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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第2編 第二章ニライカナイ
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第94 目覚めの時

雷龍が消えた所で辺りは一瞬で暗くなった

賭は消える雷龍を見ながらいつの間にか小指を出していたことに気づく


「おじ・・ちゃん」


涙が溢れて止まらなかった

自分が油断していたからおじちゃんは倒れた

ネクタルの術がかかっていたとはいえ大好きだったおじちゃんいや雷龍を忘れ

そして少しだけど敵対したそれが自分の中で悔しかった

でもそれ以上に涙が出てきたのは雷龍が約束を守って自分達三人の前に現れてくれたことだ

とても嬉しくてたまらなかった

また戻ってきてくれたそれだけで本当に嬉しかった

涙を流しながら地面に伏せていると


「ちゃんと見れたかい??」


涙を拭い振り返るとそこは記憶を見る前に居た闘技場で男が立っていた

男はこちらを見ながら手を差し出す


「過去の自分の失敗を受け入れられるかい??」


男がそう問いかけると賭は手を見て少し考えそして男の手を取る


「あぁ・・受け止める・・そして前に進む」


賭は立ち上がり男に真剣な眼差しを見せる

男はその目を見て嬉しそうにニッコリと笑い


「その目をしていれば大丈夫か・・じゃあそろそろ行こうか」


そう言って男は指をパチンと鳴らす

すると賭の周りを光が包み始める


「ありがとう・・僕の為にいろいろしてくれてお前が居なかったらきっと僕は・・」


その先を言おうと賭がすると男が人差し指で止めた


「おっとその先を言っちまったらまたお前の心がブレちまう、それに俺はお前の為にやったわけじゃない俺自身の為にやったんだだからしっかりやってこい!」


そう言って男は光の外に出る

賭は慌てて男を掴もうとするが光にはじかれた

賭は弾かれた手をギュッと握りしめ男を見る


「そういえばお前の名前聞いてなかったよかったら最後に教えてくれないか?」


賭がそう言うと男はニッコリ笑いながら


「なぁに俺には名乗るようなしっかりとした名前はないっすよ、ほらみんなが待っているぞいってこい」


そう言われこれ以上聞いてもきっとこれ以上聞いても教えてもらえないと悟りゆっくり握っていた拳の親指を立てて


「行ってくる!!!」


力ずよく伝えると光が強くなり賭の姿は消えた

男は賭が居なくなったのを確認し踵を返し歩き出す

すると男の身体が徐々に光の粒子になり始めた


「あぁ・・だよなそうなると思っていた・・過去は本当は変えちゃいけないもんな」


消えゆく右手を見て天に拳を握りしめかざし大きな声で叫ぶ


「行け!!どこまでも!!!そして新しい歴史を作ってくれ!!!」


拳を下ろし男はニッコリと笑い


「おじちゃんにもよろしくな・・・俺」


そう呟いて光の粒子になって男の姿は消えてなくなった














目を覚ますとそこは見知らぬ天井だった

自分の身体を確認するとどうやらベッドの上らしい

横を見るとそこにはシルフが椅子に座りながら眠っていた

賭はゆっくりと立ち上がりシルフを抱き上げ自分の寝ていたベットへ横にさせ毛布をかけてあげた


「すまない・・そして看病してくれてありがとう」


そう言ってシルフの頭を撫でベッドのそばにあったハンガーにかかっていた自分の服に着替え

ゆっくりと部屋を後にした

部屋から出てまっすぐ向かうは千雷鬼の元

何故だかわからないが千雷鬼のいる場所が手に取るようにわかった

気配を辿りたどり着いたのは千雷鬼にやぶれた闘技場

ゆっくりドアを開けると闘技場の真ん中には千雷鬼があぐらをかいて座っていた

中に入るとこちらに気づいたのか千雷鬼が立ち上がった


「目覚めたか・・」


千雷鬼はそう言ってこちらに振り返り賭の事をじっと見つめる

賭も同じく千雷鬼を見つめる

数秒見つめあった後二人同時に動いた

ドンと言う音が闘技場に鳴り響いた

お互いの拳がぶつかり合い闘技場が揺れた


「なるほど・・ただ眠っていたわけではないようだな」


千雷鬼は拳を下ろし

「いい目になった、その目はもう己を過信しないいい目だ今の力も能力によるものではない潜在的に眠っていた力が解放されたのだな・・・」


千雷鬼はそう言って懐から光る玉を取り出した


「受け取れ・・お前さんの能力だ」


賭は差し出された光る玉を受け取る

千雷鬼はそれを渡すとその場に座りこみ息をついた


「お前さんの能力封じ込めるのは厄介だったんだぞ・・一つ一つお前さんの役に立ちたいと騒ぐもんで説得するのが大変じゃった」


「能力を説得するってどんな状況なんすか」


「わしも初めてじゃったからなお前の身体の事情などをしっかり説明したら能力に宿る意識共は大人しくなってくれた」


賭は光の中でぐるぐる動いているいろんな色の光を見つめる

きっと前夢に出てきてくれたキャラクター達だろう

光の玉にコツンと頭を打ち付けた


「ありがとうみんな・・僕もう無理しないからまた共に戦ってくれ」


そう言うと光の玉から光が飛び出しポケットに閉まってあったカードが空中に浮かびあがり

一つ一つ受け止めた

賭は降りてきたカードの絵柄を見る

そこには白紙になっていたカードにまたすべての絵柄が戻っていた

だがそれだけではなく絵柄が少し変わっていた


「これは・・・」


賭がつぶやくと千雷鬼が


「絵柄が変わったのはお前さんがすべてを思い出した証拠じゃろう」


その言葉に賭は千雷鬼をみる


「知っていたのか??僕が記憶をなくしていること・・」


千雷鬼はふぅと息を吐き頷く


「正確には円卓でお前さん達と会話している時に念話で教えられたのじゃ」

千雷鬼の言葉に賭は表情を変え千雷鬼に詰め寄る


「おじちゃんは!!!雷龍はどこにいる!!!?」


「奴は・・地上に降りた・・お前たちの未来を守る為に」


「何故止めなかった!!!おじちゃんの身体がヤバいのはお前たちは知っていたんだろ!!なんで僕が目覚めるまで止めなかった!!!」


「止めたに決まっているだろう・・大切な仲間なのだから・・お前さん方が忘れている間このニライカナイで過ごしたんじゃ・・ずっとあやつだまりおって・・その男が決めた決意じゃ揺らぐことがなかったんじゃ」


千雷鬼は涙を流した

それを見て賭はうつむいた


すると闘技場に警報音が鳴り響いた

それを聞き賭と千雷鬼は王の元へ走った


王の間にはすでに皆が集まっていた

すると中に入ってきた賭を見てシルフが走ってきた


「賭さん!!!心配したんですよ!!!!」


そう言って泣きながらポカポカ胸を殴ってきた

シルフの頭を撫でながらなだめてストーリア王を見ると王は頷き


「皆の者よく聞け鬼どもを利用しニライカナイを落とそうとする敵がどうやら地上で動き出したようだ、すでに雷龍が動いて居るがこのままではこちらに敵が攻めてくる可能性もあるなので、夢見間にこのカードを渡すことを承認してほしい」


ストーリア王が大きな声で言うと家臣たちは一瞬ざわついたが互いに頷き合い


「「「「「王よ!!!我々承認いたします!!!」」」」」


そう言うと王の手にあるカードが光りだし

それをもって王が賭の前に立ち


「夢見間よお前にこれを託す・・これはお前を救う事ができるであろうカードだ。お前が眠りについている間に未来がどうやら書き換わったらしくてなこれを使えば最悪の未来は回避できる受け取ってくれ」

そう言ってカードを差し出してきた


「わかりました・・ありがたく使わせていただきます」

賭はカードを受け取り踵を返し出口へ向かおうとしたが立ち止まり


「王よ・・・これを使えば雷龍を救えますか・・・・」


そう尋ねると


「わからぬ・・そこまでは見えなかっただがお前と雷龍に関わるということは見えた」


「わかりました・・ではいってきます!!」


振り返らず走り始める

するとリークとシルフが後ろから走ってきた


「私もついていきます」

「俺もついていく」


そう言ってそばを走り始めた

断る理由もないので頷き

そのまま走り続ける

来たときにくぐった光の扉に入る

すると中には何故か鬼が居た


「ニライカナイの道間違いながっ」


鬼が喋りきる前に賭は変身し鬼を一瞬で倒し封印した

その速さにリークとシルフはびっくりしたがそのまま進み続ける

そして鬼を封印しながら地上への出口へ走るのだった

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