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C × C 【セ・ドゥー】  作者: じゅん
ビートルズ
269/317

269話

 元来人間は。ラクをするために進化してきた。歩くのが疲れるから車を。遠くまで手紙を出すと時間がかかるから電話を。そういった、手間を省こうとする時にこそ人は真価を発揮する。一度、ふにゃふにゃとバターのように溶けてみたら、案外解決策も浮かんでくるのかも。


 なんだか。より絵画が体に浸透してくる錯覚に陥るジェイド。しばらく眺めてからポツリ。


「ショコラティエールは夢ですよ。そこは趣味で終わらせるつもりはありません。お引き受けします。私でいいのであれば」


 拒否? ありえない。魚は満腹であっても食べ続ける。そこにエサが垂らされたのなら、ただ食らいつくだけ。死ぬまで食べるだけなんだから。


「ありがとう」


 温かな感謝を示しつつ、ギャスパーはしっかりと芸術というものを楽しんだところで、そろそろお暇することに。一応、やらなければならない仕事もある。忙しい忙しい。早く勇退したい。


 これで。またひとつなにか『理想の自分』に近づけたような。満足感と共にジェイドは聞き返す。


「それで、その『音楽』とは? なんの曲です? クラシック? シャンソン?」


 知っている曲だと嬉しい。香水にするような曲。ということは有名なものであるはず。なんだろう、見当もつかない。


 そうだったそうだった、と言い忘れて帰りそうになっていたギャスパーだが、ひとつ咳払い。


「それはね——」

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