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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第2編 第二章ニライカナイ
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第78 二人の子

「おっ出口じゃの」

雷龍がそうつぶやき前を見ると鳥居が無くなり目の前には入り口と同じ白い渦がそこにはあった

しかし先ほどと違うのは中から何やら光がチラチラとこちらに注ぎこんでいたのだ

光がこちらに見えているということは、この渦の向こう側は明るいという事それだけでもわかっただけ少し安心する

すると雷龍が前に出た

「すまんが先に入らせてもらってもよいか?いつも通りなら奴らが来るだろうからな」


「奴ら?」

僕は首をかしげる

奴らとは?この出口の先には何があるというのだろうか?

そう考えていると雷龍は賭の方を叩き「出ればわかる」と一言呟いた

確かに考えても仕方ないかと思い雷龍に先を譲った

雷龍は軽くお辞儀をし渦の中に入っていった

鳥居の先だからお辞儀が必要なのか?

一応雷龍がやったようにお辞儀を一度し渦の中に入る


すると眩しい光が目に差し込み目を瞑る

しばらくして、目を開けるとそこにはなんと草原が広がっていた

賭は周りを見渡すととても綺麗な緑色をした葉が風に吹かれたさわやかに揺れていた

空を見るとそこには雲と太陽が見えた

どうやら無事に移動はできたようだ

肩の力を抜く

ふと気づいた

あれ?雷龍はどこにいったんだろう?

もう一度周りを見渡すが雷龍の姿はない


「一人で行った・・なんてことはないよな?」


そうつぶやいたとき後方から地響きのような轟音が轟いた

なんだ!?と振り返るとそこには先ほどの草原にクレーターのような大きな穴が開き雷龍ともう一人誰かが居た

いきなり何やってんだあの人!!いや人じゃないかとまた一人ツッコミのようなものをしていると雷龍の前にいる膝をついている人が立ち上がった


「なんで前より強くなっている~卑怯だぞぉ~~」


そう言って地団太を踏んでいる

よく見ると僕と同じくらいの背丈の男の子のようだ

甚平のような服をつけた少年は悔しそうにしている


「いやいやお主も充分成長しておるぞまだまだ甘いところはあるがな、わしがゲートからくぐって出てくるときに気が漏れ出ているのをどうにか隠していれば奇襲も成功しただろうに、お前さん隠そうとしないからな丸わかりじゃ、しっかりそこの制御をできるようになるとよいな」


雷龍は少年の頭を撫でながら言う

少年は少し気に食わなそうだが頭を撫でてくれてるのには嬉しそうにしている

その様子を見ていると背後から気配がし振り返るとそこにはまたもや自分と同じような背格好の女の子が立っていた

女の子は僕を見てお辞儀をする

慌てて自分もお辞儀をするそれを確認してから僕のそばを通り抜け雷龍達のところに歩いていく

そのあとに続いて自分も雷龍がいる場所に歩き出す

僕たちが近づいてきたのを雷龍が気づき手を振ってきた

ほんとこいつ互いに敵ということを忘れているのではないだろうか?そう考えてしまうほどフレンドリーだと思う

雷龍の前に居た少年もこちらを振り返る

すると「げっ!?」という声をあげて凄く焦っている

女の子が男の子の前に着くと女の子が一言発した


「正座」


その一言にすぐさま男の子は正座をした

それを見て雷龍に女の子がお辞儀をする

雷龍もお辞儀を返した


「雷龍様またうちのリークがご迷惑をおかけして申し訳ございません、毎回言って聞かせているのですが雷龍様の気配がするとすぐに飛んで行ってしまって戦いを挑んで返り討ちにあう、何回同じことをすれば諦めがつくんでしょうかこいつは」


そう言って正座している男の子は冷や汗を流しながら固まっている

こういうのって蛇に睨まれた蛙っていうんだっけ?

凄い背筋をのばして正座をしている

余程この女の子が怖いのだろう

なんだか似たようなことがあったので少し同情する

すると雷龍が笑いながら


「いやいや良いのだシルフよこいつの成長が見れるだけでわしは嬉しい!しっかり修行も怠っていないようだしの、それにシルフよお主もしっかり成長しているようだな、後ろにそいつが居なかったら気づかなかったぞしっかりと気の制御などできるようになっているようだな。」


「あっありがとうございます・・褒めてもらえて嬉しいです・・」


女の子は恥ずかしそうにうつむいた

すごい顔が赤くなっている

この子はもしかしたら雷龍が好きなのか?まぁ言わない方がいいのかもしれない

もしかしたら自分の勘違いかもしれないからな

そう思いながら見ていると雷龍が手招きをしている

なんでお前の言うこと聞かなきゃと思ったりもしたが、行かないのも変だと思い雷龍の前にいく


「さて賭よいきなりの事でびっくりしたじゃろう、こ奴らは昔からの知り合いでなこのニライカナイを守護する二人リークとシルフじゃ二人とも挨拶をしてくれ」


雷龍に言われリークと言う男の子も立ち上がりシルフという女の子二人並び


「はじめまして、俺はニライカナイを守護する一人名をリーク・クロエツルと申します」


「はじめまして、私はニライカナイを守護する一人名をシルフ・クロエツルと申します」


「はっはじめまして僕は夢見間賭と申しますその・・よろしくお願いします」


リークとシルフが自己紹介をした後にすぐに自己紹介をすると二人の顔色が変わった

そして二人は雷龍をちらりと見る

それに気づき雷龍は軽く頷くと二人はいきなり膝をつき


「お待ちしておりました夢見間様。私どもの王がお待ちです」


「今から城に来ていただけますでしょうか?」


いきなりの事で戸惑った

王?城?いったい何のことを言っているんだ?

てかニライカナイになんで人がいるんだ?

いろんな疑問が頭の中を駆け回り混乱していると雷龍が肩を叩き


「そんなに悩むな、いけばわかるとりあえず城にゆこうではないか」


そういうのでまぁそれならと「わかった」と返事をするとリークとシルフは立ち上がり

シルフが手を前に出してきた

いきなりなんだ?とまた戸惑っていると


「手を握ってくださいお城まで私が転移します」


それなら手を前に出す前に言ってほしいものだ

一瞬なにかされるんじゃないかと慌てたじゃないか

胸をなでおろしシルフの手を握る

その手はとても柔らかくマシュマロのようだった

僕手汗とか大丈夫だろうか?と思っているともう一方の手を雷龍に掴まれる

うん!そんなことだろうとは思っていたけどね!!

さすがにみんなで転移するのに二人だけ手を握り合うなんてないよね!

そう思いながら雷龍の手を見る

だけどなんだろうか・・やっぱり嫌な感じはしない

むしろ・・いや気のせいだろうと頭の中に出てきた幻想を消した

そうしていると、リークがシルフと手をつなぎ準備ができたようだ


「でわいきます。アーポテート解除!転移ニライカナイ」


シルフが唱えると周りの景色が光に包まれ数秒後には何やらガヤガヤ人の声が沢山聞こえる場所に出た

周りを見ると周りを金色の壁が包み込み、その中を瓦屋根の家が立ち並ぶどうやら町の市場のようなところに立っていた

周りを見渡したあと雷龍にトントンと肩をつつかれ雷龍が指さす方を見るとそこにはなんと首里城のような赤いお城が立っていた

屋根の上には金色のシーサーそしててっぺんにはしゃちほこが乗っているお城が神々しく立っていた

僕が驚いているとシルフが手を引っ張り


「あの・・そろそろ行きたいのですがよろしいですか?」


少し顔を赤くしている

あぁそういえば手を握ったままだと手を放そうとしたが逆にシルフは手を放そうとしない

むしろ更に強く握ってきた

なんなんだ?と思いながら返答してなかったことに気づきうなずくとシルフは「こちらです」と手を引きながら案内してくれた

まぁ迷わなくてすむから別にいいか

そう思いながら一緒に歩く

ちなみに僕を見ながらリークと雷龍は物珍しそうに僕とシルフを歩いていた

歩きながら街並みを見るが歩いている人たちはみな男性は甚平のような服装をし女性は少し浴衣に近いような恰好をしているのが見えた

もしかしたらここではこの服装が一般的なのかもしれない

でもだとしたら何故シルフはこの甚平のかっこうなのだろう?もしかしてと思い聞くことにした


「ねぇシルフさんはなんであの浴衣みたいなのを着ないの?女の子だよね?」


「私は確かに女ですが、私にはあのような可愛い服は似合いません・・それにこの格好の方が動きやすいのです。万が一戦闘になったりした場合すぐに対応できますからね」


「えっ?戦闘とかあるの?」


「ありますよ。ここ国なんですから」


シルフは何を当たり前のことをと言わんばかりに答えた

国ってまさかと思い雷龍の方を見ると目をすぐにそらした

やっぱりこいつ僕を驚かそうと何か企んでいるな

そう思いながら雷龍を見ているとシルフが手を引き


「先に進んでもよいですか?その夢見間様」


夢見間様って僕どういう扱いなんだ?

王が待っているって言ってたから客人の扱いなんだろうけど

なんか様ってつけられると恥ずかしい


「あのさその夢見間様ってやめない?なんか恥ずかしい」


「でわなんとお呼びすれば?」


「そんなの普通に賭でいいよその方が呼びやすいでしょ?」


「呼び捨てはちょっと・・王に怒られてしまいます・・なのでそうですね賭さんならよろしいですか?」


「まぁ確かにいきなり呼び捨てはおかしかったか、じゃあ僕はシルフさんって呼ぶね改めてよろしくシルフさん」


そう言うとシルフさんは嬉しそうに頷いてくれた

とてもかわいい笑顔ですねと言いたくなるほどかわいい笑顔を見せてくれた

喜んでくれたなら何よりだが名前読んだだけなのだが僕と思っていると急に背筋にゾクッとするような感覚を感じたが振り向いてもそこには雷龍達がいるだけだった

今の感覚は何だったんだろうと首をかしげたが気にしないで進むことにした

シルフさんに手を引かれながらしばらくしてようやく城の前にたどり着いた

門の前には憲兵らしき人が立っていた

その人がこちらに気づき敬礼をする

そしてすぐに門を開けてくれた

リークさんとシルフさんがいるから顔パスのようなものだろう

門をくぐり城の中に入ると壁にはランタンなど綺麗な絵などが飾られていた

見るものすべてに驚きながらそこから階段を上に上がり二階・三階・四階とあがり

廊下を少し歩くと大きな広間に出た

そこには剣や槍を持った人たちが並んでいた

何やら厳格な場所らしい

目の前を見ると薄いカーテンが垂れ下がり椅子が置かれていた

どうやらあそこに王が座るのだろう

そう思っているとシルフさんが手を放し


「今から王が見えますのでこのままお待ちください」


そう言い僕らはまだ見ぬ王を待つことになったのだった

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