第93 記憶の真実
こんばんは神咲です
今回は前回の分を挽回しようと長くなってしまいましたすみません
腰の調子はまだよくなっていませんがゆっくりになってしまいますが書き進めていきますのでこれからもどうかよろしくお願いします
少年に連れられ見慣れた道を歩く賭
そうこの森の中で沢山遊んだ
賭は周りの木や草などを触りながらゆっくりと小さいころの記憶を思い出していく
前を歩く少年もそれを横目で見ながら歩き続け声の方へ案内していく
もうすぐ思い出せなかったおじちゃんの顔をこの目で見れる
ドキドキする胸の鼓動がうるさかった
このドキドキはもしかしたら身体が覚えているのかもしれない
この先何があったのかを・・
胸を少し抑えると少年が急に止まった
賭も慌てて止まる
「着いたぞここだ」
少年が指を指す
するとそこには幼いころの自分と幼い光也、幼い雛が楽しそうに話をしていた
少年がこちらを向き賭の顔をじっと見てきた
「なんですか??僕の顔何かついてますか?」
賭が顔を触って確認すると少年は首を振り
「いや何、小学生の頃から雰囲気はそのまんまなのだなと思ってな」
「それって僕が子どもぽいって事ですか??」
「そのなんだ・・若くていいなと言う事だ」
「小さい君にそれを言われると馬鹿にされているようにしか聞こえないんだけど・・」
「そのつもりはなかったのだが・・ん?誰か来たぞ」
少年は無理やり話を中断させる
賭は渋々少年ではなく幼いころの自分たちの方に目を向ける
すると奥の方から大柄の男が歩いてくるのが見えた
幼い自分たちがそれに気づいたようで「おじちゃん!!!」と元気に声を上げて駆け寄っていく
木の影に隠れてまだ顔がよく見えない
賭の心臓は速さを増した
「おじちゃん・・」
賭は小さく呟き近くに行こうと歩き出そうとしたが少年が首を振り止める
賭はハッとなりその静止により止まることができた
確かにここは記憶の世界
見る事が出来ても触ることや話しかけることは不可能な事だ
しかしだからと言って一時の感情で動いてしまってはこれから起こる思い出せない記憶に影響が出るかもしれない
少年が止めてくれたことにより冷静に考える事ができた
賭が目をつむりながら心を落ち着けていると声がドンドン近づいてきた
四人がゆっくりと歩き出し木の影から出てきてくれたのだ
賭はゆっくりと息を吐き顔を上げ目を開くするとそこにいたのは
「らい・・りゅう・・・?」
賭は絞り出すように声を出した
そう今賭の前には幼い自分たちと話しながら笑いあう雷龍がいた
すると急にズキッと頭に痛みが走った
その瞬間頭の中にあった記憶の靄が晴れおじちゃんの顔がはっきり思い出せるようになったのだ
そのどれも顔は雷龍だった
賭は戸惑いながら少年を見る
少年もこちらを見て頷き
「そうあれは雷龍だ・・お前の最初の師だ。今お前はようやく記憶の中にあった靄が晴れてある程度思い出しただろうこれが一つ目の真実だ」
少年がそう言うと賭はゆっくりともう一度前を向く
そこには楽しそうに談笑する幼い自分たちと雷龍が居た
賭は気持ちが追いつかないのかしばらくぼーっと見ていると幼い自分が立ち上がり
「おじちゃん!!今日こそは攻撃当てるからね!!組手しよ!!」
元気にそう言うと雷龍も笑いながら立ち上がり
「いいだろう少年も随分と腕を上げてきているからな私も負けんぞ」
そう言ってお互いに構え雛が真ん中に立ち「はじめ!!」と声を出すと二人の組手が始まった
幼い自分は短い手を一生懸命使い攻撃を仕掛けていく
雷龍はその攻撃が来るのがわかるようにひらひらとかわしていく
「初動の動作が甘いぞ少年!相手の足などを見てもっと予想するんだ!」
「はい!!」
戦いの中幼い賭は雷龍から戦い方を教わっていく
その光景を見ていると少年が
「おい・・お前泣いているぞ」
と声をかけてきて手で頬を触ると確かに涙を流していた
「あれ??何でだろ?おかしいな」
涙を拭いながら二人の戦いを見続ける
それを見て小学校で戦った時の事を思い出した
「あぁ・・そうかだから僕あの時戦っててあんなにワクワクしていたのか・・そして僕が鍛え始めたのは暇だったからじゃなくておじちゃんの事を身体が覚えていたからやっていたのか・・」
賭はギュッと拳を握りしめる
しばらくし幼い自分が倒れ組手が終了した
「どんどん成長して私は嬉しいぞ少年・・」
倒れた幼い自分の頭を撫でてくれる雷龍
それに合わせて自分の頭を触る賭
複雑ながらもなんか嬉しかった
幼い自分はジタバタして負けたのが悔しそうにしている
その光景を見ていると僕こんな感じだったんだと恥ずかしさもでてきた
そんな時異様な気配を感じた
空を見上げると先ほどまで青空だったのに急に曇り空になり始めたのだ
賭の心臓がドクンと強く波打った
「これは・・この感じ・・・そうか・・思い出した」
賭雷龍を見るどうやら雷龍も気づいているようだ
しかし幼い自分たちは気づいていないようだ
すると雷龍は三人の頭を撫でて
「少し雲が出てきたようだ雨が降り出すかもしれないから今日は帰るのだ」
「え~もっと練習したい~」
「おじちゃんも雨濡れちゃうよ」
「そうだよ雨降る前に一緒に移動しようよ」
幼い自分たちは駄々をこねる
雷龍がにっこり笑い
「雨が降っては身体的能力も落ちやすいだから明日やろう約束じゃ」
そう言って小指を出す
幼い自分たちは渋々小指を出し
「「「ゆびき~りげんま」」」
と歌って約束を交わしてそれが終わると「またね~」と元気に走り去っていった
賭の心臓がまた高鳴った
そして拳を握りしめる
少年も立ち上がる
「移動するよ君たちを追わなくちゃいけない」
「ここであったことは見れないのか?」
賭が少年に問いかけると少年はこちらを向き
「ここはあくまで君の記憶の世界だだから君が見た体験しか見れないさぁいくよ」
そう言って少年は先に幼い自分たちを追っていった
それを追おうと雷龍に背を向け行こうとすると
「誰か見ているのか?気のせいかもしれんがもしもの為だ言っておく目をそらすんじゃないぞ」
不思議なことにその言葉は自分に向けて言っているように聞こえた
だがここは記憶の中きっと雷龍も勘違いしたのだろうと幼い自分たちの後を追う
しばらくして雷龍の言う通り雨が降り始めてきた
幼い自分は雨が降る前に家に帰りジュースを飲みながら空を見上げている
「おじちゃんだいじょうぶかな・・」
そう言ってテレビを見ていると雷の注意報が出ていた
それを見て幼い自分はいきなりカッパを着て傘を持って飛び出した
賭は幼い自分の前に飛び出し
「いくな!!!行っちゃいけない!!!」
と言ったが自分の身体をすり抜けて幼い自分は雷龍のいる山に向かった
「くそおお!!!」
賭は地面を思いっきり叩き地面に伏せる
少年が雨に濡れながら地面に伏せる賭に
「思い出したんだね・・記憶を・・」
そう言うと賭は伏せながら
「あぁ・・・」
そう言いながら涙を流している
少年は賭の肩を叩き
「いくよ・・しっかり真実を見なきゃだ」
「わかっている・・」
賭は立ち上がり幼い自分を追う
幼い自分を追っていると途中で光也と雛にも会った
この雨だったので心配だからと三人とも同じ考えで家を飛び出してきたのだ
三人は一緒に雷龍のいる山へ向かう
到着するといつもと違う雰囲気に気づいた
さっきまで立っていた気が少し傾いていたりしているのだ
「ねぇ・・なんか変じゃない?おじちゃん大丈夫かな?」
幼い雛が言うと光也が胸を張って
「おじちゃんなら大丈夫さ!な賭」
そう言うと幼い自分も不安になりながらも
「そうだよ・・おじちゃんは大丈夫さ!きっと風で少し押されちゃったんだよ早くおじちゃんに傘届けよう」
そう言って山の中に入っていった
賭はそれを見ながら唇をかむ
「そうだったな・・僕が先頭をきって入っていったんだったな・・」
そう言って三人の後を追うと森の中に高密度のエネルギーがぶつかっているのを感じた
成長した今だから気づける
きっと幼い自分が気づかない内に浴びていたのを今体感しているのだ
そして運命の場所に到着する
そこには誰かと戦っている雷龍が立っていた
「おじちゃん??」
幼い自分が声をかけると雷龍はハッとなり振り向く
「お前たちなんでここに!?」
「おじちゃんが心配だから傘を持ってきたの・・おじちゃんケガしているの?」
雛が言うと奥から声がした
「はっ!!!なんだそのちび共は!!それがお前の弱点か?」
そう言っていきなり強い気迫を幼い自分たちに浴びせる
すると幼い光也と雛がいきなり倒れた
幼い自分は踏みとどまっている
この逃げたくなるような気配
これも思い出した
雷龍と戦っている時に落ちてきたもの
その正体はこいつだったのだと
賭は見ながら拳を握りしめる
すると雷龍が相手をギンっと睨みつけると気迫が一瞬で消えた
「おお~こえええ」
と楽しむように相手は声をあげる
するとその声に反応しダッシュする影が見えた
幼いころの自分だ
相手の懐に少年とは思えないキツイ一撃を加えたのだ
「くはっ」
相手は声を上げて吹っ飛んだ
雷龍も驚きながらその光景を見ながら倒れた光也と雛を移動させ頭を撫でて
「すまない・・」
と一言呟き幼い自分の前に来た
「少年・・叱るのは後だ・・こやつは悪意あるものだ全力でやらぬば死ぬぞ」
「わかった」
「くるぞ!!!」
そう言って言葉を交わし戦いが始まった
幼い自分は相手をかく乱するように動き回り
雷龍が徐々にダメージを与えていくという戦い方をしていった
相手はどんどんダメージが蓄積していきついには動けなくなった
それを見て雷龍がトドメをさそうとすると幼い自分がそれを止めた
「何故止める?少年」
雷龍が疑問を投げかけると
「どんな命も大切にだよ・・だからとどめはやめてあげて」
そう言うと雷龍は拳を下ろし
「わかったではこいつは封印しよう千年はきっとでてこれないはずだ」
そう言って懐から札を取り出す
すると
「あめえんだよ!」と相手が攻撃してきた
グシャっという音と共に血が飛び散った
「・・・え」
幼い自分の前に雷龍が血を流して立っていた
そして雷龍はひざをつきながら
「少年初めての共同での作業ぐほ・・」
雷龍は血を口から流した
「おじちゃん!!!しゃべっちゃダメ!!死んじゃう!!」
雷龍は首を振り
「私の事は後だ一緒にこいつを封印するぞ・・」
そう言って札を渡す
幼い自分は泣きながら札を受け取り
相手を睨みつけながらそれを張り付けた
雷龍は笑顔で幼い自分の頭を撫で
「手を重ねて言ってくれ・・メストと・・」
涙を拭いながら幼い自分は雷龍の手を握り言う
「メスト・・」
そう言うと相手が光りだし光の線となってどこかへ飛んで行った
そして雷龍がその場に倒れた
賭は雷龍の近くにより・・
幼い自分と一緒に涙を流した
すると奥からカランカランと下駄の音が聞こえた
その方向を見るとそこにはネクタルが居た
予想はしていた記憶をどうしても思い出せなくなる技がある
天照様からそれは聞いていた
そして雷龍とネクタルが一緒の敵側だった
それで二人はなんらかもっと前から繋がっていると
ネクタルは幼い自分に近づき座り込む
幼い自分は泣きながら訪ねる
「おねえちゃんだれ??」
するとネクタルはにっこりと笑い
「このおじちゃんのお友達や・・さっ疲れたやろ??悪い夢は消しちゃろうな」
そう言って幼い自分のおでこをポンと叩くと幼い自分は気を失った
賭はここで見れなくなると思い立ち上がると
少年が指をパチンと鳴らし「ここからは特別や」と
すると少年の姿がネクタルに変わった
「・・ネクタル」
賭が驚くとネクタルは頷き
「これは記憶の中やさかい一方通行やからかんにんな、話は戻ってきてからしような。今は続きをみてな」
そう言うとネクタルは消えた
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ネクタルは光也と光にも同じ呪法をかけそして雷龍のそばに座る
「あんさん・・・ほんとばかやわ・・」
すると雷龍が目を開け
「あぁ・・そうだな・・すまないネクタル」
雷龍がそう言うとネクタルはため息をつきながら雷龍に手を当てる
「この術をかければ数年後くるかもと予言された時までは生きながらえる事ができます。ですがそれまでは光の粒子になります。この子達には見えなくなります、記憶からも消えます・・ニライカナイでしか過ごせなくなりますがよいですか??」
「構わない・・・もしもの為に連絡しておいてよかった・・・」
そう言うとネクタルはため息をつき
「まったくほんと馬鹿なんですから・・他の事でたよってほしかったわぁ」
「すまない・・」
「いいです・・一言三人に声かけてあげなさいな」
ネクタルがそう言うと雷龍は幼い自分たちに小指を向けて
「また会おう・・・ゆびきりげんまだ・・・」
そう言うと光の粒子になって雷龍は消えたのだった




