プロローグ
Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo?
ロミオ、ロミオ!あなたはどうしてロミオなの?
世紀の悲恋物語、ロミオとジュリエット。障害があればあるほど、愛は強く燃え上がる。けれども、どうしたって乗り越えられない障害はその愛の大炎上さえも消し去ってしまうのである。
どんなに望んでも手に入らない幸せ・・・私にはジュリエットの気持ちがとてもよくわかる。
ふと気がつけば、私は「二次元の男性」にしか興味がなくなっていた。
私の名前は愛。中村 愛。平日ならばオフィスでパソコンとにらめっこするいわゆるフツーのOLだ。月一で発売されるOL向けのファッション雑誌も読むし、ランチのお店選びにも余念がない。ふわっふわの巻き髪茶髪に流行のデカ目メイク、首元をきらりと飾るシルバーアクセ…時折上司から「今時の若い子は…」なんて言われるどこにだっている普通のOLさん。もちろん、今まで何人かの彼氏とつきあったこともある。…今はいないけど。。。
周りの同僚たちは最近しきりに「婚活」なんて言っているし、結婚式の招待状も増えてきたお年頃。だけど私は…どんな男の人にもときめかない。オフィス内、いや会社で一番人気の木村先輩だって、素敵だとは思うけど 付き合いたいとか、ましてや結婚したいだなんて思わない。
だって私…
三次元の男性は汚れていると思うの!