第0話 勇者が日本を離れる話
俺、鈴木悠斗は、宮城県内の名門高校に通っている。中学生までは成績が良かったのだが、高校に入学し、親にパソコンを買ってもらってからネトゲにハマり、四六時中やっていると言っても過言ではない程のプレイ時間である。夜は四時までやり、それからベッドに潜り込み、寝る。だが寝たかと思えば学校に行くために親に叩き起こされる。それがなかなか起きられないので、何度親に文句を言われたかわからない。そんな睡眠不足な俺は、学校の机に突っ伏し、絶賛居眠り中である。
「ぐー」
「おい」
「すぴー」
「起きろ」
「ぐー」
「おい!」
「す……はっ!?殺気!?」
俺がはね起きると、その0.1秒後、俺がいた空間を、高速で拳が通り過ぎた。誰だ!?と思い、顔を上げると、そこには激おこぷんぷん丸ないかつい顔をした、男性教師がいた。この教師は保健体育を担当していて、筋骨隆々で、腕は丸太のようである。こんな豪腕の拳を一発でも食らったらお陀仏だ。もし食らってたら……と考えると、冷や汗が止まらなかった。
「何をするんだゴリ……佐藤先生!俺は先生の話がつまんないし見てらんないし眠いから寝てるだけじゃないですか!」
「おまえな……いい加減俺の授業をしっかり受け……今ゴリラって言おうとしなかったか?」
「……」
「……」
「ダッ(駆け出す音)」
「待ちやがれェェェェ!」
驚いてこちらを見ている生徒たちを無視し、机と机の間を駆け抜け、黒板の前で開け放たれているドアから飛び出し、廊下をまっすぐに突っ走る。俺は一応クラスで最速の50メートル走7秒を誇るが、相手は保健体育の教師。6.5秒のバケモノである。背中越しに振り返ると、奴はすぐ後ろまで迫って来ていた。奴に勝てる事は、体の軽さ。これを活かし、身を屈めて奴の腕の下を通り抜け、そのまま奴と反対方向に走れば、勝機はある…!
「はぁぁっ!」
「なにィッ!?」
奴はたたらを踏みよろめいた。振り返り、じゃあな!と叫ぼうとしたところで、気がついた。奴の体が光っている。そして、自分の体も光っていた。なんだ?と気を取られていると、俺の足がもつれた。来たる転倒の衝撃に、思わず目を瞑った。だが、いつまで経ってもその衝撃が来ない。その代わりに俺を襲ったのは、落下の感覚だった。目を開け、下を見ても地面は見えてこない。一生このままかもしれないという恐怖に俺の頭は混乱し、パニックになった。数分後、極度の恐怖に俺の意識は落ちた。
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