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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第二章 二日目の激動
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第31 友の秘密

「まったく・・・ネクタルさんには困ったもんです・・・」


「まったくですね」


「まったくね・・私に隠してあんな物を描いているなんて許せないわ」


「「あなたはなにも言えません!!」」


そう言われ「すみません・・・」と小さくなる

ビッグサイトのエントランスベンチにて3人は口々に愚痴をこぼしている、それを苦笑いしながら座って聞くことしかできないでいる。






あの後、神子さんも目を覚まし桜さんと光ちゃんに捕まえられたネクタル、衝撃の真実ユリ本描いていた事により神子さんは2人と同様にネクタルをしかり倒した。

先ほどまで大バトルをしていた相手が正座をさせられ、3人からしかられているのを見ると何とも言えなかった。

そのあと、2人の怒りの矛先は神子さんの方にも飛び、まさかの日本の最高神と神のお酒の化身は正座をしながらうつむいている姿を見てしまうという貴重な光景ではあったが、哀れでしかなかった。


まさかのBL問題が解決したかにみえたのに、今度はユリ問題がでてくるという異常事態である。

言い訳しようと言葉を発しようとしていたが、凄い剣幕の2人になすすべもなくしかられ続け1時間ほどして解放された。

しかししかっているいる間に、自分達の戦いにより防災公園の見るも無残な姿が結界がすべて解けた影響で、あわやコミケに来ている一般人にすべて晒されそうな事態になり大慌て、寸でのところで黒服天使達が大急ぎで幻覚を作りだし、一般人にはバレなかった。


でも、黒服天使さん達も限界に近いご様子だったのでのちに新しい黒服天使さん達が交代で来るそうだ。

皆が大慌てしている中、ネクタルは隙を見て自分に近づき持っていたスマホを一瞬で勝手に取り画面をスライドされ、とあるアイコンが表示され苦い顔をした。


「あんさんあの魔術師にあったんやな・・・」


どうやら画面に表示されたアイコンがマーリンのであることにネクタルは気づいたらしい。


一瞬やばいのではないかと思ったがネクタルはため息をついて言った。


「あの魔術師からどこまで聞かされたかわからへんけど・・・あのロリ魔術師は信用してええよ・・・ただ今は天照にこのアイコンは見られんようにしなはれ・・・あとこれは念のための保険で入れとくから消さないどいてなぁ」とスマホにアプリを入れられた


お酒のマークのアイコンを見てタップしてみたが何も起こらないのを見てクスッとネクタルは笑い


「そのアプリわな時期が来たら勝手に作動するさかい、今はなんも反応しないいしあんさんに害をなすものじゃないことは確かやただ・・・」


そういいくるりと反対を向き小さく「作動しないことを願っているけどな・・・」とボソッとつぶやいた

その言葉を発した時のネクタルは少し悲しい顔をしていた気がする


2人で話しているのを見て天使達に指示を出していた神子さんが凄い形相で来たため話はそこで終わりネクタルは空中に飛び4人に向かってこう言い放った


「ほな・・また戦場で会いまみえましょうなぁ・・あんさん達とのバトルは楽しいさかい、しばらくこっち側にいます。もし戦う事になったら手加減なしで来てくださいね」


そう言って黒い空間をだし消えたのだった。




「何がバトルは楽しいよ!こっちとら迷惑よ」


桜さんはその言葉を思い出しイライラしていた。

その隣では光ちゃんも怒っていたが、どうやらそのことと一緒に別件で怒ってるらしい

あの後わかった事だが、光ちゃんのサークルも無事本は完売したらしいのだがなんとネクタルがやっていたらしいサークルに販売数で負けていたらしい

そのことがどうしても許せなかったらしく機嫌が悪いらしい

今下手に2人に声かけてはいけないことを察し、神子さんに声をかけようと神子さんを見ると丁度電話がかかってきたらしく立ちながら


「はい!!すみません!!!いえ!!!はい!!!今回は私のせいです!!!はい!!!すみません!!!反省してます、はい」


まるでサラリーマンが上司にお詫びを言っているような状態でペコペコお辞儀をしながら電話をしていた。

おそらく電話の相手はお父様と呼ばれている神子さんより偉い人なのだろう。

最高神と言われてはいるが当然それはこちらの常識なのでもしかしたらもっと上がいるのだろう、まぁのちのち話を聞いてみたいと思う


そんな3人の中座ってスポーツドリンクを飲んでいるとスマホにメッセージが飛んできた。

開いてみるとそれは優からだった。





「ごめん!!!遅くなった」


そう言いビックサイトから少し歩いた先にあるヴィーナスフォート2階のカフェにやってきた

声をかけてその座っている席に座ると優はスイーツを食べながらどうやら待っていたらしい

とても美味しそうなフルーツがのり上には黒豆がのったパフェが席に置いてあった

それを口に入れていたらしく飲み込むとようやく喋ってくれた。


「んにゃ待ってない待ってない!むしろ呼び出してしまって悪いなお前もなんか食べるか?ここのパフェ美味しいぜ」

とまた口に運んで食べ始めた


そう言われ確かに何も注文しないのは悪いなと思い、アイスティーと小さなパフェ頼んだ

心の中では軽くまた金が飛ぶ!!と思った事は言うまでもない

注文を終え目の前で幸せそうにパフェを頬張る優をじーっと見てると優はスプーンを置き口を拭いた

そして目の前にあるコーヒーを飲んで改めて自分を見た


「で・・お前さんあの3人にはついてこられていないよな?」


そう言われ頷く

あの状態で来られたらそれこそ大変だったがくしくも、光ちゃんはサークルのアフターに桜さんも企業の方とアフターにそして、神子さんはというと天界に一度戻るという事で今日は解散になった

アフターというのは言うなれば食事会みたいなものであるらしい、わからなかった自分に桜さんは少し不機嫌ながらも教えてくれた

言うなれば池袋で行ったお疲れ様会?もアフターにはいるのかもしれない。


頷く自分を見て優はキョロキョロ辺りを見回し3人が居ないことを再確認して向き直った

それほど警戒する事なのか?と少し疑問に思ったりしたが多分その事も含め今から話をするのだろうと思っていると注文したティーとパフェが来た

注文して間もないがすぐきたことには関心させられる

もしかしたらコミケが開催されるときは周辺の施設は、店舗ごとに精鋭があつめられているのかもしれない

実際にビッグサイト近くのマッグなどコンビニ各社は、他店から腕利きの店員を集めて対処しているそうだからそれも想定されているのかもしれない


運ばれてきたティーを一口飲んだところで会話に入る


「で?こんなところに呼び出してしかも1人で来てくれなんて別に電話で話したって問題なかったんじゃないか?確かにあの時後で事情話せよって言いはしたがまさかすぐとは思わんかったぞ」


そう言って今度はパフェを一口入れると優はブンブンと首を横にふった


「いや!!いや!!割と重要な事だからこそ直接会って話すのが大事だし早めに対処しないとお前がドジって喋ったらやばいからな」といい優もコーヒーを一口飲んだ


僕はそんなに信用ないのかと思いながらじーっとみながらパフェを頬張る

優はそれを見て頭をかきながら目線をそらす

まぁ確かにまだ付き合いは短いから仕方ないのかと諦めて目線をそらすとホッとしたような顔を優は見せた。

しばらくお互い沈黙していると、自分が半分くらいパフェを食べそうなくらいになってようやく優がもう一度口を開いた


「聞こうとしないんだな・・・俺の事やマーリン様との事」


うつむきながら優が問いかけてきた

いや呼び出しといて普通ならお前が語るべきじゃないのか?と少し心で思ったりもしながらしかたないと諦めて自分はスプーンを置いて優を見る


「確かにこのまま質問しないのもおかしいか、質問しなかったのはまぁ・・・整理がつかなかったからな。僕がピンチになってるところにお前が現れて、ネクタルの能力解除してもらって、挙句の果てに敵と思っていたマーリンがツインテールのロりっ子でお前がつながってるなんて想像できるわけないだろう。むしろ僕がこの戦いに巻き込まれてるなんていつ知ったんだよ。昨日の今日なのにさ、僕がこの能力や戦いについて知ったのは、それとお前のあの能力・・データアクセスだっけ?あれは僕たちとは違う別種の能力だろ?多分」


そう言うと優はコーヒーを飲んでから口を開いた


「凄いな賭、あの一瞬でお前らと違う能力って見破ったのはさすがだ。いや・・あの時思考力を軽くあげていたからか?まぁいいや察しの通り俺の能力はお前らとは違う能力だ」


そう言われやっぱりかと納得する


あの時優が使ったデータアクセスは今まで自分や桜さん、光ちゃんが使った能力とは違い二次元とは繋がりが薄い能力だった

簡単に言うと自分の能力は二次元のアニメの力が使える、桜さんは結界というアニメにありがちな力が使え、光ちゃんは描いた絵を召喚出せるという能力だ。

どれも少なからず、二次元関連につながる能力

対して優の能力は、情報を読み取る能力ぽかったので推測された

その能力だけだと、アニメや漫画などには情報を解析する能力があるので僕らの能力と一緒だと錯覚してしまうが一つだけ違ったそれは、媒体がなかったのだ。


「お前が考えている通りで、お前らが使っている能力確かメーカーって言うんだっけか?それぞれの能力に合わせて媒体を持ち戦う能力で主に二次元の力を駆使して闘う、だけど俺の能力はお前らの能力とは似ているが違う能力、その名は「JOBジョブ」日本語で仕事って意味だ。」


仕事の能力、ゲームではよくジョブ能力ってのがあるがあれのことかと考えていると優は思考を読んだのかニヤニヤしている


「お前、ゲームでの能力だとかって考えたんだろうけど職業とかって意味じゃあたりだけどちがくてな、この能力は現実の力を使っているんだ。お前らが使う二次元の力は想像力とかを使うんだが、俺の能力は夢も理想もない能力でね~職業にあった能力ってわけだよ」


職業にあった能力??訳がわからないと思考を巡らせる

それを見ながら優はまたコーヒーを一口飲んで話を続ける


「やっぱ能力補助が消えた後じゃ思考も追いつかないか・・・あぁ・・まず説明すべきだったのこっちだったあのな賭・・・・俺この世界の人間じゃないんだわ」


その言葉を聞いた瞬間思考が完全に停止した

何?この世界の人間じゃない?じゃあ宇宙人?とか変な考えをし頭から煙がでそうになるのを見て優はクスクス笑った


「やっぱそういう反応になるよな!いや~期待した通りの反応してくれてありがたい!この世界の人間じゃないってのはお前らとは違う世界、パラレルワールドって言えばわかるか?俺はその世界から時空を超えて来たんだ、マーリン様のおかげでな」


そう言われてこの世界の人間じゃないって事はようやく理解できたが、パラレルワールドそれはもう一つの合ったかもしれない世界の事で、あの時、その時、こうしていればと選択があるほど枝分かれしていく世界の事である。

その世界から来たという事はとんでもない事である。

思わず息をのんだ


「そのパラレルワールドの能力で、お前たちと違って二次元が発達しなかった世界だったんだ俺らの世界は、もちろん二次元がなかったわけじゃないんだぜ!アニメ、漫画とか娯楽もそれなりにあったんだが一人一人に与えられる職業の能力が強くてなそのまま発展していってたんだ・・・・」


そう言うと優は少し悲しそうな顔して、口をつぐみ下を向いた

なんとなく察したが口に出す


「していってたって事はなにかあったんだな?」と聞くと優は頷いた


優は少しして息を吸って

「俺らの世界は・・・・・消滅したんだ・・・・ある一人の力によって・・・」


悔しそうに握り拳を作って震えていた

その話を聞いた瞬間先ほど見た夢のようなものを思い出した


燃える街の中で逃げ惑う人々を次々に殺していた男

あの光景は・・・もしかして


「なぁ・・そのある一人ってのは・・・剣でお前らの世界の人を殺していったのか?」


そう質問すると優の顔色が変わった

「賭・・・お前・・・もしかして見えたのか?俺らの世界が・・・」


しばし沈黙した後賭は口を開き


「いや・・・わからない・・あれがお前の居た世界かはわからないがたださっき戦いが終わってすぐに心臓がズキって痛んだと思ったら頭痛がして、燃え盛る街の中で剣で逃げ惑う人を次々斬っていく男が見えたんだ・・・」


その光景をうっすらとしか思い出せないが恐ろしかったことと、言われた一言は鮮明に覚えてる

が、そのことは優に伝える必要はないだろうとそれ以上語らないでおく

ただ本当にあの光景がなぜ見えたのかはわからない


その話を聞き優はじろじろと見てきた

話していないことがあると思われているのだろうか・・


「なんだよ・・・違ったのか?」


そう問いかけると優は首を横に振って答えた


「いや・・たぶんお前が見たその男は俺の世界を消滅させた男だと思うただ・・・」


「ただ・・・なんだよ?」


何か引っかかる事があるのだろうか?優は下を見ながら先程の悲しい顔とは違って真剣に考えている

何か話しかけたらいけない気がして、ゆっくりパフェを一口入れる

すると優が顔をあげた


「いや・・なんでもない、気にしないでくれ・・・」


そう言われ「そうか・・」と答えながらパフェを食べ終える


すると優がコーヒーを最後の一口を飲み干し


「まぁ・・その男が・・・どこからともなく現れて俺らの世界を蹂躙したんだ・・・みんな必死にジョブ能力を駆使して対抗しようとしたんだ・・・俺らの世界の神様達も現れて戦ったんだけどな、勝てなかった・・・そこで生き残っていた俺を寸でのとこでマーリン様が助けてくれたんだ・・・そのあと消滅させられたんだ」

といいあはははと無理やり笑って見せた


相当つらいはずなのに僕がこういう悲しくなるような話を自分の様に受け止めて、落ち込むとわかっているのだろう、だから明るく見せようとしたのがわかる

あえてその優しさに甘えようと思い、なにも言わないでいると優の携帯が鳴った。


「はい・・あっええ俺の正体とかは少し話したところです・・・はい・・今からですか?はい・・わかりましたでわ」

そういい電話を切った


「マーリンさんか?」


「あぁ・・呼び出されてしまったから行ってくるわ、会い方はまだお前にも秘密だぜ!まっそのうち教えるわじゃあまた明日な」


そういいオーダー表を取り席を立つ


「あっ」て声をかけようとすると言おうとした言葉を察したのか


「今回は俺が呼び出したからおごりだ、じゃあな」


と颯爽と会計をしてお店を飛び出していった

なんてかっこいい去り方をするイケメンなんだろう

僕もあんな風にできたらどんなにかっこいいだろうかと思いながら残ったティーを飲み干して1人でいるのも変なので店をあとにした。

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