表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第三章 激戦の最終日
44/96

第43 逆転するための切り札は・・

上半身は禍々しい色をした鎧

背中には漆黒の四枚の翼

下半身は黒いズボンと紫のブーツ

それを身に纏った望が黒い光の中から現れた

その存在感は凄く、ジェノサイドと同じくらいの重圧を放つ

見ているだけで絶望感にかられる気持ちになる

桜と光は身体が震えて動けなくなるのを感じた

自分達では勝てない・・一瞬でそれを悟ってしまった

すると仮面の男がこちらを見て目で訴えてきた

その目は信念に満ちており身体の硬直が解けそして「大丈夫だ」と言っているようだった

仮面の男が望の方へ振り返り一歩前に踏み出す

そしてゆっくりと問いかけた

「サタンか・・お前その能力・・・殺して奪ったのか?」

ギリッという歯を食いしばる音がなる


すると望は手を開いたり閉じたりして感覚を確かめて手をあげる

「ブラック」

そう小さくつぶやくと禍々しい黒い球体が望の上で一瞬で出来上がった

だがその球体は小さくサッカーボールくらいの形にとどまった

それを見ながら望は顎を手でさする

「ふむ・・同調率40パーセントってとこか・・・やはり本体の身体ではない借り物の身体ではこんなものか、まぁいい・・っとサタンを殺して奪ったのかだったな?」

そういい球体を指でくるくる回しながら仮面の男を見る

「仮面の男よお前の考えている通りだ、そう・・この力はサタンを殺して奪ったものだ、しかしこちらの世界のサタンではない私の本体がいる世界、滅ぼした世界にいるサタンから奪ったのものだ」

そう言いながらサッカーボールくらいの球体を見ながらうつむく

「だが・・サタンを殺したのは私ではないがな!!!」

いきなり黒い球体を仮面の男に蹴ってきた

凄い勢いで黒い球体は仮面の男に目掛けて飛んできた

そして仮面の男に球体がぶつかる

「くっ!!!」という声をだしてそれを受け止め両手で球体を掴む

するとシュンっという音を立てて球体が消えた

それを見て望はチッと舌打ちをする

「やはりか・・完全に力が使えぬか本来ならば今ので貴様とその後ろにいる小娘共も一瞬で吹き飛ばせたはずなんだがな、過去に来ているのも影響しているんだろうが本来の威力など微塵もないな、困ったものだ」

そう言いながらゆっくりと歩いてくる

仮面の男は床に膝をついていた

ポウっと緑の光を出し攻撃をくらったところ回復しながら立ち上がる


フラフラしながらもふうっと息を吐きながら望を見ると一瞬だが足の部分に光が見えた

なんだ?と目をこすりもう一度見るとまた光が見えた

どうやら見間違いではないようだ

だが、望はそれに気づいていないようだ

もしくは見えていないのかもしれない

しかし望の太もも部分に見える光は鼓動をうっているように輝いている

まさか!?仮面の男は目の前に画面を出し先程とった望のデータを出す

そのデータを見て仮面の男は心の中でニヤリと笑った

それを見た望はフンと鼻を鳴らす

「仮面の男よ何を見てるんだ?先程私から取ったデータでも見て何か対策でもする気か?だがほぼ取れなかったはずだ情報は、今更そんな役にも立たないデータ持っていてもしかたないだろ?」

そう言いながら少しずつ少しずつ仮面の男に望が近づいてくる


すると「受け取れ!!!」と言って仮面の男は桜と光へ振り返り手に出したチップを投げる

「えっ!!?ちょっと・・・」

あまりに突然な事に2人は驚くもしっかりチップを受け取る

それを見て仮面の男は言う

「時間を稼ぐ!!!それを天照に送れ!!!」

いきなりの事に驚き

「どうゆうことですか!!?」

光が聞く

「それが今を打開できる最後の切り札だ!!送ったらわかる!!!急げよ!!!」

そう言い残して仮面の男は望に向かって走り出す

それを見て望はニヤリと笑う

「何か考えがあるようだな・・面白い!!!何をやろうとしてるかわからないが乗ってやろう!!こい!!力が思うようにだせなくても貴様ごとき造作もない!!!勝てないとわかりながらも立ち向かってくるその心意気に免じて素手で戦ってやる!!!」

望も走り出しお互いに拳をぶつけあう

スパークしバリバリと音を立て光る


にらみ合いながら拳の連打をお互いにくり出すが拳同士がぶつかり合うだけでかすり傷などはない

互いにダメージをくらうことなく攻撃を繰り返す

それを呆然と見る桜と光は思った

自分達は勝てないとすぐに思ってしまい心が砕けかけた

なのに勝てないとわかりながらも立ち向かう目の前に居る謎の仮面の男は何かを信じている

その信じているものがもしかしたら今自分達に託されたこのチップにあるかもしれないと

互いに目を見合わせ端末を手に取る

「天照様!!!これ!!!もしかしたらこの状況を解決することが出来るかもしれない!!!なんだかわからないけど今私たちが持ってるこのチップどうにかそちらに送ることできないかしら!?」

桜が画面越しに見える天照に言う

天照はじっと2人を見る

「状況は先程モニター越しに見ていた、だがあの仮面の男信用していいのかい?何かをまだまだ隠している得体のしれない奴だ、君たちはそれを信じるのかい?」

天照がそう問いかけるとすぐに光が反応した

「大丈夫だと思います!!あの人は自分達がすぐ勝てないと諦めた相手に今立ち向かっています、多分本当なら自分一人でももしかしたら何とか出来たのかもしれません・・だけどあの仮面の人は少しでもこの状況をひっくり返すために確率を上げる為に託してくれました、それは間違いないと思います」

光が真剣な眼差しで天照に答える

そこには先ほどまで絶望していた目はなく、熱いまなざしがあったのを見て天照は目を閉じ頷く

「わかった・・君たちが信じるなら私も信じよう・・・よし!!誰か!転送装置の準備を!!!今からチップが届くすぐに用意しなさい!」

「わっわかりました!!!」

天照の後ろに居た天使達が大慌てで準備を始める

「じゃああなた達が仮面の男から受け取ったチップを端末にのせなさい」

天照に言われ桜の持つ端末にチップをのせる

「天照様!転送準備完了しました!!!送ってください!!!」

天使が大きな声で叫ぶのが聞こえた

「よし!!!転送開始!!!」

「転送開始!!3・2・1・GO!!」

その声と共に桜の持つ端末にチップが青い光を放ち吸い込まれていく

バリバリと音を立てて数秒後目の前にはチップが無くなっていた

そして通信先の天照が居る先でバリバリと青い光が台に放出されている

その光が無くなり声が聞こえた

「転送成功です!!!解析に入ります!!!」

「よくやった!!!桜!光ちゃん!!!あとは解析が終わるまであなた達は隠れていなさい!!」

そう天照が言うと桜と光は首を横に振る

「いいえ!天照様あの仮面の男の方は1人で頑張ってくれています、なら私達も少しは役に立たなきゃです」

「そうですよ!そのチップがなんなのかはわかりません・・だから賭さんは私達で取り戻さなきゃなんですから、あんな乗っ取り野郎ぶっ飛ばさなきゃです」

そういい2人は笑顔を見せた後頷き合い端末を置く

「さあ!!!いくわよ!!」

2人は走り出す



モニターでそれを確認する天照

「ああああもう!!!少しは私のいう事聞いてほしいのに!!!」

と地団太を踏んでいると複数の天使達が声を出して笑った

それを見て恥ずかしそうに手を動かし皆を見回す

「なによ!!!なにがおかしいのよ!!!」

そう言うとセーフがパソコンを抱えながら歩いてきた

「何がおかしいってそりゃ、あなたがさっき賭くんの身体が乗っ取られたって知った時にすぐに飛び出そうとした姿が彼女たちと一緒だったからですよ天照様、多分もしあの場にあなたが居たら同じような事をしたと思いますよ多分・・いや・・絶対にね」

とニヤリと笑みを見せた

それを聞き少し恥ずかしくなった天照

「うるさい!!解析はどうなんだい!!!!あのチップはなんだったのさ!!!」

恥ずかしさを隠すために大きな声で言う

するとセーフの指が止まる

「すごい・・・天照様!!!見てくださいこれを!!!」

とパソコンを天照に見せる

「これは!!!えっ!!?これは可能なの!?」

天照は画面を見ながらセーフに聞き返す

「可能です!!!これならやることができます!しかし凄いこれは明らかに自分たちの世界のレベルを超えています!ですがこの世界の技術で出来るように落としています、あの仮面の男自分たちの状況もどうやらわかっているようですね」

とセーフが感心する

天照がセーフの頭をぽかんと殴る

「感心してる場合じゃないでしょ!!!早く実行しなさい!!!これなら・・・」

そう言いモニターを見る

「持ちこたえてちょうだいね2人とも・・・」

モニターには2人が戦っている姿が映し出されていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ