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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第2編 第二章ニライカナイ
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第90 三つの武器

暗い中誰かを追いかける自分がいる

僕はその人に大きな声で呼びかける


「待って!!!」


その人物は声に反応するが手を振りまっすぐと歩いていく

その人物はよく見ると血を流しながら歩いていた

その血が地面に垂れ道になっている


「まって!!待ってってば!!!僕を一人にしないでよ!!!一人にしないでよ・・・」


涙を流し泣きながら追いかけ続けるが追いつくことができない

その人の影がやがては見えなくなっても走るのをやめなかった


「お願いだよ・・・いなくならないでよ・・・」







「おい・・・おい!起きろ!!」


ガンっと頭を殴られた感覚で僕は目を覚ました


「あぁ・・僕眠っていたのか?」

殴られたであろう頭をさすりながら目の前にいる男に問いかける

男はチッと舌打ちをし


「そうですよ、だいぶ最初の場所で疲れた感じだったから少し休憩をするってことで座ったらお前は寝てしまったんですよ」


その言葉を聞きながら頭の中で整理をする

精神と重力の橋

そこで僕は精神力を試された

その橋は自分の気持ちによって重さが変わるものだった

それに気づくことができクリアし今自分はここにいる

しかし

チラッと目の前にいる男に目を向ける

男もそれに気づき、ん?ってな顔をした

この男は何なのだろうか?

名前も知らない

個々の場所さえ教えてくれない

ただ一言

「時間がありませんのでね・・」

と言っていたという事はここもしくは他の何かに時間制限があるという事だろうと予想を立てた

しかし、僕が疲れているのを判断し休ませるなんて急いでいるのにどうしてだと思うとことはある

すると男は立ち上がり


「さて充分回復されたようですね、ふむやはり少し違っているようだ・・」

男は手帳を取り出し何かを見ている

疑問に思い


「なんだよそれ」


と問いかけるとすぐに手帳を閉じ


「いぇあなたが気にする必要ありません、ただデータが書かれているとだけ教えときましょう」


「データ??」


「はいデータです」


データとはなんのデータなのだろうか?僕の事?

いやそんなデータ役に立つものなんてないだろうとその考えを捨てるじゃあいったい何の?

考え込んでいると男が手を叩き


「そんな事より先に進まなくては!さっいきましょう」


そう言って歩き出した

慌てて立ち上がり追いかけようとした時さっき見た夢が脳裏によぎった

夢の自分は誰かを追っかけていた

誰を追いかけていたのかはわからない

ただあの人物は血を流していた

夢のはずなのに何故か体験したことがあるような気がした

一瞬止まった自分に気づき男は止まり


「何を見たかは知りませんが今はまだ気にしなくていいと思います、そのうちわかるので今は次に起こる試練に集中してください・・さっいきますよ」


そう言って男はまた歩き出した

賭は何も話していないのにどういうことだと一瞬思ったが、男の言う通り今は考えても仕方ないのかもしれない

それよりも一刻も早くここの謎を解き明かし

力を取り戻しに帰らなくてはそう思い歩き出した




どれくらい歩いただろうか?5分から10分歩いたくらいで男の足が止まった

そこには大きな扉がそびえたっていた

自分よりはるかに大きい扉

アニメやゲームによく出てくるやつだ

大抵こんな扉があるという事は中に何かボスキャラぽい何かがいると認識している

扉をまじまじと見て考えていると男はこちらに振り返り


「さて今回の試練はこの扉の向こうです、試練の名は精神と体力の闘技場です。まぁ中に入ればどういう者かはすぐわかりますよ、察しが言いあなたは何となくわかっていそうですが・・とりあえずこの中から三つ選択してください」


そう言って男が出したのは刀と銃と魔法と書かれた紙とロングソードと盾と綺麗な色をした布だった

賭はまじまじと見て考える

明らかに戦う為に出された武器類となんかよくわからない二品

この中から三つとなると無難なのはやはりロングソード・銃・盾

この三つのような気がする

そう思って取ろうとした時手がピタッと止まった

何故だかその三つをとろうとした時妙に胸がざわついたのだ

なんでかはわからない

だけどこの三つの組み合わせはいけないと思った

思い直し賭が選んだ三つは


盾・綺麗な布そして銃


それらを男から受け取り扉の前に立つとゴゴゴゴという音を立て扉がゆっくり開いていく

その中賭の背後で男は小声で

「思った通りだ・・この俺なら・・」


そう喋っているのが聞こえた

何のことだ?と思いはしたが後で考える事にした

中に入るとそこには大きなコロシアムみたいに広い広場だった

賭は息を吸い周りを観察する

周りに障害物は無く隠れる場所など一切ない

だが広場の周りのいくつかに何か置かれているのが目に見えた

疑問に思い見に行こうかと悩んでいると急に身体中に鳥肌が立った

なんだ!?と思い上を見上げると何か大きな物体が落ちてくるのが見えた


「くっ!!」

全力で地面を蹴り落ちてくる範囲から離れる

ドシーンという音を立て地面にその物体は落ちてきてその衝撃で賭は飛ばされてしまう


「なんだありゃ!!」


態勢を立て直し粉塵の向こうを見ていると

「ヴオオオオオオオオオ」

と大きな声を上げて中から白い狼が現れた


「白い狼!?しかもでかすぎだろ!!こいつと戦うのが試練って無茶がありすぎだろ!!」

声を上げると


「いえいえ何も無理は言っておりませんよ、あなたが選んだ三つの武器があれば攻略できますよ」


どこからか男の声が聞こえ周りを見回すと反対の空中に男が浮いていた


「そいつの名前はホワイトウルフデストロイさぁ攻略してください!あなたはそれができるはずだ!」

そう男が叫んだ瞬間白い狼の赤い目が光こちらに走ってきた


「くっわけわかんねぇけど!やってやんよ!!」


そう言って銃を構えホワイトウルフに向かって銃を放とうと引き金を引くすると

カチッとハンマーコックがなるだけ

えっまさかとなり血の気が引きながら銃の装填する場所を見る

嫌な予感的中そこに弾はなかった


「嘘だろ!!!」


そう叫んでいる間にもホワイトウルフは目の前に迫っていた

もう迷っている時間はなかった

すぐに武器を切り替える

そして選んだのは盾だった


ガンという衝撃音と共にホワイトウルフの攻撃を間一髪で避ける事が出来たが衝撃で後方に飛ばされる

「くっなんて馬鹿力だよあの狼!!」


盾を構えながら膝をついて息を整える

狼はこちらを見ながら様子を見ている

どうやら盾にぶつかって少し怯んでくれたようだ

ゆっくりと立ち上がろうと地面に手をつくとそこには先ほど遠くて見えなかった物体が置かれていた

それは空の薬莢と白い紙だった

空かよと舌打ちをしつつ薬莢をポケットにしまう

そしてそばにあった紙を見るとそこには


「汝六つの力を手に入れろ」と書かれていた


なんだそれ??とクエスチョンマークが脳内を飛び回る

するとホワイトウルフはこちらが何もしかけてこないと感づいたのかまた突進してきた

背中は壁なので横に飛ぶと狼は壁にドーンという音を立ててぶつかった

「よし!!」賭は小さなガッツポーズをした

だがそれも束の間ホワイトウルフはすぐに壁からすぐに起き上がってきた


「あははは・・ですよね」


頬をポリポリかきながら狼の様子を見ながら盾を構える

自分が持っている使えそうな武器は今この盾のみ

あとはよく意味が分からない綺麗な布と弾がない銃と空の薬莢

これでどう攻略するんだよとはぁとため息をつくとホワイトウルフはそれを見てその場で足を上げ振り下げる

すると緑色をした空気の刃が飛んできた


「嘘だろ!!!」


間一髪で防御し刃を弾き飛ばす

なんとかはじき返すことができたが弾き飛ばしたが片腕が痺れ


「く$#$%$があ」


声にならない声をだした

腕がビリビリとして痛い


「なんて重さだ・・あんな攻撃くらったらひとたまりもないな」


そうぼやきながら痺れる腕を庇いつつ反対の手で盾を持つ

狼はグルグルいいながらこちらを睨みつけている

賭はゆっくりと一歩ずつ後ろに後退すると狼もそれに合わせて一歩ずつ進んでくる

まるでジワジワと苦しめるのを楽しんでいるようにさえ思えてくる

そうして後退を続けていると背中が壁にぶつかる


「あぁ・・あいつ僕を追い詰めていたわけね」


どうにかできないかと考え周りを見ていると少し離れた地面にまた薬莢と紙が落ちていた

それに気づくと同時に狼がまた前足を振り上げ空気の刃を飛ばしてきた

防ごうと手に力を入れようとするがまだ痺れた感覚が抜けず力が入らない


「くそ!!」


叫んで白い紙と薬莢のある方へ飛び前転をするようにして空気の刃を避ける

飛んできた空気の刃の方向を見ると大きな亀裂ができていた


「あの狼とんでもないな・・」


そう言いながら転がりながら取った薬莢はやはり空で白い紙には


「汝恐れるなかれ精神を込めろ」

と意味不明な事が書かれていた


「意味わかんねぇ!!なんなんだよ~~~!!!」


その戦いを見ながら男は手帳を出しそれを見てつぶやく


「やはり・・どの展開とも違うな・・・どの流れとも違う・・ここでならきっと」

そう言って懐中時計を取り出し時間を見る

「ここでなら間に合うか・・・いや今度こそ間に合わせてみせる・・・絶対に・・・だから・・・待ってて・・・おじさん」

懐中時計の反対には嬉しそうに二人で笑って写っている写真が貼られていた

懐中時計を閉じグッと握りしめ賭の戦いを見守るのだった


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