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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第2編 第一章帰省
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第63 特訓開始

「おじちゃんこんなとこで何してるん?」

少年は目の前に倒れている男に向かって言う

男は今にも息が絶えそうな状態だった

乾いた唇で男は一言つぶやく

水が飲みたい

すると少年はキョトンとした顔でどこかへ走って行った

少年の後ろ姿を見ながら思う

「そうだな・・どこの誰とも知らない奴の願いなんか聞き入れてくれるわけがないか」

男は目を閉じようとする

ここが自分の終わる場所なんだと覚悟して

しばらくするとピチョンと頬を何かが流れる

なんだ?冷たい何かが・・

そしてまたピチョンとゆっくり何かが頬を流れる

目を開けるとそこには先ほどの少年が傷だらけになりながら

男の顔に小さな手でバケツからすくった水をかけていた

足は擦り傷でいっぱい

そばには小さなバケツが置いてあった

すると少年は目を開けたのに気付き

「おじさん水!またせてごめんね」

そう言いながら顔は涙で溢れていた

きっと痛いのを堪えているんだろう

ここに戻ってくるまで何回も何回も転んだのだろう

男は問う

「少年・・大丈夫なのか?見ず知らずの私に水なんて」

男の子は涙を流しながら笑顔を作る

そして泣きながらも元気な声で答えた

「命どぅぬちどぅたからだから困っている人がいるなら助けなさいって習ったから」

その言葉を聞いて男は残った力を振り絞り座り込み木にもたれかかる

そして少年を見る

少年は涙をぬぐいながら笑顔を見せる

「命どぅぬちどぅたから

男は小さな声でそうつぶやく

意味は分からないが何故か優しい響だと感じる

そして男は少年の頭に手を置く

少年は一瞬ビクッとなったが撫でられた頭を恥ずかしそうに触る

少年は男の手に触れ言う

「おじちゃん手大きいんだね!!!僕よりずっとずっと大きい」

少年は目をキラキラさせながら言う

男はクスリと笑い手を前に差し出す

すると少年は手を置き手を比べる

その大きさは歴然だった

少年は言う

「僕もその・・・おじちゃんみたいに大きくなれるかな?」

男はその問いに対して微笑みながら言う

「あぁ君だってなれるよ大きくそして強くね」

そういい少年が持ってきたバケツの水をゆっくりと飲む

少年は嬉しそうにその男の姿を眺め続けた













これは夢だとはっきりわかる

とても懐かしい夢だ

幼かった頃の夢

おじちゃんと初めて会った時の夢だ

大切な思い出だ

だけど幼かったせいかおじちゃんの顔を思い出せない

賭はゆっくりと目を覚ます


目の前にはたき火がたかれており

綺麗な砂浜と綺麗な夜空が広がっている

そして目の前には水着姿でいる桜さんがまだ寝込んでいた

どうしてこうなったのかは何とか思い出すことがどうにかできた

桜さんのおかげで海に叩きつけられずすんだのだが

桜さんを抱えて陸にあがったまではいいが気を失ったのだ

今までの事情もどうしてこのような状況になっているかまですべて思い出せた

しかし

目の前のたき火を見つめる

そして考え込む

自分はたき火を意識ないままつけたのだろうか?

もしかしたらそれは百歩譲ってあるかもしれない

だが意識がもうろうとしていても桜さんを脱がせて水着にしてレジャーシートに寝かせるなんて僕には絶対できない

恥ずかしいというか犯罪に近いから絶対しないだろう

なら誰が?そう思い空を見上げる

「あの空から落ちてきたのは間違いないんだよな」

そうつぶやく


母親にグループごとに分かれさせられグループごとに部屋へ入って

何故か自分達は空の上に居て真っ逆さまに落ちてくるなんて

というかまずこの拡張空間はなんだという事に疑問を抱いてしまう

いまだに自分の母親は謎だらけだ

もしかしたらこの空間にも何かしら仕掛けがあって自分達をこのような状態にしたのだろうか

そう考えながら悩んでいると

「う~~ん」

という声と共に桜が目を覚ます

頭をかきながらこちらを向く

「あれ・・賭くんおはよ~」

寝ぼけているのかなんなのか桜は挨拶してきた

「おっおはようございます」

そう言い目をそらす

その反応に首をかしげた桜はようやく自分の格好に気づく

「なっなっなんで!?なんで私水着なの!?」

そう言い自分の身体をぺたぺた触る

そりゃ驚くよなと思いながら反対を向く

「わっ私賭くんに脱がされちゃったって事!?えっそんな私男の人に脱がされるなんて・・」

なんだか誤解してるようだからすぐに弁解しなくてはと口を開こうとすると桜さんが驚くべき発言をする

「私!!!賭くんのお嫁さんにならなきゃ!!!」

「なんでそうなるんですか!!!!」

思いっきりツッコミをいれる

何をどうしたらそうなるんだと慌てた

すると桜さんはニヤッと笑ってこちらを見た

「やっとこっちを見てくれた」

あっとなると目の前に桜さんが立っていた

クスクス笑いながらこちらを見る桜さん

どうやらからかっていたいたらしい

それに気づいてムスッと自分がなると

「ごめんごめん!君が目をそらすからついね」

と舌をペロッと出して謝ってくる

とても反省しているようには見えないがまぁいいだろうという事にする

すると桜はゆっくりと一回転する

「で!感想は?」

にっこりと笑って聞いてくる

恥ずかしくて顔が真っ赤になりうつむく

すると桜さんは余計近づいてきて

「か!ん!!そ!!!う!!!は!!?」

その圧に負けて

「可愛くて!!にっ似合ってると思います!!!」

と顔を上げていうと桜さんは反対を向き

「そっかそっか!褒めてくれてありがとう~」と言った

そしてまたこちらに振り返ると少し顔を赤らめていた

どうやら言われて少し恥ずかしくなったのだろうと思う

そんなやり取りをしていると空間に入る前に渡されたヘッドセットから着信音が流れた

流れてきた着信音はどこかで聞いたアニメ音だった

ピッとスイッチを入れると

「よぉ~賭~聞こえるか~~」優の声が聞こえてきた

「あぁよく聞こえてるよこれ防水なんだな海に落ちたからてっきり壊れたと思っていたが」

そう言うと優は笑いながら

「あぁやっぱりお前ら空中に転送されちまったのか悪い悪い俺の計算ミスで座標を変なとこにセットしてしまったみたいなんだすまんすまん」

そう弁明する優だがなんとなくわかる

「お前・・わざとだろ」

そうこうやって茶化す時の優は大抵わざとだ

するどい指摘を受け優は「なんのことかな~」とすっとぼけている

こいつ絶対ここから出たらお灸をすえてやると思いながら話を切り替える

「まぁいいやところでここの空間なんなんだ??うちの家に地下があるのも驚きなんだがこんな空間もあるなんて」

そう言うと優は自慢げに

「その空間はな神子さん元いい天照様の力とある力を使って作った空間で実際にはお前の家にある空間ではないんだよだからどんなに激しく暴れても大丈夫だから気にしないでバンバン特訓してくれ」

もう何がなんだかと思ってしまう

建物の時間を戻したりすることが出来るくらいだから神子さんならもしかしたらできるのかもしれないのだろうけどそれに加えて違う力もあるなんて

通信を聞きながら少しため息が出る

「もう漫画の世界じゃねぇかこんなの・・・」

そう言うと優が

「お前の力自体もう二次元の力使っているんだから今更こんな事で驚く事ないだろ?」

「確かになぁ」

優に言われて納得してしまう

むしろ神様の血が身体を巡っているって事態でもうファンタジーだよなと思った

「まぁ気にせず特訓するしかないだろ!なんたって相手は雷龍ってやつなんだろ?俺も詳しくは聞かされていないからわかんないけどユニゾン?ってやつ使わなきゃいけないんだろ?例のあの人から聞いているからさ」

そう優が話す

例のあの人というのは恐らくマーリンの事だろう

名前を出さないのはもしかしたら他のみんなにも聞かれる可能性があるかもしれないからの配慮であろう

そうさっしながら話を聞き続ける

「どうやらユニゾンってやつはお互いのパワーを同じくらいに合わせてやらないといけない技みたいでな今の計算上もっともパワーが近いのは桜さんという事でお前はペアが桜さんになったんだけど大丈夫か?」

「大丈夫ってなにが?」

優の言葉に首をかしげる

「何がってお前・・あっ言わない方がいい??わかりました」

どうやら後ろで母さんが優に話しかけているようだ

「お前の母親が身体で体感したほうが良いってさ!とりあえずお前には今から桜さんとバトルをしてもらうって事で以上だ!!まぁ俺から言えることは一つ!!!全力でやれ!!じゃあな!!」

「あっ優!!!聞きたいことが!!!」

プツンと聞く前に切れてしまった

たき火の事や桜さんを着替えさせたのは優たちなのか確認したかったんだがなとヘッドセットを取り外して振り返ると桜さんがストレッチを始めている

よく見ると手にはバトルの時に付けていたグローブがすでに装着されていた

屈伸を終えて桜さんがこちらが通信が終わった事に気づく

「賭くんお話終わった~~~?じゃあもう始めちゃっていいよね?」

そう言い桜さんは構える

「桜さん・・もしかして知っていたんですか?」

そう問いかけるとすごい言い笑顔で頷く

ハアとため息をつきうなだれながらカードを取り出そうとすると

びゅんっと桜が動き目の前の地面に拳を叩きつけて来た

素早く反応し避けなかったら危なかった

そう思いながら砂煙を見ていると中から桜さんが出て来た

「本気でやらなきゃ怪我するゾ!!それじゃあ!」

そう言い桜さんはまた構えなおす

「特訓開始!!!」

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