見逃し 誤字
私は記事を書く仕事をしている。
そんな仕事で、やっかいなのが誤字の存在。
記事を執筆している時、それは呼んでもないのによく出てくるから。
きちんと確認しないで出すと、読みにくいと言われてしまうから、しっかりと見つけて正しい字になおさなければならないのよね。
見逃してしまうといけないから、執筆した文章に何度も目を通すんだけれど。
けれど毎回、気が付いていない誤字があるのよ。
編集長に指摘されてから初めて気づくものがある。
文章を書くのは好きな方だったけれど。
この仕事に向いていないのかしら。
「きあじあがあであきあまあしあたあ。かあくあにあんあをあおあねあがあいあしあまあすあ」
おっと、つい母星の喋り方で言ってしまった。
「すみません、つい故郷のなまりが。きじができました。かくにんをおねがいします」
「おう、ってまた「あ」が文章の中にまぎれこんでるぞ。しっかりしろよな」
気を抜くとついなれた言葉を使ってしまうから、難しいのよね。
私は宇宙船の中にある宇宙新聞部の一室、自分に用意されたデスクに着席してため息をついた。