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C × C 【セ・ドゥー】  作者: じゅん
レディー・ガガ
250/317

250話

 思った以上に食いつきがいいが。使うかどうかというのはまた〈ソノラ〉からすれば別。いいものだとベアトリスもわかってはいるが、今すぐに答えは出せない。


「検討はしよう。だがウチはひっそりとやっているだけだ。そこまでメディアに取り上げられるような場所ではない。だったら〈クレ・ドゥ・パラディ〉のほうが多くの目につく」


 ごもっとも。だが、すでに営業はかけた過去があるオード。ゆえにそちらに行くのは足が重い。


「それは……そう、なんだけどね。結局、連絡もないから、地道にやっていくしかない、のかな」


 一気にトーンダウン。冷静に対処されて少し恥ずかしい。


 しかしその発言の一部にベアトリスはピクッと反応。


「地道?」


 なにやら過小評価されているような気がして。まぁ、自分が間接的には細々とやっている、と言ったわけではあるが。


「あ、いや、そういう悪い意味じゃなくて。ごめん。ま、そういうわけだから」


 たしかに言葉選びは悪かったかもしれないとオードも反省。慌てて謝罪し、用も済んだのでお暇することに。早めに退散しないと色々とボロが出てしまいそうな、そんな鋭さを目の前の女性から感じる。


「待て。一緒にどうだ?」


 そそくさと逃げようとする相手を引き止めるベアトリス。別に癇に障った、とかいうわけではない。なんとなく、話し相手が欲しい、そんな気分の時もある。入っているらしいショコラでもつまみながら。


 ちょうどドアノブに手をかけようとしていたところだったが、ゆっくりとオードは踵を返す。


「……いいの? あたしも気にはなってたんだけど」


 ギフト用に作っただけであって、味見などはなにもしていない。今回はどんなものだったのか、というのも軽く聞いただけ。実物はまだ。


 これに驚いたのはベアトリス。どんなものかも知らずに持ってきたと。


「どういうことだ? 食べていないのか?」


 言い方は悪いが運び屋。イーストウッドの映画のよう。だとすると花は好きそうだ。


 指摘はごもっともだが、まぁ、あとでもらってみればいいか、くらいにオードは考えていた。今一緒に御相伴に預かれるのであれば、それはそれでありがたい。


「あたしは本当にカルトナージュ専門だからね。中身までは関わってないのよ。ほら、それをつまみ食いするのもアレじゃない」


 ラッピングなどもしていないため、食べようと思えばここに来るまでに食べれた。が、それをするとショコラに期待してしまっているようで、あいつを認めてしまっているようで頑なに拒むことにしていた。が、誘われたなら別。


 概ね是で話は通る。イスに腰掛けたベアトリスは不敵に相手にも促す。


「なら解説を頼む。説明しなくちゃならないのでな。ま、そっちにでも座ってくれ」


 あとの人達に。話のネタにでもなるだろう。

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