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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第2編 第一章帰省
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第70 ニライカナイ

「ふっ!はっ」

拳を握りしめ、目の前に敵を想像して拳を打つ

夢見間家の地下別室のトレーニングルームでシャドーをする桜

ふとよぎるのは一緒に別の空間で行動を共にし修業をした賭の顔

先ほど私はどんな顔をして彼を見送ったのだろう

そして私はどんな顔をして修行中彼を殴っていたのだろうか

拳を止め口元を触る

すると後ろから人の気配がした

「誰ですか!?」

拳を握りしめ振り返る

するとその人物はいきなり攻撃を仕掛けてきた

とっさに後ろに飛び攻撃をよける桜

膝をついて顔を上げると神子が立っていた

「天照様!?いきなり攻撃してくるなんて酷いじゃないですか」

桜が立ち上がると

「いや何、少しばかりトレーニングをつけようと思ってね桜が一人で難しい顔をしていたからね。話を聞きながらでも今のお前の力を見てみたくなってね」

神子の姿から神の姿になる

桜は肌がピリッとなったのを感じた

明らかに天照の気配が前と違い格段に上がっていたからだ

あの空間で別の場所でお互い修行をしていたが、一体どんな修行をしたらここまで変わるのだろう

そう思いながらも口元がにやつくのを感じ

ハッとなり手でまた口元を触り確かめる

(私は今笑っていたのか?なぜ?どうして?)

戸惑っていると天照が拳を構え突っ込んできた

とっさに反応して防御をとろうとするが間に合わない

ドンッという音が部屋中に響き渡る


「ほぅ・・よく止められたわね」

天照が放った拳は桜が一瞬の判断で放った拳で相殺され

お互いの拳が空中で止まる

「危ないところでしたよ、でも防御に徹しないで正解でした」

桜がそう言うと天照は

「攻撃は最大の防御にもなるっていうしね、その判断は正解ね」

そう言い天照は拳を収める

そして天照の姿から神子の姿に戻る

「あの?天照様?」

桜が戸惑っていると天照が桜の額にデコピンをする

「いたっなにするんですか!!」

桜は額を抑えて座り込む

天照もしゃがみ込み桜を見る

「まったく桜あんたまたくだらないことで悩んでるでしょ?当ててあげようか?それは賭くんと修行中戦っている時に今みたいに嬉しそうに笑って戦っていたってところかな?」

ズバリ言い当てられ桜はぎくりとする

「お前は馬鹿か!」

今度は天照のチョップが桜の頭に振り下ろされる

「いたっ!」桜は今度は頭を抑える

天照は立ち上がり言う

「そんなの気にすんなっての!現に賭くんはそんなこと気にしていた?」

そう言われ桜は首を振る

賭はまったく気にしていなかった

むしろ気づいてさえいなかったのかもしれない

でもそれでも自分がなんで修行の時も、今も笑ってしまったんだろうと悩んでしまう

桜が少し暗い顔になりそうになると天照は桜を見下ろしながら

「また悩もうとしてる!まったくあんたはなんか考えるとそうやっていつも一人で落ち込んだ感じになるんだから!いい!あんたが修行中も今もなんで笑ったか教えてあげる!それはね!あんたが本気で戦える強い相手と認識したからよ」

真剣な眼差しをして天照は答える

その言葉を桜は素直に受け入れた

拳を見ながら

(私は賭くんや天照様と本気で戦いと思ったから嬉しくて笑ったのか)

拳をぎゅっと握りしめる

そして立ち上がり

「ありがとうございます!なんだか自分でもわからない感情だったので戸惑ってしまっていたんです、今の言葉でスッキリしました!そっかぁ私強い人と戦えるのがいつのまにか楽しみになっていたんだ」

天照にお礼を言いながら言葉にして自分で気持ちを確かめる

自分で発した言葉も何故かしっくりきたのでこの言葉に間違いはないと実感した

その気持ちがわかった瞬間なんだか体がムズムズした

「天照さまじゃあ今からもう一度・・」

桜が気持ちを伝えようとした瞬間

キュオーンキュオーンという甲高い警報音が部屋中に響き渡る

「なんですか!この警報音は!?」

「桜よくはわからないがジャンヌのところに行くぞ!!!」

「はい!!!」

桜は天照と共に地下の中心にある大広間に急ぐ




大広間に着くとすでに賭以外の皆が集まっていた

ふと未来を見るとどうやらジャンヌになっているのか姿が違っている


「なんですぅ?このキンキンうるさい警報音はうち疲れて寝ていたんやけどなぁ」

ネクタルがあくびをしながらつぶやく

「私だって新しい武器とかの絵描いて楽しんでたんですけど一体何があったんですか?」

光はそう言いながらも絵を描き続けている

どうやらみんな睡眠をとったり、絵をかいたりなどそれぞれ地下で過ごしていたようだ


するとパソコンをいじっていた焔がジャンヌに言う

「緊急事態です!!!高エネルギーの魔力を感知いたしました!!このエネルギー反応は!!」

焔が大画面に解析結果を出すとジャンヌが驚愕する

「まさか!鬼人だというの!?そんなまさか!!!」

「そのまさかですジャンヌ様、このエネルギーの反応結果はデータ照合98%一致で鬼人に間違いありません」

焔がそう言うと優が声を上げる

「そいつは何!?結構やばい奴なのか?」

優がジャンヌに問いかけると、ジャンヌは画面から背を向け広間にある机のボタンを押す

すると中からキーボドと机の中心に大きな画面が現れた

焔以外がジャンヌの出した画面を見る

「ジャンヌ様!今から場所の特定に入りますので、今からこちらで調べ上げたデータをそちらに送りますので皆様に説明をお願いいたします」

焔がそう言うとジャンヌは頷きキーボードをたたき画面にデータを出した

画面にはこの間賭が倒した鬼と、角が生え着物をつけた人の映像がでてきた

「この人を模したものが鬼人です、先日賭が倒したと思われる鬼の上位個体になります」

「上位個体って!あいつら進化とかするの!?」

桜がそう言うとジャンヌは首を振る


「あいつらは、鬼の突然変異やな・・まさかこの時代に鬼人なんてバケモンが現れるなんてなぁ。そろそろなんですが説明してもらえへんやろうか・・あまりに秘匿されすぎや」

ネクタルが言うとジャンヌがため息をついて画面を見る

「そうねこんなやつまで出てきたら教えてあげないとまずいわね、天照のお父様が言っていた封印の海があるということは覚えていますよね?」


ジャンヌが問いかけると皆頷き桜が答える

「えぇ・・封印の海があるとは聞きました、それを壊そうとするものがいるともそもそも封印の海とはなんなんですか!?」

ジャンヌはパソコンを動かしデータをだす

「封印の海とはかつてこの世界にもう一つ存在した沖縄、琉球黄金郷ニライカナイに行くための封印なのです。」

ジャンヌはゆっくり語りだす

「大昔ニライカナイに存在した姫の願いにより、こちらの神がニライカナイに通じる道を封印したのです。ニライカナイにはいろいろな神具など伝説級の武器なども一緒に封印されております・・その中には奴ら鬼の王を封じた宝玉もあるのです。」

「なんか突拍子もない漫画みたいな話になってるんですけどえっと・・つまり奴らの狙いはそのニライカナイって場所に封じられている鬼の王を復活させるってことなんですか?」

「おそらくは・・・」

優の問いにジャンヌは頷く


すると光が手を挙げる

「えっと封印の海についてはわかったんですけど、じゃあなんで鬼達は今になって現れたのか不思議なんですがなんでなんです??」

光が聞くとジャンヌがまたパソコンの画面を動かす

今度は古い神社のようなものが映し出された

見るとどうやら破壊された後らしくいろいろ散乱しているのがわかる

「なるほど・・封印の海はあくまでニライカナイと鬼の王が封印されている場所であって、他の鬼どもはこの神社に封印されていたわけね」

天照が言うとジャンヌは「はい」と答え更に画面を動かした


「数日前あなた方が来る少し前に破壊されたようです、映像がありますので見てください」

そう言い映像を流す

するとそこにはまだ神社がきれいな状態で残っている映像が映し出される、黄金に輝くとてもきれいな神社だったようだ

しかし、1分くらいするといきなり赤いフードをつけた人物がふと現れる

そいつは神社に手をかざし何かを唱えているようだった

皆じっと映像を見るとその人物の手から光の矢が生成され神社に放たれた

神社はものの見事に破壊され中から黒い宝玉がむき出しになる

そして次の瞬間赤いフードの人物に宝玉は破壊され、赤いフードの人物は一瞬のうちに消えた

「以上が映像になります」

ジャンヌがそう言うとネクタルがほっとした顔でつぶやく

「今の赤いフードどうやら雷龍ではなさそうやねぇ」

天照はそのネクタルのホッとしたようなつぶやきを聞き逃さなかったが今は気にしないでおくことにした

「でっ!!鬼どもは封印を解かれ現代に復活したわけね、それで?鬼達が封印されていた場所っていうのはわかっているの?」

天照が聞くとジャンヌは首を振る

「ごめんなさい。資料には鬼達が封印された場所までは記されていなかったんです・・ただ奴らを封印した黒琉玉こくりゅうぎょくについてと、ニライカナイへ封印を壊さずに行くために必要な琉玉りゅうぎょくが存在するとしかなくて」

「琉玉?」

みんな声をそろえて言う


「はい、琉玉さえあればニライカナイに行くことは簡単なんだそうです。封印を壊さずにニライカナイ内に入れる事ができるらしいのですですが・・その琉玉についてはどこにあるかも記されていないのです。おそらくやつら琉玉を狙っているのだとだからいろんな場所に出現しているんだと思います。」

ジャンヌがそう言うとネクタルが

「なんで琉玉を狙うと思うん??封印を壊す方法もあるんやろ?」

そう尋ねると同時に

「鬼人出現場所特定できました!!!ですが現在移動中、移動先推測!移動先は北の丘小学校です」

「なんですって!?すぐ近くじゃない!?どうして・・・はっ!?賭はいまどこ!?」

ジャンヌの声が変わり焔に問いかけるどうやらジャンヌから未来に変わったようだ

「賭様は・・・位置特定!!!現在地これは!?」

「どこにいるの!?」

「未来様!!賭様は北の丘小学校です!!!!!」

「やっぱり・・・」

未来がぎりっと歯を噛みしめる

「やっぱりってどういうことですか!?」

桜が未来に問うと

「ごめんなさい・・母親として見落としていたあの子の癖を・・」

「癖ですか?」

いったいそれが何なのだろうと思っていると

「桜さん修行中にあの子あなたと話している時に髪を指でクルクルしたりしていなかった?」

そう聞かれ修行中の事を思い出してみるそう言われてみれば確かにやっていたような気がする

そして出かける前にもだがそれがどうしたというのだろう?

とりあえず素直に「はい・・確かしていたと思います」と桜が答える

すると未来が机をたたく

「やっぱり・・」

「なんなん??やっぱりって?」

ネクタルが未来に問う

未来は顔を上げ答える

「あの子・・隠し事があると昔から髪を指でくるくるする癖があるの・・今のでわかった・・琉玉は賭がもっているんだわ」

「「「「「なっ!!!?」」」」」

みんな驚く

だが確かに最初に鬼に襲われたのも賭、そして今回も鬼人が向かう移動先には賭がいるあながち未来が言っているのは間違いじゃないのかもしれない

でもいつ??という疑問がでてくるが今は考えている場合ではない

もし未来の推測通り賭が琉玉を持っているとするなら今から助けにいかないといけない

すると焔が叫ぶ!!

「賭様の近くに高エネルギー反応出現!!!これは!!!雷龍です!!!」

「ちょっ!!雷龍もですって!?やはり雷龍も琉玉を狙ってるというの!?」

天照が叫ぶ

「ああぁ!!もう!!!なんだっていうの!?とにかく北の丘小学校ってあの高台にある学校よね!?向かいましょう!!みんな!!」

「「「「いこう!!!」」」」

みんな声をそろえて駆け出した

そして皆が外にでると同時に小学校の方からは轟音が轟いたのだった


修行からいきなりすぎない?っ疑問には目を伏せていただければ助かりますぅ

ニライカナイの事についてもなんとなく思いついただけですから何卒よろしくお願いします

にしてもまさか癖をここで作るとは作者自身も意外だったのでなにかおかしいななどありましたら

教えていただけたら嬉しいです

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