表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
C × C 【セ・ドゥー】  作者: じゅん
オードリー・ヘプバーン
161/318

161話

 それに押され、よし、と意気込んで立ち上がると、リオネルは一瞬立ちくらみ。数秒要して意識を戻した後、店内を見回した。


「……作中の彼女を表すもの。それとマリリン・モンロー。んでオードリー・ヘプバーン。これだけ素材があれば、簡単だけど作れるね」


 アレンジメントは見えた。花もある。こんなもんかな、とイメトレは完成。じゃあ、やりましょう。


 M.O.F様の発言を理解するのに数秒。要した後、オードの声は高くなる。


「——え、それだけで? もう、思いついたんですか?」


 ちょっと自分にはない感性。フローリストってそういうもんなの? と驚嘆した。


 少女の驚く顔が心地いいのか、したり顔でリオネルは準備に入る。


「この二人は花業界でも有名だからね。ちょっと待ってて、すぐにできるから」


 と、レジ前にある透明なガラスの冷蔵庫、通称キーパーから花を取り出した。ちなみにキーパーはフランスではあまり置いてあるところはない。その内部の隅っこにグラスとシードルの瓶が置いてある。いい感じに冷えているようだ。


 その姿を目で追いながら、オードは伝えられた事実をゆっくり消化していく。


「マリリン・モンローと……オードリー・ヘプバーンが……有名?」


 わからん。別に花とか関係なく有名じゃないだろうか。むしろ、知らない人を探すほうが難しい。マリリン・モンローの『お熱いのがお好き』のポスターは、どの時代に生まれても一度は目にするし、オードリーのサングラス姿も同様。


 テキパキと道具を揃え、テーブルに置くリオネル。その下では相変わらず猫が欠伸をして、オードに懐いている模様。


「使うものはフローラルフォームというスポンジ。それとブルーレースフラワー、フェンネル、オルレア。どこか穏やかな田舎の散歩道、って感じするでしょ? フラワーアレンジメントっていうと赤とかピンクとか、そういうカラフルなものも目を引くけど、緑の使い方が重要だね。これがないとバランスがよくない。あえて崩すのもあるけど」


 広げた花々は、白と緑と薄青の、言ってしまえば『優しいけど少し地味』な色合い。だがどこかオードには安らかで、落ち着く色合いでもある。


「田舎……たしかにホリーはテキサスの田舎出身でしたけど」


 映画とも絡めてみる。でもテキサスって砂漠にサボテン、カウボーイというイメージがないでもない。こんな花もまぁ、探せば全然あるんだろうけど。なにを伝えたい?


 そのうちのひとつ、白いレースを編んだような繊細な花を手に取るリオネル。


「それに、このオルレアという花はホワイトレースとも言われていてね。手芸をやっているから知っていると思うけど——」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ