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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第一章 世界はコミックマーケットから
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第7 はじまる異変

なんだ・・・何が起こった!?確かに聞こえた遠くから鳴り響いた轟音。

振り返ると、人混みの奥では黒い煙が上がってるのが見えた。

一瞬の出来事過ぎて周りの人も理解できていないようだ。

煙が上がった方を見てスマホを持ち、写真を撮る準備などしていた。

次の瞬間、悲鳴があがった。


「きゃああああああああああ!!!!」女性の悲鳴が屋外展示場に響き渡るのと同時にようやく事の理解が出来たのか周りの人が悲鳴をあげながら逃げ始める。


「テッテロだあああ!!!」


「あの男が、爆弾で爆弾でえええええ!!!」


「いや違う!!!拳で地面を砕いたんだ!!」


など、情報が混乱しているようだった。

何?男が爆弾を爆破?それとも拳で?ってそんな情報はどっちでもいい、今は桜さんを連れて安全な場所に避難しないといけない。

隣を見ると、桜さんも震えていた。

凄く怖いのであろう、僕の腕をギュッと抱きしめていた。

本来なら喜ぶべき瞬間なのかもしれない、だけど今はそんなことでドキドキしている場合ではない。


「桜さん!!!とにかく安全な所へ早く逃げないと!!!」


声を荒げて言う、ハッと気がついた桜さんも頷いた。

慌てて逃げる人達と一緒に逃げようとしたが、「え~~~~~ん」と泣く声が聞こえた。

振り向くと、6歳くらいの男の子が爆発のあった方向にいるのが見えた。


なんでだよ、なんでそんな所で泣いているんだよ、親はどうしたんだ子ども置いて逃げたってのかよ。

あぁあああ!!もう!!!そう思いながら助けに走り出そうとしたその瞬間、桜さんが走り出していた。


「桜さん!!!?」


僕は、いきなりの出来事で少し驚いた。

先程まで、震えていた女性が危険かもしれない場所へ向かって走ったのだから。

一瞬遅れて自分も走り出した。


後ろから戻りなさい!!、危険だ!!など聞こえてきているがなりふり構ってられる事じゃない、命どぅぬちどぅたから沖縄の方言で命こそ宝という教えを何度も言われてきたからわかる。

今目の前で、危険な場所で泣いている子がいる、それを助けに行った友達になった人が居る、それを助けに向かわないで何が男だ。


桜さんに追いつき子どもの元に到着する。

桜さんは必死に泣いている子どもをなだめていたが、泣き止む様子がない困り果てている桜さんを見かねて自分が子どもに話しかけた。


「よぉ!大丈夫かな?少年。僕は、夢見間ゆめみま かけるっていうんだけど君は名前はなんていうのかな?」


すると子どもが泣きじゃくりながらも「はる・・さくらいはる」と答えてくれたのだ。

桜さんは驚いていた、なだめようとして名前を聞いても一向に答えてくれなかった子が僕の問いには答えてくれたからだ。

なんで?という顔をしている桜さんを横に話を続けた。


「そうか。さくらいはるくん、いい名前だね怖かったよないきなりで、でも大丈夫だよ急いでここを離れようか。お父さんかお母さんはどこにいるかな?」


泣きながら指を指す方向を見ると、お母さんらしき人がこっちに来ようと必死に声をあげていたが周りの人達に止められていた。

はるくんの頭を撫でてあげてニコッと笑う。


「もう大丈夫だから泣かないでな、桜さんこの子を連れて急いで戻りましょう。」


と話しかけると桜さんが自分の後ろを見て震えていた。

振り返ると、10メートルくらい先から少し体格の大きな30代くらいの男が炎の中から出てきたのだ。


「破壊・・・・破壊・・・・破壊・・・・僕が欲しいものが手に入らない・・・こんな、こんなコミケなんて無くなってしまえばいいんだあああああ!!!!」


と展示場全体に響くくらいの声で叫んだ。

その声に少し怯んでしまったが、一瞬で我に返り桜さんに言った。


「走るんだ!!はるくんを連れて早く!!!!」

桜さんは一瞬戸惑ったがはるくんを抱きかかえた。その瞬間男もこちらに叫びながら走ってきた。


「はしれええええええええええええ!!!」


僕は思いっきり叫びながら桜さんの肩を押す。

桜さんは振り返らないで全力で走ってくれた。


正直一緒に逃げればよかっただろう、だがそうしたら三人まとめてやられてしまうそんな気がしたのだ。

その予想は正しかった。

男は、普通の人間じゃ出せないようなスピードで迫ってきた。


なんだコイツ、走る速度がまるで人間じゃねぇ!!そう思ってる間に男は僕の目の前にやってきた。


「なんだお前・・・ひっヒーローのつもりか?こっこのリア充があああああああああ!!!」


といきなり凄い速さでお腹にパンチを決めてきたのだ。


身体が吹き飛ばされたのを感じた、次の瞬間には地面に倒れていた。

倒れた自分を洋服の胸ぐらを掴んで持ち上げて男が言う。


「俺はなぁ!!!朝から並んで欲しいグッズがあった!!だが!!それはすぐ売り切れてしまった!!なぜだああ!!俺は時間を守って入ったのになんでなんで!!手に入らないんだぁ!!お前みたいなのが居るから、リアルで伸び伸びと過ごしているお前のような奴がいるからぁ!!俺のような日陰者が生まれるんだ!!!」


凄い大きな声で罵声を浴びせてきた。

おいおい・・それただの逆恨みじゃないのか?つまりなんだ?欲しいのがあったが手に入らなくて、みんなが楽しそうなのを見てそれが嫌になってこんな騒ぎを起こしてるって認識でいいのか?これは。


「だからよぉ!!俺が欲しいものが手に入らないこんな!こんな!二次元が蔓延る世界なんて!!消えてしまえばいいんだあああ」


その言葉が聞こえた瞬間


「ふっざああああけんなああああああ!!!!」


思いっきり男の顔を蹴ると男は顔を歪め後ろに倒れた。


「いいか!!!よく聞け!!!この世の中にはな、欲しくても欲しくても手に入らないものが沢山あるんだ!!今日だって、やー(お前)のように欲しいものがあっても手に入らなかった人達だって沢山いる!!それをなんだやー(お前)は、ただのわがままでみんなが楽しみにしていたコミケを荒した挙句二次元を消す!?ふざけてんじゃねええええええ!!!」


今までの人生で初めてじゃないかと思うくらいの大きな声で叫んだ。

吹き飛ばされた時にぶつけた頭から軽く血が流れているのがわかる、身体も痛い。

それでも、自分の好きなアニメや漫画を侮辱されたような気がして我慢できなかったのだ。

きしむ身体を抑えながら立つ、振り返ると桜さんははるくんを母親の元へしっかり届けこちらを見ていた。

よかった、無事に届けてくれたんだ。少し安心したがまだだと男の方を向くと凄い速さで蹴りをくらってしまった。

「かはっ」という声をあげ口から血しぶきが飛ぶ・・そのまま地面に叩きつけられた。

やばい・・・骨が折れ痛みで意識が飛びそうだった。

男が近づいてくる。


「お前が言いたいことはそれだけか・・・・じゃあ、その楽しみにしていたコミケで死を迎えることができるのを光栄に思うんだな!!!」


そう言い放ち拳を振り上げた。


「だめええええええええええ!!!!」桜さんが叫ぶ。


あぁ・・・僕ここで死ぬんだ・・・コミケもっと楽しみたかったなぁ・・・アニメも漫画ももっと見たかったなぁと覚悟を決めて目をつむろうとした時


「諦めるのは早かろう!!!」


その不思議な声と共に胸のポケットがひかった。


「なっなんだこれは!!!この光は!!!!」男がたじろぐ。


次の瞬間、男は吹き飛ばされていた。


一瞬の出来事すぎてわからなかったが、光が収まるとそこには先程あった神子かみこさんが立っていた。が、よく見ると先ほどとは違い白い巫女服を着ていて、胸元には勾玉のようなものを身につけていた。


えっ・・・なんで神子さんが?何が起こったかわからないような顔をしている僕に話しかけてきた。


「無事なようだね賭くんって、あまり身体は大丈夫じゃないようだね。今治してあげるから待ってるんだよ。」というと手を僕の前にかざした。


「地の地脈は我と共に、天の天脈は我の力に、万象を合わせかの者の体を癒したまえ!!!天地功てんちこう


言い放つすると身体に光が集まりみるみると身体の傷を治していった。


いきなりのこと過ぎて呆然としたが、すぐに我に返る。


「神子さんあなた何者なんですか!!?光の中から現れたり、僕の体の傷治してくれたり。」

と問うと神子は答えた。


「何者かって聞かれるとこう答えるしかないかな・・・神様だよ。天照神子あまてらすかみこってのは偽名でね、本当の名前は天照大御神あまてらすおおみかみって言うんだよ改めてよろしくね。」


その答えに目をぱちくりしてしまった。

えっ?神様?マジで?本物?っという疑り深い目で見る僕を見て笑った。


「やっぱ最初は信じられないよね。でも本当の神様だよ、傷を治したのがその証拠だよまぁ、君の場合私の血が少し入っているから治りが早いけどね。」といった。


なんだって??

今なんか聞きずてならないことを聞いたがまぁ今はそんなことは置いておくとしよう。

まずは、目の前にいるあの男をどうにしかしなくてはいけない、そう思い男の方を向くと男が立ち上がっていた。

凄い形相でこちらを睨んでいる。


「あいつ心見こころみに憑りつかれてるね。」


「心見?なんですかそれは?」


「心見とは、人間に憑りつきその憎悪にも似た気持ちを膨れ上がらせあの男のように驚異的な力を与える言わば悪霊みたいなものね。」


「悪霊ですか・・・」


なんだかもう本当にアニメや漫画みたいな展開になってきてるなと肌で感じた。


「つまりあの人を元に戻すためには、心見を倒すしかないんですか?」

天照は自分の問いに頷く。


「でも早く倒さないとあの男の人もう元に戻れなくなるよ。」


「じゃあ!早く倒してくださいよ!神様なんでしょ?」


急かすが天照あまてらすは動かない。

何故だと思い天照が見てる視線の先を見ると、そこには全身を漆黒のフードで身に纏った者たちが立っていた。

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