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C × C 【セ・ドゥー】  作者: じゅん
レディー・ガガ
244/317

244話

 それらがわかったところで活かせるかどうかはわからないが、少なくとも入場料金ぶんは、以前より楽しむことができる気がする。その意識だと『マリー・アントワネット』『チャップリン』『オードリー・ヘプバーン』をイメージしたカルトナージュにも、自分の主張が見え隠れしていることに気づく。


 フランスというもののプライド、喜劇王の生涯、大女優の嘘。それらをカルトナージュを媒体に、自分なりに表現すること。主張することは楽しい。見る側が、どんな解釈をしてくれるのか想像するのも楽しい。厚紙に布を貼るだけなのに、こんなにも自由に知ってもらえる。


「そういや、ベルが『クラシックは自己表現』みたいに言ってたっけ。あの時はよく意味がわからなかったけど」


 今なら二〇パーセントくらいはわかるかもしれない。知識があるわけではないから、解説を聞きながら「へー」としか受け取ることはできないかもしれないけど。全ての芸術は繋がっている。いや、芸術だけじゃない。もしかしたら家事とか、散歩とか、動物とか。それらも根っこでは共通点があるのかもしれない。


 そう考えることができるのなら、五感で受け取るものには全て『感動』が詰まっている。それが人の心を動かす。意味がある。ならば、自分が作り出した、この『歪な形』のハートには。曲から受け取った感動を、自分なりに歪曲した解釈を、形を変えて自分を表現している。


「さて。寝るか。ま、気づかせてくれたってことだけは、あいつにも感謝しないとね。人生って面白いわ。たぶん」


 大きく伸びをして住居である三階に向かう。誰に最初に見せようか。ベルか。ベルかなー、やっぱり。もしくは〈ソノラ〉に持っていこう。ついでにアレンジメントの解説をしてもらって、色々な感動を受け取ってみよう。感性を豊かに。聞くだけならタダだし。


 明日以降の予定を詰め込みながら、上機嫌にオードは階段を登った。

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