。言葉は軽く柔らかいが、どこか鋭く尖っている。目の前の少女を貫き、さらにその先。未来のフランスを見る。
なにかモヤモヤとしたものがオードの中で渦巻く。今まで必死に溜め込んでいたが、そろそろ限界が近いのがわかる。
「いや、だから話の意味が——」
「キミだ。キミがショコラを作るんだ、オード・シュヴァリエ。ジェイド・カスターニュという人物は。キミの養分になってもらう」
ライバル、じゃダメなんだ。キミ達は。反発しあいながら、ひとつになってほしいのだから。




