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二次元の力はこの手の中に!!!  作者: 神咲 勇気
第二章 二日目の激動
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第28 逆転への兆し

賭が地面に白刀を突き刺す

ネクタルは地面の中でそれを避けて笑う


「ふふふっ何もできんくて悪あがき?ほんに可哀そうに思え・・・」


笑っていたネクタルの声が止まる

賭はニヤリと笑う

白刀が突き刺さった地面が徐々に凍っていくのだ

「っ!!」舌打ちをするようにネクタルが声を出す

その冷気に気づきネクタルが賭を掴んでいた足を離して地面から出て来た

ネクタルが飛びあがり地面を出るとその瞬間冷気は一気に賭の周りをすべて凍らせた

宙返りをして少し賭から距離をとりその様子を見てネクタルは少し困惑しているようだった

予想していなかったのだろう、地面を凍らせるなんて事をするなんて・・・いや・・できるだなんてと言った方がいいだろう


地面から白刀を抜き立ち上がる自分をネクタルはじっと凝視する

すると一瞬で賭は姿を消したのだ

今目を離すまいと見ていたはずなのに見失ったネクタルは目を閉じ耳を澄ます

あたりはシンと静まり返っていたが冷気だけは肌に感じそしてわずかな音を聞き分けたネクタル


「そこっ!!!」


クナイのようなものを投げるとキンッという金属音が聞こえたと思うとそこには賭が立っていた

もし気づかなかったら攻撃されていた範囲だった

ネクタルは呼吸を整えて賭に問いかける


「あんさん・・一瞬だけいや・・身体の一部だけでも他の力と分けられるん?この地面を凍らせる技私は知りません。あんさんは、沖田の力で私を倒すという信念を破ったんですね・・でも勝つためにはしかたないこと卑怯とののしる事はしません・・・ただ・・少し残念と・・」


「信念は破ってませんよ」


ネクタルの声を遮って賭が言う

ネクタルは賭を睨む


「嘘を言うんじゃない!!!私は沖田の技をすべて知っている!!!ずっと見ていたんや!!何回も何回も!!!頭が擦り切れんばかりに新選組のアニメを見て覚えたんや!忘れるわけがない!!沖田にそんな地面を凍らせる技はない!!!」


声を荒げ怒鳴りながらネクタルは叫ぶ

余程自信があったのだろう沖田の事に関して、なのに自分が知らない技を出されたらそれは疑うだろうそれを聞いて賭は確信した


ネクタルを見て刀を構えるそして少し笑顔になると

「なにがおかしい!!なにを笑ってるんあんさんは!!!」


声を荒げるネクタル

それを見て賭は「いや・・少し嬉しくてさ・・・あんたが本当は二次元が好きで沖田が好きで・・・」と言うとネクタルは歯をギリッとしてもう一度言う


「こんな技知らん!!!これは沖田の技やない!!!私は知らない!!!」


そう叫び剣を取り賭に突っ込んできた

大きく振りかぶって剣を振り下ろす

その剣は空を切り裂くだけですでに賭はそこに居なかった

ネクタルが振り返るとそこに賭は立っていた

そしてまた笑顔になる


それを見てネクタルは地面をガンと踏みつけ凍った地面が割れる


「なんなん!!!その笑顔は!!!私は知らない!!一瞬で移動するその技も!!なんなんや!!沖田はそんな技もっとらへん!!その力はなんなんや!!!」


ネクタルはそう言いながら地面をガンガン何回も踏みつける

それをみて賭はゆっくりと口を開いた


「ネクタル・・・これは正真正銘あなたが知っている沖田の力だよ・・・ただ・・・あなたがこの技を知っているわけがないんだ・・・」


賭が言うとネクタルは強くまた地面を踏みつけた


「知るわけやない!!!どういうことや!!!私はあの子と一緒に何回も見た!!!それを忘れるわけがない!!!」


ネクタルは大声で叫びフーフーと息を荒げながら睨んでいた

それを見ながら賭は言う


「確かに・・・神子さんと見たそしてすべて覚えていたあなたに沖田で挑んでも勝てないとは思っていました・・だけど沖田のまま勝つそれができるかもしれないことをネクタル・・・あなたは神酒さんだった時に言っているんです」


「なにを・・・まだそれが沖田の力といいはるん?それに私が言うって何を言うてはるん??」


賭に自分が言っていたと言われ戸惑うネクタル

神酒だった時に何を話していた・・・思い出そうとしてもわからないでいた


それを見て賭は「あなたは確かこう言っていたんです」




「へ~神酒さんは新選組の斎藤 一くんが好きなんですか~」


「夢見間くん、新選組のアニメ見てるの?あれリメイクとかされて今また放送してるらしいよね~」


「そうなんですよ!あれ?神酒さんはリメイクする前の新選組を見ていたんですか?」


「じゃあ見た方がいいですよ!!昔のキャストさんをそのままやってくれているんで!!」


「ほんとに!?見る見る!!!絶対見る!そっかぁ~またあの時の声優さんで聞けるのは嬉しいなぁ」



賭は好きなアニメで話が出来て嬉しかったのでその時の事をしっかりと覚えていた。

その時話したことをゆっくり話、優しく笑顔を見せる


ネクタルは賭にそう言われてようやく気づいた

下をうつむきながら喋る


「つまり・・・その技たちは私が知らん・・・新選組の・・・」


「はい・・リメイクされた新選組の沖田の技です」


まっすぐネクタルを向きながら賭が優しく言うとネクタルは顔をあげた


「はぁ・・・・私も見とけばよかったなぁ・・・リメイクされて放送されることは知っていたのに・・・だけど、どうしてもあの子と喧嘩してから見る気にはなれんかったし、あっち側にいっていたからなぁ・・そうか・・新しい技か・・・・つまりリメイクされた新選組で沖田や一くんは・・・」


「はい・・生きているんです。あなたが知っている新選組では死んでしまった・・だけどリメイクされたアニメでは生きているんですよ・・」


笑顔で問いかけに賭が答えるとネクタルも少し微笑んでくれた


「そっかそっか・・・うそつきみたいに言うて悪かったなぁ・・・私が知らへんかっただけやのに・・そっか・・・二人が生きている世界線のアニメか・・・」


空を見上げるネクタル

なんだかその声は嬉しそうに感じた

少なくとも先程の怒っていた人がする声ではないくらいに穏やかだった

賭はその時何となくわかった・・・ネクタルは本当に優しい人なんだと、だからこそ神酒さんだったときの言葉に偽りはなくこうして今自分は立てているのだから・・・

そう思いながらネクタルを見ていると空を見上げていたネクタルがこちらを向く


「なぁ・・・賭はん・・他にもあるんやろ?沖田はんの新しい技・・・私がまだ知らない技」


優しく嬉しそうな声に答えるように頷くとネクタルは笑顔になった


「なんなら・・・もっとみせてくれるんやろうね?凄い技を・・・・」


そう言いながらネクタルが構える

賭も構えながら言う


「あぁ・・・大技は周りを巻きこんじゃう可能性があるからだせるか不安だけどな」


そう答えると遠くから「賭くん!!!」と呼ぶ声が聞こえた

その声はネクタルの後方から聞こえ、よく見ると神子さんが手を地面につけながらこちらを見ている

遠くてあまり見えないが地面に魔法陣みたいのが描きあがっていた


こちらが気づいたのをみて神子さんは叫ぶ


「賭くん!!!大丈夫だ!!!!思いっきりやりなさい!!!地面を凍らせる技も周りに被害がいかない様に私たちが防いだ!!!!」


そう言われ周りをよく見ると確かに自分たちの周りだけで氷は止まっていることに気づいた

神子さんは私たちがと言っていたつまり神子さんだけじゃない・・・

見渡すと桜と光が居ないことに気づく

つまり2人も何かやってくれているのだとすぐにわかった

状況を理解したのを察したのか神子は更に叫ぶ


「あの技も大丈夫だ!!私たちが防ぐ!!!だから特大の技くらわして!!!本当は私がやらなきゃいけないことはわかっている・・・だけど今の私じゃきっと届かないから!!!お願い!!!ネクタルにもう一度二次元は素晴らしいんだって思い知らせてあげて!!!そして!!!また一緒に!!!」


と言いながら少し涙を流しながらこちらを見ていた

その声を聞いてネクタルに向き直るとネクタルは笑っていた

その顔はとても嬉しそうだった


「なんだか嬉しそうな顔になってますね」


そう賭が構えながら聞くとネクタルは更に笑った


「あはぁ~だって私が知らない沖田の技が見れるんや・・しかもあの子たちがサポートしとるんやろ??だったら本気の特大の技って言うのも見れるんやそれは嬉しゅうてかまわん」


目をキラキラしながらネクタルは答える

まるで初めて動物をみる子どものようにその目は輝いているようにさえ思える

やっぱり根は悪い人じゃないそう感じた


だから・・・今度こそ二次元の可能性を・・新しい沖田の力を使って分からせてあげたい

もっともっとネクタルに知ってほしい

新しい技でも完全に通じるかはわからないだけど

知られていない技ならチャンスは必ずやってくるそう信じて構えネクタルを見るのだった

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