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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第2編 第二章ニライカナイ
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第86 行かせた理由

「ん~いい天気で最高!!!絵を描くにはもってこいの日ですね~」

光は車の後ろで楽しそうに絵を描いている

その隣では桜が外を見ながら物思いに更けていた


「賭様が心配ですか?桜さん」


運転を担当している焔が助手席にいる桜に声をかける

すると焔の問いかけに気づき桜はうつむきながら


「心配ですよ・・・まだ会って少ししか立ってませんが賭くんはいろいろ抱え込んでいる気がして・・しかも本来敵である雷龍と一緒に扉の先にあるという世界に二人で行くなんて焔さんは心配にはならないんですか?」


桜が言うと焔は前を向きながら「ふむ」と一言漏らし

少ししてから口を開いた


「確かに心配ではあります。ですが、賭様なら大丈夫と信じていますそして敵である雷龍という方にはお会いすることはできていませんが、何となくですが話を聞いている限り大丈夫と判断しています」


「なんとなくですか・・・」


「えぇなんとなくです」


桜はその言葉を飲み込みながらもう一度窓の外を見る

窓の外には海が広がっていた

とても綺麗なエメラルドグリーンの海

この綺麗な海や沖縄、そしてこの世界を賭が救おうと頑張っている時に自分は何をしているんだろうと思ってしまう

賭が扉の向こうに行ってからもう2日も立っているが賭からの連絡はなし

そして雷龍が言っていた共通の敵アースラ

その敵もすぐに何か仕掛けてくると思いきや何の動きもないのだ

なのでこうやって何人かに分かれて車で移動していろんな場所を警戒しているというわけだ

メンバーは焔、桜、光そして別の班は天照、ネクタルという風に分かれている

何故この班構成なのか疑問に思って桜が天照に聞いたところ


「ん~理由としては特にはないけどまぁしいて上げるとすれば攻撃と防御をしっかりとしたいからかな、桜は結界で防御できるけど光はできない、逆に桜は接近戦は強いけど遠距離ができないから光が遠距離でも攻撃できる武器を作ることができるからかな、それに焔さんも結構強い力を持っているらしいからってことで」


って事を言っていたがなんか納得できるようなできないような感じだったがされ今に至っている

桜班は北部を天照班は南部と中部をって感じでそれぞれ行動している

連絡手段は天照が開発した新しい端末、沖縄県内なら洞窟であろうが海底だろうがどこでも連絡が取れ、防水・粉塵・水圧などなどどんなものにもビクともしない「無敵くんX」で連絡を取ることになっている

ネーミングセンスはどうかと思うが、性能に関しては言うことなしだなと思う


だがその新しく作った端末もほぼほぼ


「こちら異常なし」

「こちら手掛かりなし」

「今日のご飯どうしますか?」


などなどこんな感じで使われてしまっている

ある意味宝の持ち腐れのような気もしてしまう

端末を見ながら桜はため息をついた


すると目的地に着いたようで焔が丁度車を止めた


「着きましたよ。ここが美ら海水族館です」


桜と光は車から降り辺りを見回す

あふれんばかりの車が駐車場に止まり

人もたくさんあふれていた


「ここが沖縄の観光名所海洋博公園と美ら海水族館かぁ」


光が嬉しそうに声をあげる

光は早く入りたいと駆け足になる

桜はそれを呆れながら見て焔は嬉しそうに笑っている

自分たちは遊びに来たわけじゃないことを忘れているんじゃないだろうか?

そう思いながら光を追いながら水族館に向かって歩いていると

桜は急に背中にゾクッとする感覚を感じ振り向いた

だがそこには誰もいなかった


「どうかしましたか?」


焔が聞くと


「いえ・・今なんか急に寒気を感じたもので・・」


「寒気ですか?」


「えぇ・・なんというか誰かににらまれたようなそんな感じが」


「誰かに・・・誰も居ないようですがもしかしたら近くに敵が潜んでいるかもしれませんね一応警戒しましょうか」


焔の言葉に桜は頷き二人は光を追いかけた








「なぁあんさんどないおもいます?」


ネクタルが空を飛びながら天照に声をかける

天照は振り向きもせずそのまま進んでいく


「はぁ・・あんさん焦る気持ちはわかりますけどなぁそんなに神気駄々洩れじゃあ敵さん隠れてしまうと思うんやけどなぁ」


そう言うと天照はため息を一回つき


「ワザとに決まってるでしょこうやって私たちがいるって事がわかれば鬼どももうかつに行動しないで動かなくなるかもしれないじゃない、そうすればアースラって奴の目論見の鬼人を絶望させてエネルギーにするって事が出来なくなるじゃない」


「へぇ~あんさん以外にかんがえていたんやなぁ」


ネクタルが感心してうんうんと頷く


「当たり前でしょ、それに少しでも奴らが行動するのが遅れれば賭くんと雷龍が戻ってくるまで間に合うじゃないそうすれば勝機があるじゃない・・・・」


天照が言うとネクタルが天照の前に先に移動し


「あんさんそれ本気で言ってるん??」


ネクタルが真剣な顔をして言う

そのネクタルの問いに天照はネクタルを見てすぐに言い返そうと口を開くがすぐに口をつぐんだ


「わかっているはずやろ・・あの子の身体が今ボロボロになっていることを・・まぁうちにも原因があるからあまり偉そうには言えへんけども、あの子がもし今戻ってきたとして身体が持つと思います?思わへんやろ?あんさんの血が少しまじってるからゆうてこのままあんな力連続で使っていたら脳と身体がバランスおかしゅうなって動けへんくなるのわかってるやろ?」


「わかっているわよ!!!!」


ネクタルの言葉に天照は怒鳴って静止させる

二人の間に数秒沈黙がながれた


「怒鳴ってごめんなさい・・わかっているの本当は止めなきゃいけない・・だけどあの子の力は・・」


そう言って天照はうつむいた

それを見てネクタルは頭をかきながら反対の方を向く


「うちもいじわるだった・・すまへんなぁだからそんな暗い顔しないでや、あの子の力が必要なのはうちもわかっとるだからあの子と雷龍を扉の向こうに行かせたんや」


「どういうこと・・・」


天照が顔をあげ問いかける

ネクタルは振り向き天照を見ながら人差し指を立てる


「一つだけ方法があるんや」


「方法?どんな!!?私にできることがあればなんだってするわ!!!戦いに巻き込ませてここまで来てしまったのは私のせいだもの!!!」


天照がネクタルの肩をがっしりと掴み揺さぶる


「落ち着きぃ!!説明したるからぁ!!!」


「ごっごめん」


天照が手を放すとネクタルはゲホゲホいいながら息を整えてから天照を見る


「その方法はな、一度力を取り上げてしまえばええんや」


「一度力を取り上げる??どうやって?今あの子の力は完全に身体に一体化しているはずよ」


ネクタルの言葉に天照は首をかしげる


「確かにあの子の能力は完全に一体化している、だからこそあの扉の向こうに行かせたんや」


「扉の向こうに何があるの?」


天照が聞くとネクタルは天照に背を向けながら


「昔雷龍から聞いた事があってな、あの世界には能力を奪うことができる王がいるそうだ。そいつにお願いをし一度あの子から能力を奪ってもらうんよ、そうすればその間身体を回復させることができるしあちらで徐々に能力に慣れてもらうというのが作戦じゃ」


「奪うって・・一体化している能力を引きはがすって事??それじゃあ賭くんの精神が---」


「待て待て待て慌てるな天照」


今にも怒りそうな口調になった天照をネクタルがすぐに止める


「言いたいことはわかる、だが間違うなあの子の力を引きはがして奪うわけではないあの子の能力を奪うんじゃ」


ネクタルが言うと天照は首をかしげる


「どういうこと?なにがどう違うの?」


天照が言うとネクタルは大きくため息をつく

頭をかきながら


「あんさん本当に日本のトップか怪しくなりますわ、まぁええつまりあの子の力自体は身体に残し、変身する能力だけを奪うんや、そうすればあの子と一体化した力自体は残るから精神にも影響はあらへんだから超回復はできる」


「そうか!!そうすれば身体の傷が癒える」


「そういうことや」


ネクタルの答えにようやく天照が納得し顔が笑顔になった

その笑顔をみてネクタルはホッとしたが次の瞬間ゾクッとする感覚を感じ天照を掴みバッとその場から後ろに下がった

すると目の前に赤い穴がポッカリとでき

天照が何事かと髪を戻しながら赤い穴を見ていると中から人と頭に角が生えた鬼人が現れたのだった

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