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C × C 【セ・ドゥー】  作者: じゅん
ビートルズ
300/318

300話

 それとは逆に信じるほうのジェイド。ホラー、モキュメンタリー映画も時々観る。


「それはたしかに奇妙だ。しかしもしかしたら、ポール・マッカートニーがなんとなくその名前を覚えていて、ふと浮かんできたのかもしれないね。適当につけたはずが、実際には無意識に選んでいた、とか」


 実際、そういうものはあるらしい、と聞いたことがある。人間は五感でキャッチした情報を、数秒だけ脳内に留める機能がある。それを何度も繰り返すと定着するのだが、一度だけでも一瞬だけでも少なくとも記憶には残る。それがふとした瞬間に。このあたりは詳しくはわからないが。可能性だけ。


 しかしフォーヴの回答は否。


《それに関しては彼は完全に否定しているようだ。まぁ、無意識だとしたらもうわからないが、ともかく奇妙で不思議なんだ。まぁ、それもあってか、毎年夏には教会でビートル・ウィークとしてイベントを行なっているらしい》


 ポールは映画で共演したエリナー・ブロン、そして酒類出荷業者のリグビー&エバンズからなんとなくそれぞれ取ったと言っているのだが、潜在意識に残っていたと思いたいファンも多く、そのミステリアスさも人気の秘密なのかもしれない。さらに曲の歌詞に出てくる『マッケンジー』氏の墓石もすぐ近くにあるため、拍車をかけている。


 とはいえ、これらの名前は特別珍しいというものでもないため、本当のところは誰にもわからない。


「ファンからしたら、二人の始まりの場所で眠っていた人物が囁いた、というほうが神性を引き上げるかもね。ぜひリヴァプールに行くことがあれば行ってみたいよ」


 今のところ行く予定はジェイドにはないが、その妖しさが逆に興味を惹く。ついでにサッカーの観戦もしたい。


 その案にフォーヴも同意する。


《私もまだ行ったことはないんでね。よければ一緒に行こうか。それより、キミが望んでいるのは『エリナー・リグビー』ではないんだろう?》


 本題に戻る。今回ショコラで表現したい曲。映画。

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