第92 封印された過去
こんばんは神咲です
二週にわたり話を作れず申し訳ありませんでした
仕事や体調などいろいろあり書けずすみません
今も絶賛腰の方が調子悪く長時間集中して座ることができないので今回は2,000字と言う
短い区切りのお話になっております
長々お待たせしたにも関わらず申し訳ございません
次週からは3000字以上で書けるようにしっかり頑張りますのでよろしくお願いいたします
これからもどうか賭達をよろしくお願いします
「にしても騒がしいことやなぁ」
ネクタルは後ろを見ると光と鬼人の子ローが楽しそうに遊んでいる
それを見ながらネクタルは愚痴をこぼしながらも嬉しそう笑った
天照もそれを見た後踵を返し正面に向き直る
そこには夢見間賭の母の身体を借りているジャンヌが座って紅茶を飲んでいた
今回あった事鬼人の子をどうするかについて話し合うために一度皆夢見間邸に戻ってきて今しがたすべて話し終えた所だった
ジャンヌがカップを置き天照を見る
「事情は把握いたしました。あの子はしばらく保護いたしますですが引っ掛かります」
「あぁ私も引っ掛かっている明らかにあの子を使った作戦は失敗に終わる可能性が容易にわかることなのに敵はそれを決行した」
「はい・・何故だかそこに引っ掛かりがあります」
ジャンヌと天照が悩ましい顔をしているとカランと音を鳴らしてネクタルが近づいてきた
「そりゃあ他の場所から目を離させる為やない?」
ネクタルがそう言うと二人も頷き
「やはりそういう事ですよね」
「じゃあ一体それはどこなんだ」
二人は更に頭を抱え込んだ
それを見てネクタルはため息を一回ついて口を開こうとした瞬間
ドクン!!!!
「ガッ!あっ・・く」
ネクタルが急に心臓を押さえ膝をついた
「どうしたの!?」
天照が驚き椅子から立ち上がりネクタルに近づく
するとそれをネクタルは手で止めた
「大丈夫・・なんでもない少し心臓がびっくりしただけや」
そう言ってネクタルは立ち上がる
「心臓がびっくりしただけって、あんた私たちと話していただけじゃない」
天照がそう言うとネクタルは二っと笑い
「よくあるやろ立ち眩みみたいなもんや心配することないちょっと外の空気吸ってくるから後よろしくなぁ」
そう言ってネクタルは広間から出て外に出て行った
「まったく・・また何か隠していそうだけど本人が言わないなら待っておくしかないわね」
ネクタルが出て行ったドアを見ながら天照が言いまた席に着く
「おおきになぁ天照」
その声をドアを出たすぐの所でネクタルは聞いていた
身体が焼けるように熱い
ネクタルは心臓を押さえる
「あの子が・・私がかけた記憶の封印を開けたのか・・自分で開けたのか誰かに開けられたのかは定かじゃないけど・・さてしっかり向き合ってくれるといいんやけどな」
壁に身体を預けつつネクタルは暗闇に消えていった
暗い
前にもこんな体験をしたっけ
暗い空間を一歩一歩進んでいく
しばらく進むと目の前にドアがあった
そのドアを見ながら考える
「前は夢の中でひどい目にあわされたんだよな」
そう呟きポケットを触る
だが前と同じでそこにはカードは存在しなかった
ふ~と息を一度吐きドアノブを握り回す
ドアを開けるとそこは白い服を着た少年が椅子に座っていた
中に入るとドアが勝手に閉まった
少年は賭を見ながら一言も発しない
同じく賭も少年を見ながら一言も発しなかった
それから数分が立ってようやく少年が立ち上がった
「うん・・合格だね前の君なら今の状況すぐに何か問いかけたり、何か仕掛けてきていただが今君はしっかり相手の事をよく観察しどうするべきか考えていた成長したね」
少年はその場をゆっくり歩き回りながら嬉しそうに喋り始めた
賭は少年をじっと見つめるすると少年が止まり賭の方に向き直り
「でわ、最後の試練だ」
そう言い指をパチンと鳴らすすると目の前に杖が現れた
そして少年は杖で地面をコンコンと3回つついた
すると暗かった空間がいきなり緑がいっぱいの森に変わった
賭はゆっくりと辺りを見回す
そこは見覚えのある場所だった
「ここは・・・」
「見覚えあるかい?そうここは君がよく遊んでいたいや修行していた森さ」
賭はその言葉に少し驚いたが頷く
「あぁそうだここで僕はおじちゃんと修行をして強くなった・・懐かしいなだけど・・何故か急におじちゃんが居なくなって行かなくなったんだよなこの場所」
そう言うと少年は少しだまり歩き出す
それを見て後に続くように賭も歩き出した
するとどこからか子どもたちの声が聞こえた
「子どもの声?」
賭が首をかしげる
こんな森の中に遊びにくる子が僕らの他にもいるんだなと
すると少年が止まりこちらを向き
「最初に説明しておく、ここは過去の森つまり君が体験した映像だ。なので見る事しかできない」
「つまりそれって・・僕の記憶?」
賭がそう言うと少年は頷き
「これは封印された過去これから見る事をお前は受け止めなきゃいけない・・・覚悟はいいか?」
少年は少し厳しい顔をして賭を見つめる
賭は手を見ながら考える
きっとこの先で何かがあったのだ
それを見る事
それはきっといや確実に恐ろしい事なのかもしれない
そしてさっき聞こえた子どもの声はあれは言われるまで気づかなかったがおそらく幼い時の自分達
その先にはきっと顔を忘れてしまっているおじぃちゃんがいる
一度目を瞑り落ち着いて息を吐き答える
「忘れてしまった記憶があるなら思い出したい、たとえどんなつらい過去だろうと受け止めなきゃいけないだから・・僕はこの目で見届ける」
少年に向かって言う
すると少年は頷き呟く
「どうやら誰かが手引きして万全にして来てくれたのだな・・ならば大丈夫だろう行こうか」
少年と賭は声のする方へ歩き始めたのだった




