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二日目の夜




家の中に入ると、そこはある程度綺麗にされているしっかりとした家。生活感は薄いがまだ少し感じられる。ログハウスなんかの縮小版として想像してもらう方がいいかもしれない。


「さて……森に潜ったわけだが、何か気になった点はないか?アルタ」

『イエスマスター。現在のマスターには探知の範囲が圧倒的に足りません。これでは超遠距離の攻撃を仕掛けてこられた場合に一撃です。改善策といたしましては、魔眼の方に強化を施し、魔力探知等の範囲をより拡大させるべきです。それにマスターが見えるという事は、私にも見えるという事。不意を突かれる可能性は大きく減るでしょう』

「一理ある。確かに今のままじゃ俺の魔眼で見える範囲内になってしまうし、障害物等に邪魔をされる可能性もあるかもしれない」

『そのことなのですがマスター。構成要素等の保存や保管等の管理全てを私の方で代行してもよろしいでしょうか。現在マスターは魔力の消費を抑えるためにスキル創造を行わない事は理解しているつもりです。ですがこれからはご自身の強化のために使われることでしょう。ですのでマスター。構成要素等の管理や、他には創造の際のサポートを行うための措置なのですがいかがいたしましょうか?』

「―――ああ、構わない。これから俺が想像して分解してできる構成要素は百や千はあるだろう。それら全てを把握するのは不可能。ならばアルタに頼むのは当然だ。頼むぞアルタ。これが俺の生命線といっても過言ではないからな」

『イエス。全てはマスターのお望みのままに』


そう。現在何かあった際にという用心で魔力の過度な消費を嫌っていたのだ。そのため秋はスキル創造を使わないという判断をしていたのだが、ある程度泊まれる拠点やこの辺りの地域の把握等が済んだため、これからは少しづつにはなると思うのだが使っていくという判断をするのも時間の問題。或多はこの問題点を使っていく前に直していきたいと思っていたのである。


「それじゃあさっそく『真血の魔眼』の強化をしていこうか」

『イエス。ですがマスターから管理の顕現を譲っていただいた事で、ある程度の改造等はこちらでできます。今回のケースも私一人で創造できる範囲だと思われます』

「…お前、案外凄いのな」

『イエス。或多アルタというスキルの在りどころはマスターの魂。故に偽物で合ってもありどころが同じなのである程度この神の如きスキルを行使できるという事です。それに私のスキルの能力はマスターのスキルもを扱え、マスターとの視点や感覚までをも共有していますが故。そういったことが出来るのでございます。理解しましたか?マスター』

「ああ、なんとなくはな。じゃあ創造はお前出来るのか?」

『いいえ。あのスキルで私が出来る事は変更や改造のみ、新しいスキルを創造は出来ません。これは偽物の私ではできないこと。それに改造出来るといっても私にはおおよそ一割五分から二割五分程度の改造の権限しか与えられておりません。今回のケースはその改造の割合の範囲内で済ませられるものになりますので、私にお任せください。マスターがご就寝の間に事を終わらせられます』

「ああ、或多がそういうんならそうなんだろうな」


秋にとって或多はスキルであり、その行動や言動がスキルの能力を遥かに超えたオーバースペックであったとしても、秋は或多の事を信用している。それは魂でつながっている或多の行動原理が全て等しく主と慕う仲岡秋の利益になることだと理解しているからなのだ。


『明日はどのようなご予定で?マスター』

「ああ、明日は迷宮攻略だ。最短ルートで森を突っ切って、時間の許す限り攻略するぞ。それと早朝には出発する。どうやらこの村…というかこの世界での一般常識として、日が出る前には起きて日が昇る時間には仕事や作業を開始するみたいだからな。俺もそれに習う事にするよ。この村に魔物を置いて捌いてもらいつつ、あとは一応この村を守る防衛設備を考えてある。それをちゃちゃっと作っていくぞ」

『了解しましたマスター。それではおやすみなさい』

「ああ、おやすみだ」


こうして秋は村の家を借りる事に成功し、そして二日目の異世界生活ではベッドに潜り就寝する事が出来た。







「ぁあああ……。おはよう」

『おはようございますマスター。現在日が出て少し経った所です。村人たちはたいていは起きて作業を開始しております。現代の時間でいうと午前5時前後でしょうか?』

「ああ、やっぱりそう簡単になれるもんじゃない。じゃあまあ行こうか」

『その前に、魔眼の方の改良が終わっております。ご覧ください』


こうして目の前に透明な板が出現する。秋はそれをじっくりと見つめる。



==========


真血の極眼

赤く染まりすぎた魔眼の成れの果て、ではなく。赤も黒も内包した新しい究極の魔眼。そこには黒という淀みすら喰らい赤として在り続ける極限の力が込められている。


・真血の魔眼

万里を見通し、物体を通りぬけ、未知の力を感じる事の出来る眼。基本的な魔眼としての能力を多方面から受け継いでいる真の魔眼。


・王魔眼

自分を中心に半径30mの範囲の全てを観測する事の出来る能力。障害物等一切を無視して相手の魔力などを確認する事が出来る。だが詳細な状態や状況などは確認することはできない。あくまでも魔力の様子と漠然とした情報のみを伝えることができる。


・叡智の眼

“見たいものを見る事が出来る”能力。発動条件としては必ず確固たるイメージを常に思い浮かべ、その目に一定量の魔力を流し込むと発動する。だがその際目に全意識を向けておかないとならないため、体を動かしながら、などの作業は不可能。そして高確率で気絶などの効果がかかってしまう。発動にはある程度のリスクがかかる。


・時空の眼

魔力を注ぎ込む事で発動する。魔力が一定量注ぎ込まれている間のみ、2~5秒間後の未来を知ることができる。ただし魔力消費は多く、発動には注意が必要。


==========


「おお…またこれは凄い物を」

『お褒め頂き光栄ですマスター。この『王魔眼』を使う際には任意ですが、基本的には危険時と戦闘時等は私の方でも操作が可能ですのでご安心ください』

「ああ、了解した。それじゃ行こうか」

『イエス、マスター』


こうして秋は予めゼウスのとの際に用意している『黒翼のコート』等一式を着替えなおして外へと出た。







「おお旅人殿!おはようございます!」

「ああおはよう。俺も用事があるから手短に頼む」

「はい。魔物の件ですが、解体の場所が決まったのでそこで出していただいてもよろしいですか?」

「ああ、了解した」


こうして秋は村長に連れられ解体場所へと向かい、『空間の異箱』に収納されていた四足歩行の魔物を取り出すと、村長に一言告げてから村を後にした。その前に


「おおっと。これぐらいはしといてやらないとな」


こうして秋が創造したのは5本の白い魔剣。そしてそれを空中に投げると、村を囲むように魔剣が飛んでそして地面に突き刺さる。お互いの魔剣はお互いを呼ぶように共鳴し、そしていつの間にか村人にも気づかない程に透明な結界が張られていった。


この魔剣は5本で一セット。名付けるとするならそう『極白の五芒剣』


五本がお互いを囲むように結界を貼り、そして“村を守る”という主の命にのみ動かされる剣。純白の剣はどんどんとお互いを隠していき、そして五本はやがて刺された場所にカムフラージュする様に白色から透明になる。これで村人にバレる心配はない。


そして何かあったとしても結界が機能し、結界が破られるようなことがあれば五本の剣がその者を撃退しに現れるという魔剣。それが『極白の五芒剣』だ。


「さて、野暮用は終わった。もう行くか、アルタ。道は覚えているんだろ?魔物は無視して最短コースで突っ切るぞ!」

『イエス。了解しました』


こうして秋は僅か20分で、その迷宮まで到着した。




お読みいただきありがとうございます。

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