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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第三章 激戦の最終日
37/96

第36 分身体

暗い・・なんだろうこの空間は

私は確かビッグサイトに着いた・・はずだ

ゆりかもめにのって無事国際展示場についてそして・・・そこからが記憶がない

腕時計を確かめると、着いた時間からそこまで立っていないようだ

つまり私の記憶が確かならここはビッグサイトのはずだがと首をかしげる

だが周りを見ても暗い霧で前がよく見えない

「誰かいませんか~~~~!!!居たら返事してくださ~~~い」

大きな声で叫んでみると遠くの方で声が聞こえる

人が居る!?声がした方に懸命に声をかけながら走る

するとその声は聞き覚えがある声だった


この声は・・・


急いで歩を進める人影が見えてきたそこに立っていたのは光だった

「光ちゃん!!!」

「桜さん!!!」

お互い手を取り合い抱きしめる

桜が光を抱きしめると光は少し震えていた、その震えを感じて強く抱きしめてあげる

きっと暗い中1人で不安になったのだろうと思った

かくいう自分も、いきなりこんな空間に居たのだから不安じゃなかったと言えば嘘になる

だが、年上としてという意識があり先輩でもあるからと気を引き締めた

「桜さんあの・・・ここはどこなんでしょうか??私確かビッグサイトに沢山の人と一緒に到着したはずなんですが、気が付いたらこの変な暗い空間に居て・・・」

「光ちゃんもなの!?私もなの・・・どういうこと・・・」

「わかりません・・実はここ圏外になっていて通信機も使えないみたいで皆さんとの連絡も取れないようなんですよ」

えっ!?となり、端末を取り出しアンテナを見ると確かに圏外になっている

「確かにダメね・・機能しない・・・」

「はい、多分敵の何かしらの攻撃ですね。でも!!敵の攻撃という事は天照様と賭さんもここにいるんじゃないですか!?」

光は目を輝かせていうがそれはないだろう

もしここに全員集結させていれば、多分これをやった敵は馬鹿としか言えない

仮にもし全員を同じ場所に閉じ込めていたらそれは余程自信があるやつなのか、時間稼ぎなのか、あるいはやっぱり馬鹿なのかである

そう思い桜は首をふる


「いや、多分これは私達を分断するためかあるいは時間稼ぎするための物だと私は思う、だから多分2人のどちらかが居ないかあるいは両方居ないかだと思うわ、でも私の考えからして多分後者が正解だと思う」

「なぜですか?」そういい光は首をかしげる

「考えてもみて、もし天照様がここにいるんだったらあの人の事だから多分何かしら行動を起こして何かしらこの空間におきているはずよ!そして賭くんもまぁ同じようなものね、人が居なかったらあの子なら率先して誰か居ないか探すためにさっきの私みたいに叫んで声が聞こえるはずよ、なのに今耳をすましてもそんな声は一切聞こえない、だから後者が正解だと思うわけよ」

桜が説明するとなるほどと光は手をポンと叩いた


とにかく今はこの状況をどうにかしなくてはならない・・一刻も早くこの場から出なくては・・・と光から一瞬目を離し周りを見ようとした

そこで一瞬おかしなことに気づいた・・・

桜は光をチラッと見る

確かに今目の前にいるのは光で間違いないはずだ、だけど何故か違和感がある

その違和感を探るべく今話した会話を思い出す

すると妙な事に気づいた

その考えにいたり、桜はゆっくりとポケットから赤いグローブを取り出しつける

「ねぇ・・光ちゃん、あなたどうしてこれが敵の攻撃だと思ったの?」

そう桜が聞くと光は首をかしげた

「えっ・・だってこんな大胆に2人を閉じ込めて外と連絡取らせない様に通信機器を圏外にするなんて他に何があるんですか?桜さんどうしたんですかいきなり当たり前な質問をす」

その先は聞かないでもいいとわかり桜は思いっきり拳を振るう

すると光は声をあげてよける

態勢を崩し床に転がり少し離れたところで立ち上がる

「危ないじゃないですか!!!なんで攻撃するんですか!!!私は味方ですよ!!!」

そう叫びながら服のホコリをはらう

それを見ながら桜は冷静に言葉を選んで喋り始めた


「ごめんねいきなり・・でもおかしいと思っちゃったの」

「おかしい??なにがおかしいんですか?」

光は首をかしげて聞き直す

「うん、おかしいのまず一つはなぜすぐにこれが敵の攻撃だとすぐ判断で来たのか」

「それは!!明らかにこんな変な空間に閉じ込められたら、誰だって敵が攻撃してきたと思うのは必然じゃないですか!!」

光が反論するために大きな声をあげる

それを見ながら桜はゆっくりとしゃべる

「確かにそうね・・・おかしな点はもう一つあるのよ・・・あなた通信機は圏外だから使えないって言っていたわよね」

そう言うと光は怒鳴り始めた

「言いましたよ!!!圏外だったら携帯もスマホも使えないのは当たり前じゃないですか!!!私を馬鹿にしていますか!!さすがに怒りますよ!!!」

そう言われ確信に変わった

「うん・・やっぱりね」そう言い笑顔で笑う桜を光は睨みつける

「何がやっぱりなんですか・・・」

その声を聞きながら桜はゆっくりと構える

光はピクンとするがその場に立ち尽くす

「あなたが偽物だってことがよ!!!」

その声を発してダッシュで桜は光に駆け寄り思いっきり右こぶしを振るうが、その拳は空を振った

バッと振り返るとそこには光が立っていた

光は頭をポリポリかきながら言った


「おかしいなぁ・・・なんでバレちゃったんだろ確かにあの娘をトレースしたはずなんだが・・どこにおかしな点があった」

そういい光らしき者が質問してきた

桜はフーと息を落ち着かせて言った

「圏外だったら端末は使えない・・・確かに常識よね・・・・だけどね私たちは圏外でも通信する方法があるのよ!!!このアプリでね!!!」

と端末を取り出し画面を見せるするとそこには、ニワトリがコケーといいながら映し出されていた

「このアプリはね!天照様の特製でね、どんなに通信状態が悪かろうと連絡が取れるようにと天照様が私達の端末に入れてくれたの、だからわかったの本物の光ちゃんならそれを知っているはず!なのにあんたは、端末は使えないと言ったそれで気づいたのよ!」

そう言うと光らしき者はクッククと笑い始めた

顔をおさえながらしばらく笑いしばらくして落ち着きを取り戻し喋り始めた


「なるほど・・さすがに短時間でそこまでは記憶を探れなかったよ、いやはやそんな便利な道具があるとはねさすがの私もそこまでは見ることができませんでしたよ、もう少し記憶内部も見れるようにならないといけませんね、じゃあバレてしまっているのならもうこの小娘の格好をしなくてもいいわけだ」

そういい自分の顔を引き裂く

いや引き裂いたのは顔についているマスクだった、そして身体をゴキゴキと音を鳴らしながら体を変化させる

「ふぅ・・いやはやこの格好をするのは短時間でしたが疲れましたよ、あなたの記憶を読み取って光という少女に化けるのも結構時間かかりましたが、まさかあんなあっさりとバレるとは思いませんでしたよ。さすがメーカー使いだてに私たちの事を邪魔していたわけではありませんね、やはり本体は賭という男ばかり評価しすぎだ、私はこいつの方が脅威だと思っていたのは間違いではないかもしれませんね」

そういい顎に手を当てながら喋る

光に化けていた相手を凝視するするとそこに居たのは

「アヌビス・・・いや・・違うわねあなた誰?」

そう言い拳を構える

そうそこに居たのは確かにアヌビスだが、様子がおかしい

桜はアヌビスをよく見直す

ギラッとするめこそ本人の面影があるが色が違う気がする、今目の前にいるアヌビスは赤い目をしている一回見ただけだがアヌビスは目の色が紫だったと記憶している

その他の服装はアヌビスと一緒だった

すると目の前にいるアヌビスが笑い出した

「やっぱあんたのほうが脅威って判断した私は正しかったなぁ、初めましてというべきか私はアヌビスであってアヌビスではない、言わば分身体だもっとも私の方は理性がある方だから本体よりは何倍もしっかりしているが本体のスペックとは変わらないからあしからず」

そういいお辞儀をする

確かに荒々しい雰囲気はなくむしろ冷静な感じがうかがえる

しかし、なぜアヌビス自身ではなく分身体がここに居るのだろうかと一瞬考えたがすぐに答えにたどり着く


足止めの為だ


アヌビス自身は何かしら今やっていているのだろう、なら邪魔な私たちを分断してしまうために自身の分身を使っているわけだ

ならば急いでこの暗い空間から出なくては、何を企んでいるのかはわからないが一刻も早く三人と合流しなくてはならない

するとゆっくり歩き出しながらアヌビス分身体が喋りだす

「その顔は私達の狙いがわかったという顔をしていますね。察しの通り私はあなたの足止めを任されました、本体も今頃はこの空間外のビッグサイトで派手に戦っているはずですよ、夢見間賭とね・・まぁ夢見間もその戦いを断れませんがねなんせ、会場に来た人間全員が人質にされてるんだからなぁ!!」

そう言い分身体が突っ込んできた

一瞬人々を人質にとっていると聞いて一瞬遅れたが

それに応じて前にダッシュする


攻撃態勢を取っていた分反応はやや遅れたが自分の方が早いと桜は右ストレートをくり出すと分身体は避けようとせず同じく右ストレートの拳をくり出し互いの拳がぶつかり火花を散らした

よくみると分身体も手にグローブのようなものをはめているのがわかる

くっと声をだしお互い弾き返し左のパンチをくりだすがそれもまたお互いの拳にぶつかり火花をちらす

ならばと桜は一旦後ろに引くと分身体も後ろに引く

まるで考えを読まれているようだ

相手も同じ行動をしてくる、まるで鏡写しの様だ

では、これならどうだと右こぶしに気を込めると分身体も同じ行動をとる

やはりと思ったがここからは相手は真似できないはずと踏込み拳にためた気を分身体目掛けて一気に放つ

遠当てという技だ、結界の技の応用で今考えたこの技なら真似されるまいと思い気を放った後ダッシュで分身体に向かう


すると分身体はニヤッと笑い構えを解いてこちらに向かってくる

しまった!?罠か!?と思った時には時すでに遅く自分の横に着かれた

あまりの一瞬の出来事で見失ってしまい気づいたら真横

これはと防御姿勢をとろうとするが

「遅い!!!」

という分身体の声と共に右ストレートを見事にくらい飛ばされた

地面に何回か叩きつけられてようやく体制を立て直し膝をつく

アヌビス分身体はニヤニヤ笑いながらこちらを見ている

理性が強い分考えもまともなのだろう深追いをしてこない

こちらが立ち上がるのを見てようやく喋り始めた

「いや~さすがですねこちらがあなたの記憶から行動を予測してるのをすぐに察知して、予想だにしない行動をとるまさに完ぺきでしたよ、まぁそれを罠と気づくのに遅れたみたいですがそれでもさすがです」

そういい手でパチパチと拍手する

そして拍手をやめて人差し指を一本立てる

「ではご褒美に一つ教えてあげましょう。人質になっているといっても盾に取っているとかそういうわけではない霧により催眠状態にしているだけなので心配しないでください、ですがコミックマーケットが始まるという時間までに本体を倒せなかったら・・・人々から二次元に対する夢や希望が無くなり殺し合いをはじめます。だが私達も鬼じゃありません私たちを倒せなくても助ける方法はあります。それは、会場のどこかにある霧解除スイッチを押せば助かります、おっと一つのはずが三つも喋ってしまいました失敗失敗」


そう言いながらクスクスと笑った

それほど簡単に喋るという事は余程負けない自信があるのだろう

思いながら立ち上がり構える

「丁寧にどうもペラペラとありがとう。大体の事情はわかったからもうあんたは喋んなくていいわ・・殺し合いなんてさせてたまるもんですか!!!さっさと倒してこんなところから出てそのスイッチを切ればすべて解決!!あとは賭くんが何とかしてくれるわ!!!」

そう賭くんならなんとかしてくれるそう言ったが、なぜか妙な胸騒ぎを感じながら拳を構えなおしたのだ





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