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1話

ピーナッツがよく歯に挟まるのが私は嫌いだ。

砕かれて広がる油を含む何か表現しがたい味も、多少感じる塩気と甘味。

ねっとりとした風味に嫌になる。


私は今裁判中、刑事裁判の最中。

一審は求刑が禁固2年4ヶ月。

私はそれを不服とし二審をしている。

証拠は意味を持たないと裁判で私は知った。

裁判員制度が入った為なのだろうか、証拠より私の人間性を疑われる。

ニュースで映される私はすでに悪女で、きっとこの裁判が無罪だろうと

私は社会に馴染めないだろうと心なしかわかっていた。

外から入って来るだろう報道は常に人を変えて、

つねに曇った目でしか私を見つめない私は何もしていない。


ただそれすら、誰も証明などできないだろう。

私はただあの裁判官達への偏見の為だけに今を生きているとだけ断言する。


私は4月14日、2才の息子を死なせた。

口に羽を詰まらせた私の息子は目の前で羽を口から吹き出した。

少し夏が来たような太陽日が強く照る日だった。

正午を過ぎ、日差しは強く心を怠けさせた。

私はベランダにでて布団を干し、枕をすぐ後ろの部屋に転がしておいたのだ。

布団を叩くと細かい埃と、ちくりとした羽毛が布団のよく編まれただろう

生地から顔を覗かせていた。

なんの変化もなくただぼやけた日常の日々だった。

部屋の壁に掲げられた時計が2時を針が刺そうする時、私の後から

ぼほ、ぼほとぼやけた、鈍い篭ったような音が響いた。

私は何かお湯でも沸かしていただろうかと緩やかに後を振り返った。

天使の羽が舞うように、辺りは羽毛の海になり

雪の降り始めのように白くのこる羽が周りを囲んでいた。

枕は胸から裂けきり、

だらし無く綿を周りに吹き出していた。

そして私の息子、海渡(カイト)の口からはふわりふわりと羽達が舞い降りた。

夢とはこの事だろうかと私は思った。

口から羽を吐くなんてありえないからだ。

口に詰まったのだろうと頭のどこかで分かると私の脚ら緩やかに震え始めた。


口に羽毛が詰まった事はわかっていたのに、体はただ竦み上がり、

足を留めさせた。

何を考えればいいのかわからなかった。

やっとすくむ足でぼほ、と詰まるような沸き上がる音を出す海渡に近づいた。

海渡に触ると瞬間私の足は自由になり、すぐに洗面所に行き

息子の口から美しい羽達をかき出した。

ぼほ、ぼほとする音が徐々に、

ゲボゲホという、詰まったものが湧き出る鋭く響く音に変わった

喉の奥には羽、羽、羽、羽がとってもとめどなく溢れた。彼が咳を続けていつまで時間がたったのか、わからなかった。

咳が止まらず、 なのに息は薄くなっていくようだった。

電話をとり、119を押し。鳴り響くコールに怯えた。

声が上擦り、何を口走ったのかわからない。

電話の向こうでは事務的な声が響いている。

早くと願うのに、うまくしゃべる事が出来ない。電話がぶつりと切れると私は海渡の口から羽をだし続けた。


咳は弱くなり続け、

遠くからサイレンのようなキツイ音がこだまし私は玄関で海渡を抱きしめたまま、弱くなる柔らかな手を触り続けた。

玄関が開き海渡を乗せる為に救急隊員が担架を持ちやってきた。

海渡の息は私にはわからなかった。

私の温度を感じる器官は壊れたようで、海渡が高熱をだしているようにしか私には感じなかった。

海渡が下の階まで運ばれ、

私はただ運ばれた救急車の中で海渡の手を触り続け、怖くてしかたなかった。

連絡をどこかにする救急隊員が見えた。そんな時間など要らないだろうに、

なぜ早く動かないのだろうかと私はひどく胸が炎で焼けるように痛んだ。

処置をするにしても何もかも遅いように、私の目の前ですべてがスローモーションのようだった。


何もかもがひどく遅く、私は感情が出せずに、立ちすくんでいる。

少し目を動かすと、車両の周りに人が集まっているのがわかった。

野次馬ばかりで私の息子を助けてくれるだろう人間は誰一人存在しえないことが私には漠然と理解できた。


海渡のゲボゲボという咳は弱まり、

風が突き抜けるようなか細いリコーダーがうまくふけないような音に変わっていた。

やっと車両が動き出しているのに、病院の近くにいくのに、

けして車両は入ることができないでぐるぐると回り続けた。

目の前の病院を過ぎ、別の病院に入ることができたときは、

周りは赤々とした夕日がひどく私の心を灰にした。


海渡の呼吸はリコーダーの笛よりも弱まり、口が開いたまま湿りきった羽毛だけがのどの奥からまた出てくるだけだった。

羽毛は湿って、いつまでも息子の粘膜に張り付き続けた。

私は、なんと誰かに話していたのかすら覚えていない。

ただ、海渡の口から出る羽が、天使ではなく悪魔のものであろうことだけは私にも理解できていた。

日が暮れだして、訪れてほしくもない夜がやってきたときには、

海渡は笛の音も聞こえず、ただ口を少し空けたままだった。

私の指はそのときにもやはり酷く震えていて、温度がわからなかった。

医師、看護師が遺体を見せてくれた時に私は言ってた。


「まだ、暖かいじゃないですか」


一瞬、空気は張り詰め、止まり。


「お子さんはなくなりました。」

その言葉だけが耳に入って私をかき混ぜた。

何度触っても今日の昼には私の後ろでおもちゃで遊んでいた息子で、

それが他人だったらよかったと何度も何度も思った。

そして私のはどうしても彼の体温が冷たいと感じられず、何度も何度も顔を頬をなで、

熱いじゃないですか、暖かいじゃないですか、そうひたすらつぶやいていた。

あまり家にいても役に立ちもしない夫が私の肩を揺さぶり、夫が来たことをそのとき初めて知った。

今更ではないだろうか、私はひたすら海渡の顔をなでて、暖かいじゃないですか。

そうただ、堰を切ったようにいい続けた。

私はまだ彼が死んだのであろう事を理解できなかった。


翌日から、私のマンションには警察が来て写真を撮っていた。

私は、その後警察署に行かされた。

少し大きい警察署は私が時々、免許の更新に行くだけのよく知る警察署だった。


寂れたねずみ色の机があり、服がだれた警察官に聞かれたことは

私のその日の1日だった、私はゆっくり話した。

朝は夫を送って、昼になる前に布団を干そうと思って布団を全部だして干していたこと。

変な音がして振り向くと枕の中身が散乱していた事、海渡の口から羽毛を掻きだした事。

救急車を呼んで何度も病院を断られたこと。

それを何度も私は繰り返し繰り返し録音機のように話し続けた。

最後に警官は言った


「お子さんを殺したんじゃないですか」


何を言っているのだろうかと、私は理解ができなかった。

私は、何を言っているのかと問いかけると。

ここは禁煙だろうに、タバコに火を着けて吸う目の前の汚れた警察は少し疲れた様子でまた同じ事を言うだけだった。


「お子さん殺したんでしょう?」


何を言っているのだろうかと私は、周りにいる警察をもう一度見渡した。

誰も何も答えず、ぼやけた目をしたままだった。

ただ、私の言葉を書き留めるだけの警察がいるだけで、ここは単なる密室でしかなかった。

「かっとなって、最近育児に疲れていたんでしょう?」

私は首をただ振っているだけだった。

「枕なんて2歳の子供が切れるわけないですよね、それも羽毛が口に詰まってたんですよ

わかりますか?羽毛なんて子供が自分で口に入れるわけがないですよ

もし枕を破いていたならすぐお母さんなんですからわかりますよね。」


何度も同じ事を言われて、そんなはずありませんと言い切った。

海渡にどうしたら私はそんなことができるのだろうか。

一旦取り調べが終わると警察はこちらも仕事なので、皆さんに聞かなければならないんですよ

すいません。

そう作りきった笑顔で私に笑って見せた。

私の心は今にも破裂して、あの羽を吐き出しそうだった。



私は疑われているだろうとわかった。


そのまま警察に送られて、今まで私と家族が暮らしてきたあのアパートの一室に入った。

指紋をとったらしく、粉が残っていて海渡が羽毛を詰まらせた、部屋にはまだ立ち入り禁止の線が張られているままだった。

夫は私を見て、そのまま手をあげた。

「お前がしっかりしていれば海渡はしななかったんだ、お前のせいだ」

そういわれた。

私はそのまま痛む顔を触り、やっと涙を流した。

海渡が死んだのだろうということを少し理解しはじめた。

次の日になっても、海渡は私の元へ帰ってくることはなかった。

私はまた警察に行かされ、同じを事ただひたすらしゃべり、

警官は少し口調をきつくしながら自白を望んでいた。


その日から1週間、私は警察で同じ会話をし、夫は私を見るたびにひたすら責め続けた。

ただ、その日常に海渡は戻ってこず、ママと呼ぶ声もないまま、死体さえ私の元には戻ってきてはくれなかったのだ。

海渡は、本当に死んだのだろうか、あれは夢だったのではないだろうか。

これは悪夢ではないのか。何度も何度も考え私の影から湧き出るような闇が私の足から浸透し絶望に変わった。、胸が痛み焼け爛れ、膨れ上がり涙が出た。

そして一週間目の日、私は警察に逮捕された。

容疑は虐待と殺人。


私の人格と証言は踏みにじられた。

それだけが私のすべてだったかのように、また同じ警察の言葉

そして、海渡の遺体の写真を見せられ涙が出た。

私は何度も何度も同じ日常を繰り返していただけなのに、何故海渡は死んだのだろう。

運が悪かったと言われる事ももうないのだろう。

これからの私は虐待をし、口に羽毛をつめこんで死なせた、鬼婆にもう世の中は塗り替えてしまっているだろうと思えた。

きっとあながちそれは間違いではないのだ。

留置所という場所に入ったが、小さな窓に、ドアがあり、ドアには細長い小窓がついているだけで、きっと刑務所という場所と大差はないのだろうと私は思った。

何もすることもなく、もし外に出るとしたらまたあの取調べ室に行くだけで

ひたすら私が殺したのだろう、どう殺したのか、どう手で抑えたのか。

証拠ではこうなっている、あの枕を裂いて口に羽毛を詰めたのだろう。

それをひたすら言われ続けた。


ただ言われるたびに涙が出た。

私は海渡を殺したのではないかとさえ思えるほどに。

いやきっと私が見ていたら海渡はしななかったのだろう。

そう思うとまた胸が焼けていき涙がこぼれた。


そしてただ日にちは同じ問答で終わり、海渡のことを考え終わっていった。

私はどんどん頭がおかしくなっていく手前だったのだろう。

私に初めて弁護士がついた。

誰がよこしたのか私にはわからない。

ただ刑事裁判に必要だったのだろう、そのためだけに弁護士が私にやってきた。

きっと今頃ニュースでは私が海渡の虐待をしていたのだろうというニュースがあふれかえっているだろう。

涙がでる焼け方ではなく、胸が絶望のように痛み、足元の闇が青白い炎に変わり私は人の憎む事を知った。

はじめまして、そういった男は辛かったでしょう。私たちが力になります

そういうだけだった。

それでも、この檻の中で私には彼らにしかすがることができなかった。


そして私は、ただその日の日常を話した。

虐待をしていないことも何度も話し、母子手帳のことも言った。

弁護士は日にちを明けて何度も訪れ、

もし虐待と判定が出た場合の事として、夫との関係や、私の肉親関係、友人関係を何度も聞いた。

証拠品となる物は何でもうちから取ってきてくださいと私は告げた。

そして同時に夫からの離婚届も私に届いたのだった。

悲しくはなかった。ただ彼を酷く憎いと感じるだけだった。

私はその離婚届けを手渡されたペンで書きそれをまた弁護士に渡すだけだったのだ。

6月19日に初公判が決まった。


警官側の言葉はまるで嘘を言うだけだった。

「被告は、海渡ちゃん2歳4ヶ月が普段から食べるのが遅い、

泣き声が夜までやまない等の愚痴を近隣住民に漏らしていた。

また時折怒る声がアパートから聞こえ、日常的に虐待をしていた事をうかがわせます。」


その後も警察側はひたすら嘘を吐き続けた。

「2歳児が、枕を破き、さらにそれを口に入れ窒息する事は到底考えられず、容疑者である被告が、海渡ちゃんに腹を立て目の前にあった枕で海渡ちゃんを窒息させたと考えられます。」


それを聞いた弁護士が、異議を申し立て私側の意見を言い続けた。

普通の母親なら息子の発育の心配をするだろうこと、もし殺すのであれば、何故枕をわざわざ裂き羽毛を詰めたのか。

私は聞いていて思った、きっと私は敗訴するだろうことを。


解剖医の証言では、日常での虐待の痕跡は体には一切なく、

また虐待された子供にみられる胸部の萎縮もなく、普通の子供となんら変わりない。

逆に、胸部は一回り大きくなっている事から見て、愛情があったと考えられます。

そう医師は言ってくれた。

それだけが私を救ってくれたのだった。

私はまた涙がこぼれ、ありがとうと医師につぶやいた。

それでも、検察側の質問は変わりなく、普段の主婦生活に疲れての犯行だと思われる。そういう言葉が常にあふれていった。

傍聴席からの視線は常に好奇心に満ちた視線だけだった。

私は丸で動物園に生きるサルや獣なのだろう。

面白半分で見に行き、気持ち悪かった、かわいくないと言い捨てて歩いていかれる動物のようなものなのだろう。

海渡が居た時にいった動物園のように。

海渡は、カバを見て気持ち悪いと何度も何度もぐずった事を私は思い出した。

私はそのカバのようにでもなったのだろうか。

裁判官が最後に、静粛にと言い放った。

漠然といわれることはわかっていたのだ。

きっと私は有罪になるだろうことを静かに。


「被告、川上千佳を有罪とし禁固2年4ヶ月とする。被告は普段から育児や家庭に追われ日ごろの鬱憤がたまっていたと思われる。

海渡ちゃんが泣いたことに腹を立てかっとなって

目の前にあった枕によって死なせる行為があったものとする。

しかし被告は即海渡ちゃんの為に救急車をよび、口に詰めた羽毛を取り除く行為があり、

検視の結果から慢性的な虐待もなく、かっとなった突発的な犯行として考えられる。

しかし、普段から海渡ちゃんを愛情を持って接している姿を見られており

被告自身の愛情を持って接していたと考えられる。よって禁固2年4ヶ月を求刑する。」

その長い言葉で私の生きてきた人生が否定され終わった瞬間だった。

そこから、求刑を終えた私は刑務所に移される。

誰が私に面会に来るのか、それは弁護士ぐらいのものだろう。

親だって私がこんな犯罪者になってしまって恥ずかしく、肩身が狭くもうこないだろう。

もう、会うこともないかもしれない。

私はどこに出しても恥ずかしい娘なのだ。

それは昔から母や父が言っていたどこに出しても恥ずかしくない娘にするのが私たちの使命だという言葉の逆を意味することになったのだ。

使命は崩れて、私は人殺しになっているのだろう。

私はさようならと心の中で願った。


禁固刑になった私は部屋の中で小さな窓がある場所をかろうじて見ていた。

毎日がただ小さな部屋で早くに起床し、早く寝かせられるだけの生活。

私の名前は49番のようだ、そう私は人ではなく番号で呼ばれるだけのトランプのようだ。

何もすることがない日々、そして時々来る弁護人。

そのときだけ私は名前を呼ばれる、それすら本当の名前で、彼は私を本当に救おう等と考えてはいないのかもしれないと思い続ける。

ただ、小さな小部屋が蒸し暑く、そして配膳される食事を黙々と食べ、1日が終わる。

趣味も、楽しみもなく。私の子供を死なせた罪が音のある静寂によってあがなわれるようだ。

頭がひどくなまっていることがゆっくりとわかった。

それでも私は子供を殺していない、そんなことを信じる人間はこの世の中にいないことを私はよく知っていじゃないかと何度も私自身に言い続けた。

うわさと同じことだ、罪が問題なんじゃないうわさが重要なだけなのだ。

人なんてそんなものだ。

ただ、悔しい、憎いと思う心だけが私の心を満たしている。

ただ、ひどく水ぶくれが破れて、ぐちゃぐちゃになっている皮膚のように。

何を憎んでいるのかわからない劣等感や憎しみが私を水ぶくれを破って出てきたリンパ液のようにあふれ出ているだけなのだ。

裁判の二審を行うと私が言ったとき、弁護士は二審を行えば刑務所暮らしがながくなりますよ。

そう、裁判をまた起こすということは刑務所にい続けると同じなのだ。

それがどうしたのだろう、私はもう先にも後にもないのだ。

この裁判は最高裁判までもつれて敗訴しようが私にはもう何も残っていないのだ。

もう家庭など戻ってこないし、公表された名前で私が犯罪者であることはTVだけじゃなくてネットにも残り続けている。

それで仕事がなくなってしまうことだってあるのだろう。

もう、私が平凡に暮らしていた場所にだって戻れないだろうし、友人にも会うことはないだろう。

残されたのはそれだけなのだ。

ただ私は執念のように生きているといえるのだろう。

私に罪があるのなら今すぐ即刻死刑にしてほしい。

もう、海渡は帰ってこない。うまくしゃべれないあの声で呼んでくれはしないのだから。

一緒に歩くこともできない。成長した姿を見れることもない。

私は無罪を主張し続ける。

それは私は罪を犯していないだからだけじゃない、私はあの子の母親なのだ。

それだけのこと。それだけの事が私にはとても重要で大切なことなのだ。

私は、海渡のお墓もしらない。

どこにあの子が埋葬されたかさえ、誰にも教えてもらえないままきっと私は求刑を終えてしまうのだろう。

弁護士に1度海渡はどこに居ますかと聞いたことがあった。その意味なんてたいした事はないのだ。たいしたことはない。

それでも弁護士はひどく気の毒そうな顔をして、近くで見守ってくれています。それだけ気の毒そうにいった。

そんな言葉は不必要なのに。

そして海渡は、集団墓地に居ると聞いた、身寄りがないという形で集団墓地に、身寄りがない老人と同じ墓にはいっているそうだ。

海渡も私と同じ1人ぼっちなのだう。

なぜ誰も彼を引き取ってくれないのだろうか。

夫はどうしたのだろう、母や父はどうしたのだろう、なぜ誰も同じ墓にいれないのだろうか。

私の子供だからなのだろうか、死んだのは海渡なのに、犯罪者の子供は一緒の墓にも入れたくはないのだろうか。

私はまた憎いとただつぶやいた。

この憎しみは油の中につかるように、ひどく滑ってそれでも水では落ちる事を許さないほど、私に絡み付いている。

ひどく、それをつぶやいた部屋は明るく熱かった、きっと外は暑い日ざしの日なのだろう。

そっと部屋についているガラスを見た。


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