第61 精神の狭間
どこからか声が聞こえるそう思い目を開ける
すると見知らぬ天井が見える
起き上がり周りを確認しようとする
「いって」
胸のあたりに凄い痛みが走る
よく見ると胸のあたりにデカい傷がついていた
そして周囲を確認して見るとどうやらどこかの部屋の様だ
[なんだ・・この傷・・それに僕は確か・・・」
はっとなる
「そうだ!!!僕は確か知らない子と一緒に鬼と戦ってそしたらなんか空から男が降りてきてそして・・」
「そしてどうなったのかな??」
「そしてぶっ飛ばされて負けてそこから意識が・・・っん??」
横を見るとそこにはピンクのツインテールで水色のローブをつけた女性だベットに両肘をつきながら自分の事を見ていた
女性は僕が見るなりニコッと微笑みかける
「なにやってんですか?マーリン様」
僕を見ながらニコニコしているその女性に話しかける
すると少し頬を膨らませて
「だから!!前に言っただろ私の事を様づけで呼ぶんじゃないってマーリンでいいんだ」
僕の事を指さしながら歯をギシギシ言わせながら起こる
そんなになんで呼び捨てにさせたいのかは訳がわからないがそれは置いとくことにしよう
「わかりました。マーリン一体何やってんですか?」
「えっ怪我した男の子の身体や寝顔をみるのって普通じゃない?」
「いや・・普通じゃないですよ」
「いや普通だろ」
真顔でマーリンは答える
それに呆れてため息しか出ないのは傷のせいもあるのだろうか?
もうツッコミをいれる元気もないので話を切り替えることにする
「それでマーリンここはどこなんだ?てかなんでここにいるんだ??確かむやみやたらに僕たちの前には現れる事ができないはずだろ?」
そう一番の疑問だった
ビックサイドでの戦いの時バトルのエネルギーに紛れて時間を止めて身を隠しながらしか現れる事ができなかったマーリンが今目の前に居ることが不思議であった
マーリンは立ち上がって指を遠くにある椅子に向かってクイッと引き寄せる動作をする
すると椅子がスッと動いて目の前までやってきた
マーリンは目の前に来た椅子に座る
「すまない座らせてもらうよ、そうだねその疑問に答えてあげよう!ここは精神の狭間世界言わば夢と現実の境目というところかな?ここにいるのは当たり前だよ私の空間なんだから、そして私が現れたわけじゃない」
そういい指をこちらに向ける
「君がこちらの世界に来たんだ賭」
そう言われ困惑する
「えっ!?どういうことですか!?僕が来たって僕何もしていないですよ!!!ただ・・」
先ほどあった事が頭によぎりうつむく
あの急に現れた金髪の髪をした男雷龍
そいつになすすべもなく敗北したことを
するとマーリンが腕を組みながら椅子に背を預ける
「ふ~んそうなんだ雷龍のやつが現れてやられてしまったわけか・・なるほど確かに今の君では荷が重い相手だったかもね」
えっ?っとなり顔をあげる
自分は今うつむくだけで一言もその内容を話さなかったなのになんでわかったんだと不思議になり目を見開いて驚いているとマーリンが笑い出す
「あはははははは!目開きすぎだよ!そうだったそうだった!」
手を叩きながら面白そうにしている
「いや!すまない先程ここは精神の狭間世界言わば夢と現実の境目って説明したと思うんだけど言わば君が思った事はこちらに伝わっちゃうんだよだから今のも読めたってわけさ」
そう答えながらも笑いをこらえているようだ
自分はどんな顔をしていたんだと考えてしまうが今は置いておく
「じゃあ今言ってもらった通りです僕は雷龍になすすべもなく敗北してしまいました、悔しいですが力不足なのはあいつを見た時からわかりました・・・あいつは何か次元が違う感じがしましたどちらかというと」
「ジェノサイドより上ということかな?」
マーリンがそう答え自分は頷く
「はい・・あいつはなんかそんな気がしました、明らかにあいつはジェノサイドより格が上な気がしましたそんな奴に神のカードを持たない僕が対抗できるはずもありませんでしたが・・・」
うつむいて自分の傷をみつめる
この傷が何よりの証拠
自分は勝てないと分かりながらも挑んでいった無謀だった事は明白だった
だけど戦わないとと心が叫んだ
どんなに勝てないと分かっていてもやらなきゃと
だけど負けた
歯をギリッと鳴らしながらうつむく
するとマーリンは自分の心を読んだのだろう僕の手を握りしめる
「君が戦ったのは間違いじゃない・・戦わなければいけないそう思って動いただけでも君はよくやったと私は思う負けてしまったのは仕方ない奴は神獣の中でもトップクラスの奴なんだそんな奴を相手に引かなかっただけで私は君をほめたたえるよ」
暖かい言葉それだけで心がなんか救われていく感じがした
「でもね賭実はこの世界に君がこれたのは私の力でも偶然でもないんだ」
「えっ・・どういうことですか?マーリンがここに僕を連れてきたわけじゃないんですか?」
そう問うとマーリンは首を横に振る
「私じゃないんだ賭この世界にこれたのは・・・雷龍の力なんだ」
「えっ・・・それってどういう・・」
「理由はわからない・・ただあいつとは知らない中ではないのでね昔と変わらないならあいつは多分君に強くなって自分と戦ってほしいのかもしれないな」
マーリンはそう言うと立ち上がる
「あいつは昔からバトルマニアでね私も何度も相手したことがあるくらいだまぁ私が100戦中80戦くらいは勝利しているがね」
笑いながら楽しそうにマーリンは思い出を語る
「だから私の所に送り込んだんだろう自分を止められるくらいに強くしてみろってさあいつとは今はもう会うことが出来ないから・・・」
今度は少し悲しい顔をしながら天井を見上げる
自分もマーリンの考えていることが読めたら今の気持ちを共感してあげられるのだろうかそう思いながら横顔を見ているとマーリンがこちらを向きニコリと微笑む
どうやら今の考えも読まれてしまったようだ
「というわけで君はここに今いるってわけだわかったかな?」
しかしもう一つ疑問になった事があった
「あの・・マーリン確かここ精神の狭間って言っていたよね??なんかさっきからクラクラして血が無くなっている感覚に襲われているんですけど・・まさか・・・」
先から気になっていたクラクラするのだが傷を触っても血が付いたりしないし
身体からどんどん血の気が引いているような感覚に襲われている
するとマーリンがあっという顔になり急いでポケットからなにやら端末を見ている
そして端末から目を離しこちらを向く
「いや・・・多分賭が今考えている通り今君精神が身体から飛んでいる状態なんだ君アニメとか結構見ているから知っていると思うけど人間てのは、身体、魂、幽体で出来ているんだ精神は幽体に紐ついているから今ここにいるのは実は幽体の方の君なんだけど・・・雷龍のやつなにも考えてなかったんだろうね・・君の身体が今やばい状態みたい・・・今優から連絡あった・・・」
さっきよりなんか身体から力が抜けていくのは気のせいじゃないのかもしれない
すぐに思った事僕死ぬの?と
マーリンは慌てて壁においておいた杖を持つ
そして地面に魔法陣をかき始めた
「いいかい?賭今から君を身体に戻す!そうすれば幽体が戻る事によって一気に身体に力が戻って身体が天照の血によって急速的に回復するはずだ何!すぐに戻せる心配することはない!痛みは一瞬だ」
痛いんだと思ったが死ぬよりはましだろうと思った
するとマーリンが魔法陣をかき終え壁にある机から何やら本を取り出した
「あの天照のバカは私をまだ敵だと勘違いしたままだからな雷龍が犯人とわかったらまた私に疑いをかけるはずだからなだからまぁ神酒のやつはそれを面白がって言ってないみたいだが・・まぁなんにしろ今回あったのも内緒にしとくんだよ!あとこの本を渡しておく君の精神に埋め込んでおくから寝るときに思い浮かべなさいそしたらメーカーの力の修行に使えるはずだ」
そう言い本を渡される
「あと身体に戻ったら天照に言いなさいユニゾンの特訓がしたいですと」
「ユニゾンですか??」
そう聞き返すとマーリンは頷く
「雷龍のやつに対抗するには多分仲間の力が必要になるはずだ!そして私は感じている雷龍だけじゃない今沖縄に新たな敵が近づいていることを」
「新たな敵って!?えっ」
聞き返そうとすると魔法陣が光りだす
「すまないもう君の身体が限界に近づいているみたいだ送るよ!!」
そう言い杖を構える
「古の力よ我が杖の導きにしたがいこの者今一度身体に戻る事を許したまえ星の元その力を使い再び彼を現世に結びつけたまえ!!!スウロットリカバリー」
すると魔法陣が一気に輝き身体を包み身体がどんどん沈んでいく
ゆっくりと沈みながらマーリンをみるとまたニコッと優しく微笑んでくれた
親指を立てながら沈んでいこうとしたら
「アイルビーバックしたらだめだからね~」
と元気な声が聞こえ光の中に吸い込まれていった
「頼んだよ・・OO」
マーリンは賭を見送った後一言つぶやいた
マーリンと別れ光に包まれてどのくらいの時間がたっただろうか
しばらくするとどこからか声が聞こえる
だれだろう・・優しい声だ
でもどこか懐かしい気もする
声の聞こえる方に進んでいく
するとドアが見えた
ドアノブに手をかけてゆっくり開く
「賭くん!!!」
目を覚ますとそこには神子さん、桜さん、光ちゃん、神酒さん、優、焔がいた
目をパチクリしていると神子が泣きそうな顔になりながら抱きついてきた
「よかった!!!よかったよおおおおお」
強く抱きしめてきた
「神子さん痛い!!痛い!!!」
そう叫んでも離そうとしてくれない
周りのみんなも嬉しそうにして少し涙目になっている
しばらくしてようやく神子さんが離れてくれた
少し落ち着いて皆にお礼をいう
「みんなすまない・・心配かけました、油断したばっかりにやられてしまうなんて」
そう言うと神酒が肩に手を置く
「油断しとらんやろぉ真正面からのその怪我明らかに真っ向勝負したんやろ?あいつと」
どうやら神酒はすでに誰がこの傷をつけたかわかっているようだった
優しそうな顔をしているが肩においてる手が少し強くにぎられる
すると神子が泣き顔からもどり引き締まった顔になっていた
「そうね神酒の言う通り今回は相手が悪すぎたわねあの龍!!賭くんをこんな目に合わせて見つけて八倒してやる」
黒いオーラを出してるのが見えそうなくらい何故か二人は怒っていた
理由はわからないがなにかあるのだろう
そう思いながらもみんなを見回して言う
「いや・・今回は僕が本当に油断していたんだ・・だから今度こそあいつは僕が倒すそのために」
天照の顔を見てお願いをする
「僕に修行をさせてください」




