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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第三章 激戦の最終日
47/96

第46 終わりそして始まりへ・・・

「コミックマーケット全日程を終了いたします!!皆さんお疲れ様でした!!!」

会場内にアナウンスが鳴り響く

すると会場中の人が一斉に拍手をする

駅に向かって歩いてる人も、会場のエントランスにあるカフェ「プポント」に座って夏コミ最後の食事をしながら戦利品を見せ合う人達も、それぞれの場所で拍手をして全日程が無事終わった事を拍手する。

それを見ながら自分達も拍手をする

その光景は本当に嬉しいものだ

楽しかったり、悔しい思いをした人も居るだろうだけど、それでも最後はみんなで一緒になって拍手をするとてもいい光景だと見ていて思う

拍手は30秒~1分くらい続き鳴りやむと同時に感じてしまう


ああ・・夏が終わったんだな・・・と


自分は初参加だったコミケだがなんだかそう思ってしまった

すると感傷的になりながら帰る人たちの背中を見ていると1人女性が隣にやってきた

「賭くんお疲れ様」

そう言ってジュースを渡してくれた

反応して相手を見ると神子さんになった天照様だった

会釈をしてそれを受け取る

そしてまた自分は人々の背中をじ~っと見ていた

「この瞬間ってなんか寂しくなるわよね、私もいつもそう・・この人達すべてと話したわけではないんだけど、みんな一緒に楽しんだんだな~ってなってたまに寂しくなるんだ」

「神様でもですか?」

自分は人々の背中を見続けながら聞く

「神様でもよ・・・」

神子さんは頷きながらそうつぶやく

自分は受け取ったジュースのふたを開けて一口飲む

ふぅ・・と息を吐く

「僕たちは守れたんですね・・この大切な時間を・・・」

そうつぶやくと神子は頷いた

「ええ・・守れたわよあなたのおかげでね」

神子がそう言うと自分は首を横に振った

「僕のおかげじゃありませんよ・・多分僕一人じゃきっとこの楽しい時間を守れなかったと思います。みんなが居たから守れたんですよ・・神子さんや桜さん、光ちゃん、天使の皆さんそして・・仮面の男あとしゃくですけど最後らへんは何故か敵側にも助けられましたしね」

あはっっと賭が苦笑いを浮かべる

するとそれを見て神子は優しい笑みをみせる

「そうだね、もう訳がわかんなくなっちゃうくらいだったものねでもね・・あれはきっと君が繋いでくれた奇跡なんだと思うよ、最初の1日目だってきっと君があの時飛び出さなかったら私は出てこないで別の場所に現れて、君は覚醒しなかったのかもしれない、君があの時戦わなかったら桜はきっと君を逃がしてから1人でも戦ったかもしれない、光だって君の戦いを見て打ち明けてくれたんだ・・・ほら君のおかげですべてが回りみんなを救えたんだ」

そう言い神子は賭の頭をくしゃくしゃ撫でる

「ネクタルとの仲直りだって君たちが居たからできたことなんだ、きっとあのままいったらず~っと分かり合えないままだったんだ、感謝している」

そう言われた後賭は神子の方に身体を向ける

「でも!!!今日は・・僕は・・・僕のせいで皆を危険に・・・」

涙があふれてきた

絶対泣かないって決めていたのに神子からのお礼を言われて自分にたまってしまったものが決壊した

それを見て優しく神子は抱きしめる

よしよしと頭を撫でる

「そうだね・・皆を危ない目に合せてしまったのはショックだよね、でもねみんな君に感謝しているんだ、たった3日間だが君の頑張りはあの2人だってわかっているさ、だからこそ逃げないで君を助けに立ち向かったし、ネクタルもその端末にあのシステムを組み込んだのは君を助けたかったからだろうよ」

抱きしめながら頭を撫でてくれる

「3日前まで普通の青年だったんだ失敗するなんて当たり前さ、それがこんなに周りを巻き込んで大切なみんなの夏を守ったんだ、感謝している」

ぎゅっと抱きしめられる

とても暖かくてなんかホッとしてしまう・・・優しい暖かさ

すると後ろから声がした

「なぁ・・おめぇらいつまでそうしているつもりだ?」

その声に2人はびくっとなり自分は涙をぬぐい声の方向をみるとそこにはアヌビスがいた

アヌビスはうちわをあおぎながら「あちーあちー」と冷やかしてくる

「うっさいわね!元はあんたのせいなんだからね!」

と顔を赤くしながらアヌビスに反論する神子さん

「ほんとあつくてたまりませんよ・・そして抜け駆けはやめてください天照さま、自分だけポイント上げようだなんて抜け駆けもいいとこですよ」

「本当にそうです!1人だけ卑怯ですよ」

そう言いながら桜と光が後ろから現れた

「ぬっ抜け駆けってなによ!私は最高神として今回頑張ってくれた賭くんをねぎらっていただけで・・」

そう言いわけをしていると

「あんたはいつも抜け駆けしようとするからほんにこわいわぁ」

とポケットに入ってる端末から声がした

「ネッネクタル!!?まさかあんた・・・・」

神子が顔を赤くして端末をもつ

「えぇ・・最初から最後までぜ~んぶ聞いてましたよ、あんなに優しい声ほんに私にもかけてほしいわぁ」

端末の先からネクタルが笑う声が聞こえる

神子は顔を真っ赤にして悶えてる

それをみてみんなが笑い出す

「うっさいうっさい!!!もう!!!それより!!!アヌビス!!!あんた!!ちゃんと浄化してきたんでしょうね!?」

そういいアヌビスに指を差す

「あ~どうだかなぁ~ちゃんとしたようなしてないような~」

ジャキンという音とともに桜は拳を光は剣をアヌビスに突き立てた

「はいはい!しっかり浄化してきましたよ!!!たくっなんで俺様がやらなきゃいけねぇ~んだごっは!!」

そう言い放つ前に桜が容赦なく鉄拳を振り下ろしアヌビスが地面にめり込んだ

「元はあんたのせいでしょうが!!!グダグダ言わない!!鉄拳ぶちかますわよ!」

ふ~っと息を整える桜

「言ってる事とやってる事が・・・ちげぇ・・・」

アヌビスはめり込みながらも反論した


なぜアヌビスがここに居るかというと

実はイマジネーションアローを放ったあと自分は気絶してしまったのだ

空から落ちてくる僕をみんなが受け止めてくれた

まぁ・・どうやらイマジネーションアローを望と一緒に少しくらったアヌビスも落ちてきたが誰も受け止めてくれなかったそうだが、自分の無事が確認されたあと神子さんが回復させてあげたようだ

回復させた理由も「冥界の霧ダークミスト」を浄化させる為だったらしい

最初は拒んだアヌビスもどうやらギリギリだったらしいので同意せざるおえなかったらしい

で、桜さんと光ちゃん、天界から来た天使達に監視されながらビッグサイト中に漂った霧を浄化していたというわけだ

実はコミケが無事に最終日を開催できているのにはそこにあるらしい

あの霧は、冥界の力で発動している為周りの建物を破壊してもそれは人界には影響しないで逆に冥界のものが壊れているそうだ

つまり建物のダメージすべてなかったことになったそうだ

目を覚ました時コミケが無事開催してることにほっとしたのもあるが、アヌビスがしっかり働かされてるのにはとても驚いた

みんなにどつかれながら働くアヌビスには何故か笑えた

という訳で今目の前でこのような現状が起こっているわけだ



「けっもういいだろ!!今回は俺たちの負けだ!!今回はお前たちにじゃない!あの・・・野郎にだ」

アヌビスの言うあの野郎というのは自分の身体を乗っ取った相手「闇夜 望」

自分は最後の方しか戦っていないのであまりわからないが相当やばい奴であることは間違いない

先ほどまで笑っていたみんなの顔が一気に暗い顔になる

すると「あ~暗い顔してどうしたんだ?賭?」と声がした振り向くとそこには優が立っていた

みんな一斉に優の方を向く

「あ~賭の友達の皆さんですか?こんばんはそしてコミケ3日間お疲れ様です、でえっとなんで暗い雰囲気なんですか?」

優が聞くと神子が「いいえなんでもないの」と笑顔をみせる

優はふ~~んという顔を見せる

「まぁいいです、えっとさっき知らない仮面つけた人から賭にこれを渡せって言われたんで探していたんですが見つかってよかったです」

そう言いながらカバンから何やら取り出そうとしている優に

「へ~知らない仮面の人に~ふ~ん」

と言うと優は軽く自分にだけ苦笑いを見せた

そしてカバンから手紙を出した

「これを渡してくれってなんか名前が書いてあるんで1人1人に見たいですね・・えっとこれが賭のだな・・で名前わかんないんで取っちゃってください」

そう言い神子がそれを受け取る

「わざわざありがとうあっじゃあもしかして賭くんと帰るのかしら?ごめんなさいもうちょっと賭くんと話をみんなでしたいのだけれど・・・」

そう言うと優は首をふる

「今回はなんかそんな雰囲気じゃないんで帰ります!じゃあ先にいくぜ賭あとで連絡してくれな~」

そう言って駅に向かって走っていった

その背中を見ながら思うのはあいつ嘘下手だな・・と

しかし見送った後皆のいる向きに直ると

「にしてもあの仮面の男誰だったのでしょうか?」

「まったく謎ですよね・・天照様心当たりは?」

「いえ・・全くないの・・本当に誰だったのかしら・・問いただしたいこといっぱいあったのに賭くんの無事確認したら消えていたし・・・」

「はっ!!今度見つけたらぶっ潰してやる!」

と口々に話している

うん・・知らないふりを決め込んだ方が良さそうだと蓋をする


「じゃあ・・中身確認しますがいいっすかね?」

そう賭がいうと仮面の男について話していた皆が会話をやめ頷く

手紙を開くと皆の顔つきが変わった

そして読み続けていると先に読み終わったのかアヌビスが立ち上がる

「けっ!!なんだこの手紙は・・敵に塩おくりやがって!!!俺は帰る!!!いいかてめぇらは敵だからな!!今回のはたまたまだからな!!!いずれ全部!!破壊してやるから覚悟しろ!!!」

そういい姿を消した

何を書かれていたのかは気になるがいずれ戦う時に聞いてみようと思う

素直に話すとは思えないが

そう考えてると神子さんが立ち上がった

「やるしかないってことよね・・・いいじゃないやってやろうじゃないの!!!3人とも私も先に帰る!!また連絡するわね!」

そう言い携帯をかけながら去っていく

そして3人が残り顔を見合わせる

「どうやら・・まだまだやることが増えそうね」

桜がそう言うと光が頷く

「ですね、手紙を見るにきっとやらなきゃいけないことがまだまだあるんですね」

二人が賭をジッと見てくる

「ああ・・そうですね・・落ち込んでなんかいられませんね、この手紙にはそれが伝えられている僕たちの物語は始まったばかりなんですね」

ニコッと笑うと2人も笑ってくれた

そして3人で歩きだしエントランスを出てビッグサイトを見る

まだ光輝くその会場を見て写真を撮る

一礼をする

そして思うのだった・・・

冬にまた会おうと・・・・・・・

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