第44 みんなで・・
「そりゃああ!!」
仮面の男は拳を連打で打ちまくる
望はそれを受け止めたり避けたりを繰り返しながら徐々に仮面の男にダメージを与えていく
小さくかする程度だが仮面の男は苦しい声を小さくだす
苦しい・・やめたい・・・無理だ心の中で誰かが囁く
だが男は引かない
今ここで引くわけにはいかないことを知っている
自分がここで諦めたら最後の希望を摘み取ってしまう
だから引くわけにはいかない
「はああああああ!!!」
右拳に力を込めるそれと同時に拳が赤く光りだす
それに反応した望は胸の前で盾の様に腕をくむ
来い!そう言わんばかりの挑発
だがあえてのってやる
男は一気に力をあげる
30・60・80・100・・
まだだ・・まだいける
120・・・150・・・180・・200
その瞬間拳の色が赤い光から金色に変わる
右足を後ろに引き身体を少しかがめる
両方の足にもわずかながらパワーを送り強化する
顔を上げて望を睨みつける
「いくぞ!!!!これが!!俺の全力!!!だああああああ!!!!!」
地面を蹴り前へ踏み込む
すると望の前から一瞬仮面の男の姿が消えた
しかし望は驚くこともなく頭上を見上げる
そこには仮面の男の姿があった
「こざかしい正面から堂々と来るものだと思っていたんだがなとんだ期待外れだ!!」
そう言い拳を仮面の男目掛けてくり出す
するとフッとその姿が消えた
「何!?」
驚きを隠せず戸惑うがすぐに気配を感じる
そうして下を見るとそこには仮面の男が自分の懐までもぐりこんできていた
「レイシャインガントレット!!!!」
しっかりと溜め込み重心をしっかり固定した右ストレートが望に綺麗に決まる
その瞬間綺麗な金色の光が望の懐で光を放ち、凄い轟音と共に吹き飛ばした
数十メートル飛ばされようやく石柱にぶつかり止まる
それを見ながら仮面の男は膝をつく
望が飛ばされた先は粉塵が舞いよく見えなくなっている
息は乱れ呼吸を整えながらも望が飛んで行った先を見据え続ける
すると
ガラガラガラという音が聞こえ粉塵の中から影が見えた
「やるじゃないか・・まさか俺を騙すなんてな、忘れていたぜ貴様らの世界がデータなどを利用する場所だったって事を・・・」
そう言いながら頭をかきながら望が粉塵の中から姿を現した
「あ~痛かったちいとばかし効いたぜ・・・サタンの力使ってなかったらこの体やばかったかもしれんのに貴様よくあんな力使えたもんだな」
仮面の男を見る
ようやく息が整い立ち上がり仮面の男も望を見据える
「信じていたからさ、お前があんなことで倒れるはずがない事を俺は良く知っている・・嫌という程にな・・・」
拳をギュッと握りしめつつ睨みつける
その先で望は服に着いたホコリをポンポンとはらいのける
そしてそれを終えて前へ歩き出す
「ふっ信じていたか・・・まぁよかろう、してあれがお前の全力か?」
そう言い仮面の男から50メートルくらい離れた位置で止まる
仮面の男は望を見ながら頷く
「ああ・・あれが俺の今の全力だ・・・」
望はそれを見ながら両手で拍手をする
「素晴らしい!素晴らしいじゃないか!本当に貴様はあの世界の住人か??俺にデータの残骸で作った偽の自分を見せしっかりと懐に入るまで気配を消し一発を決める!見事だ!!称賛しよう!だが・・」
そう言い拍手をやめる
そして悲しそうな顔をしながら仮面の男を見る
「ここまでだな・・・」
その瞬間仮面の男の前に一瞬で瞬間移動しみぞうちを思いっきり殴る
「がうっ!」
うめき声を上げて今度は仮面の男が吹き飛ばされる
地面に何回もバウンドしようやく壁にぶつかり止まる
それを見ながら望はフーと息をはき右手を前に出し構える
「楽しかったが終わりだ・・・・何を考えていたかはわからず仕舞いだがお前を倒せば計画も破綻しよう」
そう言い手にエネルギーをためていく
すると
「おりゃああああああ!!!」
その声と共に桜が望に向かって拳を振り下ろす
それをふっとかわすと遠くから何かが飛んできた
望はためこんだエナルギーで撃ち落とす
そして飛んできた方向を見るとそこには光が立っていた
望はため息をつく
「先程は絶望したような顔をしていた小娘2人が何の用だ?邪魔なので消えてくれないか?それとも何か?ここで死にたいのか?」
蔑んだ目で2人を交互に見返す
すると桜が一歩前にでてきて
「そうね・・さっき私たちは絶望したわ、私たちじゃ勝てない殺されてしまうだけと」
震える声でゆっくりと話す
「では・・なぜ来た??あのまま大人しくしてればいいものをなぜだ」
暗くて怖い重い声一瞬で先程の絶望にまた飲まれてしまいそうだった、だが望をキッと睨みつけてしっかりと見る
「大人しくしていても変わらない!!!それをそこの変な仮面の男が教えてくれたのよ本人はそんなつもりはないでしょうけどね」
「変な仮面って酷いなぁ・・」
桜の一言に倒れながらも仮面の男は少し文句を言う
「そうです!!!確かに得体のしれない知れない変な仮面の人ですけど、でも!!その人だけに任せてられない!大人しくしていたってあなたは暴れるだから今ここにいる自分達がここでやらなきゃいけないんです!!」
「これ・・そんなに変な仮面かなぁ・・はぁ」
光にも変な仮面と言われてしまいため息をつきながら自分のセンスはおかしいのかな?と思いながらもゆっくりと立ち上がろうとする
すると桜が仮面の男をチラッと見て望に向き直る
仮面の男はそれを見て座りこむ
「やれやれ・・言葉にしないとわからないぞ普通さ、まぁ休んどけって言いたいんだろ?なら少し回復させてもらうからな」
そう言うと桜はわかったわよと言わん感じで手を振る
そして、望に拳を構える
それを見て望は笑う
「仮面の男といいお前らは一体何がしたいんだ!!!!」
そう言いながら高笑いし2人を見る
「いいだろう!今ここでデータを集めさせてもらう!!!何故俺が貴様らを知らないかお前らがなんなのか興味が湧いたかかってこい!!!」
その声と共に桜が踏み込んできた
右左、右左と綺麗に連打を拳でする
それを望は避けたり受け止めたりする
その後ろで声がする
「開け!!!私の力!!!絵に宿る力秘められし思いに答えたまえ!!!絵の魔術!!!(アートマジック)芸術は!!!爆発だあああああ!!!」
そう光が唱えるとスケッチブックの中からミサイルが出てきて望めがけて飛んでくる
それを見て桜が引く
その一瞬で「ふんっ!!」と声を出してミサイルを叩き落とす
光は次々にミサイルをかきあげてどんどん望に打ち込む
だがそれを望はどんどん叩き落としていく
そして20本くらい打ち込んだとこで光が手を止める
桜も距離を取り様子を見る
「この程度か???」
そう言い望が煙の中から姿を現す
「嘘・・全部叩き落としたの??あれを」
光は驚きを隠せないでいた
だが、すぐに我に返りページを開き剣をかきあげる
「デュランダル!!!!」
そういいスケッチブックから取り出す
「はああああああああ!!!セイ!!ハッ」
望に斬りかかるがすべて避けられる
「なら!!!二人なら!!!」
と桜も光と一緒に望に交互でしかける
しかし、望には一発もくらわない
むしろ避けるのを楽しんでいるようだ
2人は望から距離を取り構える
「我、士魂をかけカノ者を葬り去らん!!!!デュランスラッシュ!!!」
「我が結界無数につらなり無限となれ!!!悪鬼を消し去る力となれ!!!!ブラッドジャステイスナックル!!!!」
桜と光が左右から同時に大技をくりだす
望はそれを見て左右に手を出し受け止めた
望のが受け止めると同時に轟音が轟く
バリバリと電撃のようなものが飛び散る
それを見て
「ハアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「テイヤアアアアアアアアアアアア!!!」
桜と光は出力を上げる
更に電撃のようなものが飛び散る
徐々に望を押してるように見える
いける!二人がそう思った瞬間
「やはりこんなもの・・か!!!」
と望が声をだすとパーンという音と共に2人の技がかき消えた
「「なっ!?」」
2人して同じ声を出す
そして先程まで轟音がなっていた場がシンっと静まり返った
桜と光は愕然としていると望は2人を見据える
「フム・・実に興味深い力だ・・絵を操る力に結界の力か・・更に貴様ら僅かだが神気を纏っているな?初めて見るな・・どの世界でもお前らのような奴は居なかった・・・興味深い・・研究材料にしてもよいかもしれんな・・」
そう望が言う
するとピルルルルルルルルルというけたたましい音が鳴り響いた
望は音がする方を見た
そこには端末が一つ転がっていた
「人がせっかく気持ちいい時にうるさい・・・消し去ってくれる」
と端末に向かって攻撃しようとすると
「二人とも!!!!!望を捕まえなさい!!!!」
という声が轟きその瞬間すぐに二人は動いた
ダッシュで望の場へ移動し腕を捕まえる
「くっ!!!なんの真似だ!!!離せ!!!」
と腕を振るが二人はしがみついて離れない
そしてその後ろに仮面の男が現れた
「どうやら時間の様だ!!!!」
そう言って望にしがみつく
「貴様らなんだ!!!何をする気だ!!!」
身体を振りまくるが三人は離れようとしない
すると仮面の男が大きな声で
「アマテラアアアアアアス!!!!!!今だあああああ!!!!!」
「なっ!?」
その声と同時に遠くに転がっている端末が光りだす
バリバリと音を立てて端末から天照が出て来た
「返してもらうぞ!!!!私達の大切な仲間を!!!!」
そう言うと天照は思いっきり野球ボールくらいの球体を投げつけてきた
「くああああああああ!!!!」
そう叫んで三人をあらん限りの力で振り払った
そして撃ち落とそうと構える
だが身体が動かない
「なっ・・なんだこれ・・は」
見ると下半身で光っている物が見えた
気づいたと同時に声が聞こえた
「もしもの時の為が・・まさかこんな感じで使われるなんてなぁ・・・思いもしませんでしたわぁ」
という声が響き渡る
そしてコーンと望に球体がぶつかる
その瞬間望の身体から黒い影が球体に吸い込まれ始める
「なっ・・そんな・・そんな馬鹿な・・・この世界でこの技術は・・・」
ハッとなり仮面の男を見る
仮面の男は仮面が少し割れて少し顔が出ておりその口元がニヤリと笑っていた
「おのれ!!!お前の策はこれかぁ!!!これが狙いだったのかぁああああ!!!」
と吸い込まれながら声をあげる
「そう言う事!賭には悪いがどうしてもお前を賭の身体から出すには力が違い過ぎるんでな、ある程度攻撃をくらってもらったってわけだ、別に大きなダメージとかじゃなくていいからな・・たとえば受けてもらうとかそんな小さい事でよかったんだ。気づかなかっただろ?少しずつだが賭の力がこちらに戻り始めていることを、そして俺がお前の中に光の力を打ち込んでいた事を」
「おのれ!!!あのときに始末するべきだった・・・そこの小娘もお前も!!!!」
「お前は力を過信しすぎたんだよ!本体じゃない自分の力をな!!!!」
「くそがあああああああ!!!!」
そう叫びながら黒い影がすべて球体に吸い込まれた
そして球体が身体のようなものを形成していく
「さて・・賭後始末は任せたぜ」
仮面の男が佇んでいる身体に声をかける
そういうと望が出た身体がピクンと動き声が聞こえた
「ああ・・任された!!!!」
そう言い目を開けた
「賭くん!!!」
「賭さん!!!
桜と光が嬉しそうに手を合わせて喜び合う
天照は少し涙を流しながら
「まったく・・君って奴は・・・」
賭を見て涙をぬぐい
「話は後だ!!!!これを使いなさい!!!」
天照が取り出したのは新しいカードだった
賭はそれを受け取る
目の前の影が人型の形をし声をあげる
「ぐぬああああ!!終わらん!!!終わってなるものか!!!また未来に戻って・・・」
と口にすると天照が言う
「無駄だよ!今あんたは賭くんから離れてほぼ力を無くしてるどこかにあるっている本体にも帰れないはずだ!」
「そんなばかな!!!きさまらああああああ」
襲いかかろうとするが賭がカードを前に出すと望だったものは吹き飛ばされる
そして賭は構える
「感謝はしている・・僕が精神をやられそうになる寸前で変わってくれたことには・・・だけど」
カードが光を放つ
「お前がやったことは許さない!!!我、夢見間 賭が願う!!!夢の間!!夢見る間!!!ひとときの瞬間我に力を!!!世界を守る!二次元を守る力を貸したまえ!!!永遠の想像ダウンロード!!!」
そういうと賭の身体が金色に輝き、白いローブを着けた長剣を持ち金色の髪をした姿になっていた




